日々想うこと

毎日の生活の中のちょっとした出来事や感じたことを気ままに書いています。

ハーバード白熱教室

2010-06-14 | 本棚
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル,Michael J. Sandel
早川書房

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NHK教育で日曜日の午後6時から、再放送は日曜日の深夜1時から、ハーバード大学史上最も人気を博するサンデル教授の講義が放映されています。全部は見ていないのですが、興味深いです。
さすがハーバード、速いテンポで論議は進んでいきますが、学生が巻き込まれ、熱く意見を戦わせる姿をみると、こんな授業を大学で受けてみたかったと思います。

《正義》とは何か、という哲学論が展開されるわけですが、
「1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? 」
「金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか?」
・・といった身近な社会問題が取り上げられて、哲学はただの卓上論ではないのだというのが新鮮でした。当たり前のことなのですが、こうした思想がいかに実社会を作り上げているのか、改めて考えさせられます。
アリストテレスまで遡り、彼らの哲学理論は、こうした問題をどのように扱うだろうか学生に問いかけることで、さらなる思考の展開を促します。

トムさんとふたりで、これについてはどう思う? などと話し合ったりするのですが、テレビを見ていない分も本にはあるので、読んでみたいと思います。

しかし、思考がいかに私たち自らが生きる環境を作るのか、それを思い知るようです。そして思考でさまざまな解決法を見つけようとする。経済に戦争・・あらゆる局面で・・。
このトップレベルのディベートは美しくさえありますが、思考〈マインド〉を〈超える〉視点を持ちうる東洋の精神性がアカデミックな場面で認識されるのはいつのことなのか、という思いもあります。

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