夕暮菜日記

私的日記、教育、社会、音楽、等々について

ケッチン4

2010年09月09日 03時00分38秒 | 読書
きらたかし著『ケッチン 4』講談社533円+税

主人公がいよいよ初のツーリングへ。
第30話ラスト(p18~19)の見開きの1コマが素晴らしい!
作者はこの1コマのためにこの作品を描いたのではないか? と思わせる一枚。
バイクに乗っていると、景色が一変する瞬間がある。
自己と世界の関係が、何らかの相転位を起こす瞬間。
『それ』を見事に一枚の絵にしてくれた。
私が初めて『それ』を味わったときのことを、思い出させてくれた。
本作の主人公にも『それ』を味わわせてあげた作者に感謝したい気分になった。

幼なじみの成長、母親との葛藤、自己との葛藤などなど、本作の真のテーマ(?)である『自立』も本格的に動き出した。
そういうところを、丁寧にじっくり描くのが、きらマンガが何度読んでも楽しめる理由だろう。

後書きマンガでは、私も行ったモンゴルツーリングに、ほんのちょっとだけ触れられているのが嬉しかった。
また、おすすめツーリング本の1冊に、斎藤純の『オートバイライフ』が挙げられていた。
この本は、人生には目的があるということを知っている者だけが手にできる本である。
本が読者を選ぶのだ。
きら氏は、そういう本を読む人なのだ。
先に触れた1コマは、『きら流オートバイライフ』なのではないか。
あ、ケッチンという作品全部がそうなのか、

本書を購入した方は、ぜひカバーをはずしてみてほしい。
主人公三人組が、幼い頃に撮った記念写真をみることができる。
作者の登場人物への愛が感じられるカットだ。


ケッチン(4) (ヤングマガジンコミックス)
きら たかし
講談社

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オートバイ・ライフ (文春新書 (048))
斎藤 純
文藝春秋

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