夕暮菜日記

私的日記、教育、社会、音楽、等々について

ウィキリークス、、、西山事件と似てないか?

2010年12月02日 04時28分49秒 | 社会
西山太吉という人がいる。
1971年、日米間の核兵器をめぐる密約をスクープした毎日新聞の記者だ。
西山はこの情報を外務省の女性事務次官から得たのだが、週刊新潮はこれを、西山と女性のセックススキャンダルとして報じた。
国家が国民を欺くという社会的歴史的スキャンダルを、国民ののぞき趣味を利用した下世話な話にすり替えたのだ。
そのくらい、どこかの誰かは、この問題をもみ消したかったのだろう。
どれだけの官房機密費が新潮社に流れたのだろう、と思わざるを得ない。
そして、密約の有無は既に周知である。
歴代の自民党総理大臣は、全員「密約はない」と、国民にウソをついていたのだ。

さて、ウィキリークス。
各国の首脳は「バレたらヤバい!」と戦々恐々のようだ。

以下はasahi.comより転載。

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ウィキリークス暴露「盗んで公開、言語道断」 前原外相
2010年11月30日21時40分

 「勝手に他人の情報を盗んで勝手に公開する犯罪行為。言語道断だ」。前原誠司外相は30日の記者会見で、民間告発サイト「ウィキリークス」が米政府の外交公電を暴露したことを強く批判した。

 前原氏は「(公開を)判断するのは(情報を)持っている政府であって、勝手に盗み取って公表することに評価を与える余地はない」と強調。暴露内容をマスメディアが報じることは「妨げることはできないと思う」と語った。

 「日本外務省の現職幹部の名が挙がっている文書もあるが、事実関係を調査するか」との質問には「コメントもしないし、事実関係の調査もしない」。米側からは外交ルートを通じて事前に説明があったという。(山口博敬)
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ウソをバラされることを「情報を盗む」とは上手いこと言うね(笑)。
盗まれる前に、国民をだまさないことだよ、前原クン!
よっぽどばれちゃまずいことがあるんだろうね。


以下は、ロイターより転載。

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ウィキリークス創設者アサンジ氏、ICPOが国際指名手配
 [ロンドン 30日 ロイター] 国際刑事警察機構(ICPO)は30日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ氏(39)を国際指名手配した。スウェーデンの検察当局は性犯罪容疑で同氏を捜査しているが、ICPOの指名手配はこの事件に関する協力となる。

 アフガニスタン戦争やイラク戦争に関する米軍の機密文書公開で有名になったウィキリークスは11月28日、新たに米外交公電約25万点の公開を開始。米国が各国とやり取りした外交上の敏感な内容も数多く含まれており、各方面で波紋が広がっている。

 スウェーデンの検察当局は今年9月、強姦(ごうかん)などの容疑でアサンジ氏の捜査を開始。同国裁判所が11月18日、同氏に対する逮捕状を出していた。

 オーストラリア国籍のアサンジ氏の所在は現在明らかになっておらず、ICPOは加盟国の警察当局に対して情報提供を呼び掛けている。
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あらま、西山さんのときとおんなじじゃん。
問題の本質をセックススキャンダルとすり替える、、、、反撃の仕方がワンパターンだね。
問題の本質では為政者が既に負けてる証拠だ。

次はゴミウリの社説、ん? ヨミウリだっけ?

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内部告発サイト 公益性欠く米外交文書の暴露(12月1日付・読売社説)
 内部告発サイト「ウィキリークス」が、米国務省の外交公電約25万点の公開を始めた。

 文書の多くは機密扱いで、サウジアラビア国王が米国にイラン攻撃を促したとされる報告など、外交問題に発展しかねない情報もある。

 クリントン国務長官は、「国際社会への攻撃だ」と非難し、情報を持ち出した者の責任を追及すると述べた。米政府は今後、機密情報の管理体制を見直す方針だ。

 インターネット時代に入り、政府や企業から意図的に機密情報が持ち出されるケースが増えた。

 ウィキリークスに情報を流した責任者の一人は20代の米兵だという。日本でも、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオや、警視庁公安部のものとみられる国際テロ捜査情報がネットに流出した。

 新しい時代に合わせて、政府や企業が機密情報の管理を強化するのは当然である。

 ウィキリークスはオーストラリア人のネット起業家が主宰するサイトで、800人以上が運営に関与しているという。機密情報公開については、「真実を知らせるため」と正当性を主張している。

 しかし、25万点もの公電を順次ネット上で公開する手法は、個々の文書の内容を精査し、公開の意義や目的、影響などを慎重に検討した上での行動とは言い難い。

 国民ののぞき見趣味に迎合するかのような、無責任な暴露と批判されても仕方あるまい。

 ベトナム戦争に関する米国防総省機密文書の漏えいなど、内部告発が隠されていた事実を暴き、時代を動かした先例は少なくないが、今回の公開に、そうした公益性は乏しいのではないか。

 ウィキリークスは、事前に、ニューヨーク・タイムズなど欧米の一部メディアに公電などの文書を提供していた。公開の宣伝効果を狙ったのだろう。

 タイムズは、米政府に独自ルートで文書の真贋を確認した上で取捨選択して掲載した。ウォール・ストリート・ジャーナルは、文書の内容を確認する前に様々な条件をつけられ、断ったという。

 どちらも、国民の知る権利を尊重しつつ、機密情報の公開に公益性があるか、政府だけでなく国民も含めた広義の「国益」に反しないかどうか、などを熟慮したうえでの判断だったのだろう。

 膨大で多様な情報があふれるネット時代だからこそ、メディアも含め情報を公開する側は、これまで以上に自らに厳しく、抑制的でなければならない。

(2010年12月1日01時04分 読売新聞)
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突っ込みどころが多過ぎてめげそうになるけど、頑張ってみよう。

>外交問題に発展しかねない情報もある。

隠されたものを明らかにし、問題としてきちんと議論の俎上に乗せるのがジャーナリズムの役割りだろ。
「外交問題に発展しそうだから隠しておこう」では、ジャーナリズムではない。
だからゴミウリって言われちゃうんだよ。

>公開の意義や目的、影響などを慎重に検討した上での行動とは言い難い。

膨大なリーク情報の意義や目的、影響などを検討し指摘するのが新聞の役割りではないの?
自分が権力に切り込むことをせず、ナニ言ってんだ?

>国民ののぞき見趣味に迎合するかのような、無責任な暴露と批判されても仕方あるまい。

ならば読売新聞で西山さんの名誉回復キャンペーンでもやってほしいものである。
だいいち、ほとんどの皇室報道なんて、のぞき趣味丸出しだと思うけどね。
ヨミウリ、そういうの好きでしょ?

>政府だけでなく国民も含めた広義の「国益」に反しないかどうか、などを熟慮したうえでの判断だったのだろう。

この「国益」というのは「アメリカの軍産複合体益」だろ。
さすがはCIAのパシリが主筆をつとめる新聞社だね。

>メディアも含め情報を公開する側は、これまで以上に自らに厳しく、抑制的でなければならない。

国家権力にとって新聞は良い子でいましょう、ってことね。


ウィキリークス、今後、どんな真実が出ててきて、クリントンがどんな顔で起こるのか、楽しみである。
それと同時に、創設者の身の安全、名誉の侵害が心配だ。

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)
澤地 久枝
岩波書店

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