【週刊ゲーム市場分析】「アーマード・コアV」がシリーズ誕生15年目にして最高初動を記録したワケは?

2012年02月06日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第39回。
次回からは再び土日更新予定です。

コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「アーマード・コアV」がシリーズ誕生15年目にして最高初動を記録したワケは?

今回の首位は「アーマード・コアV」(PS3版16.4万本、Xbox360版2.5万本、合計18.9万本)。
ここで「アーマード・コア」シリーズの販売推移を見てみる。


※主なタイトルのみ

同シリーズは誕生から15年目になるが、見てのとおり今作「ACV(5)」が最高初動となった。
V字回復どころか、固定ユーザー中心と思われていた同シリーズの販売が跳ね上がったのはなぜだろうか。
まず、近年の同シリーズはPS3とXbox360の2機種で同時発売されているので、機種ごとの初週本数を見てみる。



見てのとおり、360版は「フォーアンサー」からまったく伸びておらず、PS3版の本数が3倍になったことが
そのまま全体の飛躍につながっているので、PS3版が伸びている理由を考えてみる。

すると、すぐに行き当たるのが、フロム・ソフトウェアが開発して大ヒットを収めたPS3の
「デモンズソウル」および「ダークソウル」の存在だろう。

「ACV」は従来のシリーズ作品に比べ、オンラインでのマルチプレイを重視していることが特徴。
そしてアプローチの形に違いはあるも、「デモンズソウル」や「ダークソウル」も、
オンラインを重視した作りになっている。

さすがにこれだけで本数が大きく伸びたというのは乱暴だが、PS3で拡大したフロム・ソフトウェアのユーザーが
「次の1本」として今作「ACV」を選んだという理由は、仮説のひとつにあってもいいだろう。



「AC」シリーズと「デモンズソウル」および「ダークソウル」を発売順に並べてグラフにしてみた。

「デモンズソウル」の初週本数は「AC4」や「ACフォーアンサー」とそれほど変わらず、フロム・ソフトウェアの
固定ファンの購入に留まっていたが、その後大きく本数が伸び、それが「ダークソウル」につながった。
そして拡大したフロム・ソフトウェアユーザーが「ACV」を手に取った、というのは自然な流れではなかろうか。


■「テイルズ オブ イノセンス R」はPS VITAソフトで1位の初動

3位の「テイルズ オブ イノセンス R」はPS VITAのソフトとしては1位の初動を記録した。



「パッケージ版のみ」という注釈をつけたが、VITAのソフトで誰もが気になっているのが
「ダウンロード版はどれほどなのか?」という点だろう。

次週は有力ソフトも少ないので、VITAのダウンロード版のシェアの考察と、今回書けなかった
3DS「バイオハザード リベレーションズ」を取り上げてみようと思う。


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