【週刊ゲーム市場分析】「ワンピース 海賊無双」で再度注目されるキャラクターとゲームシステムのコラボ

2012年03月11日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第44回。
ゲームの販売本数を予想するサイト「YSO3」と、ツイッターアカウント:ysoguild もよそしく!

コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「ワンピース 海賊無双」がミリオンをうかがうロケットスタート

今回の首位は「ワンピース 海賊無双」(65.6万本)。1996年以降発売で初週で65万本以上を販売したソフトは
すべて累計で100万本を突破しており、今作もミリオンヒットをうかがえる出足と言っていいだろう。

また、今作はコーエーテクモゲームスの「無双」シリーズと、バンダイナムコゲームスがゲーム化の権利を持つ
「ワンピース」とのコラボだったが、「無双」シリーズとしては2003年発売の「真・三國無双3」(初週72.3万本)に
続く2番目の出足に、「ワンピース」のゲームとしては歴代1位の初週本数となっている。





さらに、1997年以降発売のキャラクターゲームとしては、「遊戯王」2作品に続く第3位の初週本数となった。
そして今作が累計100万本を突破すれば、「オシャレ魔女ラブandベリー~DSコレクション~」以来、
5年ぶりにミリオンヒットのキャラクターゲームが誕生することになる。


※「イナズマイレブン」シリーズはゲームが原作なのでキャラクターゲームには入れず


■減少の流れを変える、人気キャラクターとゲームシステムのコラボ

キャラクターゲームをよく購入する人は、その「内容」に不安を感じることが多いのは事実だろう。
ファミコン時代にさかのぼると、キャラクターゲームのミリオンヒットは珍しくなかったが、その後は激減し
ここ10年間でミリオンを記録したキャラクターゲームは、DSの「ラブandベリー」のみとなる。

今作「ワンピース 海賊無双」の好調の理由としては、国民的人気漫画と言われるまでに成長した
「ワンピース」のパワーが大きいのはもちろんのこと、すでにゲームユーザーから信頼を得ている
「無双」シリーズのゲームシステムとコラボしたことが大きいだろう。

キャラクターとのコラボに使われるゲームシステムは「無双」シリーズだけではない。
例えば「新世紀エヴァンゲリオン」が、ゲームシステムが好評となった「ガンパレード・マーチ」と
近いシステムで開発された例がある。



見てのとおり、減少の一途をたどっていた「新世紀エヴァンゲリオン」のゲームだったが
PS2の「~2」で一時的に大きく盛り返した。
キャラクターの人気と、評価を得たゲームシステムの融合が販売に結び付いた形となった。

ほかにも、ここで言う「キャラクター」とは少しずれるが、コラボされるゲームシステムの代表例として
「不思議のダンジョン」が挙げられる。「トルネコ」や「チョコボ」とのコラボ作品は
従来のシリーズ作品を圧倒する販売本数となった。

また、すでにあるゲームシステムとのコラボではなかったが、高い評価を得ていた
開発会社・サイバーコネクトツーが「NARUTO」シリーズの開発を請け負い、成功を収めた例も記憶に新しい。

人気のあるキャラクターと信頼のあるゲームシステムとのコラボ、またはそれに類する形は
キャラクター単独、またはそのゲームシステムを用いた「従来のゲーム」単独より大幅に販売を伸ばすケースが多く
各シリーズの減少に歯止めをかける有効な手段であることは、間違いなさそうだ。


■3DS市場の好調を受け、「マリオ&ソニック~」は前作を大きく上回る出足に

首位「ワンピース 海賊無双」の圧倒的な本数の陰に隠れてしまったが、
2位の「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック」(4.3万本)は、2009年にDSで発売された
「~バンクーバーオリンピック」(初週2.6万本)を大きく上回る出足となった。

前回の分析記事で、「牧場物語」が好スタートを切った理由のひとつとして
「圧倒的なアクティブユーザー数を背景にした3DS市場の好調」を挙げたが、それは今作にも当てはまりそうだ。


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震災から1年、都内新宿某所の風景。

2012年03月11日 | 団長は断腸の思い
今日であの震災から1年。

写真は都内の新宿某所の風景。地震で崩落した擁壁はいまだ復旧ならず。
都内ですら、こんな箇所が残されてるんよね。
被害が甚大だった地域の復旧は言わずもがな。

ここを目にするたびに、そのことを再認識するのであった。


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