ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第41回。
コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
■「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」が首位、シリーズは下げ止まりか
今回の首位は「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」(6.2万本)。
いつもどおりシリーズの販売実績を見てみる。
販売本数は「III」をピークに減少の一途だったが、今作の出足はDS「~ティアクライシス」と同程度に。
とりあえずは下げ止まった形になった。
ただ、今作が「~ティアクライシス」と同様に累計15万本以上まで伸びるかというと、それは難しそうだ。
メディアクリエイトによると「~ティアクライシス」の初週消化率は「45.67%」であり、2週目以降については
適正価格で売れていない(≒“ワゴンセール”で売れている)分がかなり多いことが推測される。
今作「~紡がれし百年の時」の初週消化率は「75.09%」と適正な数値になっている模様。
通常の推移なら、累計10万本前後の着地となりそうだ。
■「GRAVITY DAZE」がオリジナルソフトとしては大健闘
2位にはPS VITAのオリジナルソフト(シリーズの続編や版権モノではない作品)
「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」がランクイン。
VITAはまだタイトル数が少ないので、PSPも含めたオリジナルソフトの初週本数ランキングを作成してみた。
見てのとおり、PSPを含めても8位にランクイン。PSPの累計販売台数が1800万台超に対し、
VITAは50万台程度なことを考えると、これは大健闘と言えるだろう。
ついでに、3DSとVITAを合わせた「今世代」の携帯ゲーム機のランキングも作ってみた。
こちらでは3DSの「閃乱カグラ」に続いて2位にランクイン。このランキングでは、勢いのある3DSでも
オリジナルのヒット作は少なく、オリジナルタイトルが初週から本数を出すのがいかに難しいかが分かる。
ちなみに、VITA本体の販売台数は1.4万台ほどにとどまった。これは逆に、オリジナルタイトルであることが
マイナスに働いていそうだ。人気シリーズの続編なら、他のハードでシリーズ作品を購入していた固定ファンが
続編がVITAで出たからそろそろ本体を購入する、という流れが考えられるが、オリジナルではそうはいかない。
しかし瞬間的なハード販売台数の増加はなくとも、優良なオリジナルタイトルの増加は
いずれハード販売を底上げするのは間違いのないところ。
第二、第三の「GRAVITY DAZE」が出ることで、VITAの販売推移は徐々に、そして確実に上向いていきそうだ。
■「GRAVITY DAZE」はPSストアのVITAソフトの「評価数」で首位に浮上、ダウンロード販売本数でも首位の可能性アリ
VITAソフトでどうしても気になるのが、「ダウンロード販売本数はどれくらいなのか?」ということだろう。
VITAはソフトのダウンロード販売に力を入れているハードであり、現在のところ、すべてのソフトにおいて
パッケージ版と同時にダウンロード版がリリースされている。
ダウンロード版の販売本数の指標になるデータとして「PSストアの評価数」がある。
PSストアの評価は、ダウンロード版を購入したユーザーのみ入れることができるからだ。
ここで、現時点のPSストアにおけるVITAソフトの評価数ランキングを作成してみた。
見てのとおり、「GRAVITY DAZE」はパッケージ版が累計10万本以上を販売している「みんなのGOLF 6」を
すでに上回っている。これは2月19日時点のデータで、「GRAVITY DAZE」も発売2週が経過し本数を
伸ばしていると思われるが、さすがにパッケージ版のみで累計10万本は突破していないだろう。
つまり、「GRAVITY DAZE」は「みんなのGOLF 6」と比べて圧倒的にダウンロード販売のシェアが高い可能性があり
実数でも「みんなのGOLF 6」以上になっているかもしれない。
さらにデータをみると、「ラグナロク オデッセイ」も比較的、評価数が多いことが分かる。
「GRAVITY DAZE」と「ラグナロク オデッセイ」に共通することは、ハードと同時発売ではない有力作ということ。
仮説としては、現時点のVITAユーザーの6割超が本体を発売週に購入した人になるが、ハードを店頭もしくは
通販で購入した際、パッケージ版ソフトを同時に購入したものの、以降は店頭&通販を利用せずに済む
ダウンロード版を選択しているユーザーの割合が多いのではないかということ。
一方で、ハード同時発売ではなく、パッケージ版が累計7万本前後を販売していると思われる
「テイルズ オブ イノセンス R」の評価数が482件しかないという例があるが、
これはシリーズファンが特典目当てにパッケージ版を選択しているケースが多いのかもしれない。
また、「リッジレーサー」は評価数が多いが、これも仮説を考えると
“評価が極端に高いor低いタイトルは、評価数が増えやすい”のかもしれない。
いずれにせよ「PSストアの評価数」という指標は、もうしばらくデータを観察する必要がありそうだ。
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コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
■「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」が首位、シリーズは下げ止まりか
今回の首位は「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」(6.2万本)。
いつもどおりシリーズの販売実績を見てみる。
販売本数は「III」をピークに減少の一途だったが、今作の出足はDS「~ティアクライシス」と同程度に。
とりあえずは下げ止まった形になった。
ただ、今作が「~ティアクライシス」と同様に累計15万本以上まで伸びるかというと、それは難しそうだ。
メディアクリエイトによると「~ティアクライシス」の初週消化率は「45.67%」であり、2週目以降については
適正価格で売れていない(≒“ワゴンセール”で売れている)分がかなり多いことが推測される。
今作「~紡がれし百年の時」の初週消化率は「75.09%」と適正な数値になっている模様。
通常の推移なら、累計10万本前後の着地となりそうだ。
■「GRAVITY DAZE」がオリジナルソフトとしては大健闘
2位にはPS VITAのオリジナルソフト(シリーズの続編や版権モノではない作品)
「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」がランクイン。
VITAはまだタイトル数が少ないので、PSPも含めたオリジナルソフトの初週本数ランキングを作成してみた。
見てのとおり、PSPを含めても8位にランクイン。PSPの累計販売台数が1800万台超に対し、
VITAは50万台程度なことを考えると、これは大健闘と言えるだろう。
ついでに、3DSとVITAを合わせた「今世代」の携帯ゲーム機のランキングも作ってみた。
こちらでは3DSの「閃乱カグラ」に続いて2位にランクイン。このランキングでは、勢いのある3DSでも
オリジナルのヒット作は少なく、オリジナルタイトルが初週から本数を出すのがいかに難しいかが分かる。
ちなみに、VITA本体の販売台数は1.4万台ほどにとどまった。これは逆に、オリジナルタイトルであることが
マイナスに働いていそうだ。人気シリーズの続編なら、他のハードでシリーズ作品を購入していた固定ファンが
続編がVITAで出たからそろそろ本体を購入する、という流れが考えられるが、オリジナルではそうはいかない。
しかし瞬間的なハード販売台数の増加はなくとも、優良なオリジナルタイトルの増加は
いずれハード販売を底上げするのは間違いのないところ。
第二、第三の「GRAVITY DAZE」が出ることで、VITAの販売推移は徐々に、そして確実に上向いていきそうだ。
■「GRAVITY DAZE」はPSストアのVITAソフトの「評価数」で首位に浮上、ダウンロード販売本数でも首位の可能性アリ
VITAソフトでどうしても気になるのが、「ダウンロード販売本数はどれくらいなのか?」ということだろう。
VITAはソフトのダウンロード販売に力を入れているハードであり、現在のところ、すべてのソフトにおいて
パッケージ版と同時にダウンロード版がリリースされている。
ダウンロード版の販売本数の指標になるデータとして「PSストアの評価数」がある。
PSストアの評価は、ダウンロード版を購入したユーザーのみ入れることができるからだ。
ここで、現時点のPSストアにおけるVITAソフトの評価数ランキングを作成してみた。
見てのとおり、「GRAVITY DAZE」はパッケージ版が累計10万本以上を販売している「みんなのGOLF 6」を
すでに上回っている。これは2月19日時点のデータで、「GRAVITY DAZE」も発売2週が経過し本数を
伸ばしていると思われるが、さすがにパッケージ版のみで累計10万本は突破していないだろう。
つまり、「GRAVITY DAZE」は「みんなのGOLF 6」と比べて圧倒的にダウンロード販売のシェアが高い可能性があり
実数でも「みんなのGOLF 6」以上になっているかもしれない。
さらにデータをみると、「ラグナロク オデッセイ」も比較的、評価数が多いことが分かる。
「GRAVITY DAZE」と「ラグナロク オデッセイ」に共通することは、ハードと同時発売ではない有力作ということ。
仮説としては、現時点のVITAユーザーの6割超が本体を発売週に購入した人になるが、ハードを店頭もしくは
通販で購入した際、パッケージ版ソフトを同時に購入したものの、以降は店頭&通販を利用せずに済む
ダウンロード版を選択しているユーザーの割合が多いのではないかということ。
一方で、ハード同時発売ではなく、パッケージ版が累計7万本前後を販売していると思われる
「テイルズ オブ イノセンス R」の評価数が482件しかないという例があるが、
これはシリーズファンが特典目当てにパッケージ版を選択しているケースが多いのかもしれない。
また、「リッジレーサー」は評価数が多いが、これも仮説を考えると
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