野中広務・辛 淑玉著
角川oneテーマ21 724円+税
この本、売れているらしい。
2人の対談に、辛 淑玉の補足説明が入る形式。
辛 淑玉の文章から引用。
『差別はいわば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者たちが野宿者を生きる価値のない社会の厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃する時、そこにはある種の享楽が働いているのだ。それは相手を劣ったものとして扱うことで自分を保つための装置でもあるから、不平等な社会では差別は横行する。そして、あたかも問題があるのは差別される側であるかのように人々の意識に根付き、蓄積されていく。』
『糾弾される側が冷静さを求めるのは、足を踏みつけておいて「冷静に話しましょう」と言うような茶番であって、まずするべきことはその足をどけることなのだ。』
関東大震災のとき、朝鮮人が迫害虐殺されたのは知っていたが、民も同様の被害を受けていたことは、本書ではじめて知った。
辛 淑玉の先鋭さを、野中広務のまろやかさが包んでいる。重いテーマであるにも関わらず、読んでいて前向きな気分になれるのは、そのためだと思う。
まぁ、読め!
角川oneテーマ21 724円+税
この本、売れているらしい。
2人の対談に、辛 淑玉の補足説明が入る形式。
辛 淑玉の文章から引用。
『差別はいわば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者たちが野宿者を生きる価値のない社会の厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃する時、そこにはある種の享楽が働いているのだ。それは相手を劣ったものとして扱うことで自分を保つための装置でもあるから、不平等な社会では差別は横行する。そして、あたかも問題があるのは差別される側であるかのように人々の意識に根付き、蓄積されていく。』
『糾弾される側が冷静さを求めるのは、足を踏みつけておいて「冷静に話しましょう」と言うような茶番であって、まずするべきことはその足をどけることなのだ。』
関東大震災のとき、朝鮮人が迫害虐殺されたのは知っていたが、民も同様の被害を受けていたことは、本書ではじめて知った。
辛 淑玉の先鋭さを、野中広務のまろやかさが包んでいる。重いテーマであるにも関わらず、読んでいて前向きな気分になれるのは、そのためだと思う。
まぁ、読め!