ものぐさ屁理屈研究室

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私はそれを知ってはいない。

東西投資理論の変遷を考える 2

2023-12-15 19:00:00 | 投資理論
さて、どうしてリバモアやダーバスを再読する気になったのかというと、興味深い投資本を続けて幾つか続けて読んだのが切っ掛けである。

その1つは Oliver Kellの「Victory in Stock Trading Strategy and Tactics of the 2020 U.S. Investing Champion」という本である。



Oliver Kellという名前には聞き覚えの無い人がほとんどだと思うが、本の題名に「2020 U.S. Investing Champion」とあるように、Oliver Kellは2020年の→Financial Competitionsで+ 941.1%という、2位のTomas Claroの + 497%を大きく引き離して、文字通りブッチギリの成績で優勝している。翌年の2021年には、ミネルビニが+ 334.8%で優勝していることは前にも書いたが、2020年の好調なマーケット環境に恵まれたとは言え、テン・バガーというのはちょっと最近の記憶にない数字だなと思っていたら、新記録を更新したとのことである。いや、素晴らしい。その彼が投資本を出したというだから、読んでみようという気にもなろうというものである。そのうち翻訳も出版されるかも知れない。

読んでみると、彼もまた「リバモア・ダーバス村のスーパー投資家たち」の一人であることが良くわかる内容であるが、そのことは巻末の推薦本を見てみても一目瞭然である。

<Reading List to Speed Up the Learning Curve

Reminiscences of a Stock Operator by Edwin Lefevre
How to Trade in Stocks by Jesse Livermore
How to Make Money in Stocks by William O’Neil
Trade Like a Stock Market Wizard by Mark Minervini
Think & Trade Like a Champion by Mark Minervini
Trade Like an O’Neil Disciple by Gil Morales and Chris Kacher
Japanese Candlestick Charting Techniques by Steve Nison
Technical Analysis Using Multiple Timeframes by Brian Shannon
Secrets for Profiting in Bull and Bear Markets by Stan Weinstein
One Up on Wall Street by Peter Lynch
Market Wizards by Jack Schwager
New Market Wizards by Jack Schwager
Stock Market Wizards by Jack Schwager
Hedge Fund Market Wizards by Jack Schwager
Unknown Market Wizards by Jack Schwager>

そして残りの2冊は、Bharath Koteshwarの「THE PERFECT STOCK:: How a 7000% move was set-up, started and finished in an astonishing 52 weeks」と「The Perfect Speculator」で、スタンガンの製造販売会社Taserの 2004年に起こった大相場に関する2部作とも言うべき内容の、すこぶる面白い2作である。

 

これらは、私が今年読んだ投資本の中のベスト・スリーであるが、Bharath Koteshwarは「The Perfect Speculator」のなかで、3冊の推薦本を挙げているだけ、あとは実践で学べと言っている。最も、そのうちの一冊は自著であるけれども。

<THE ONLY OTHER BOOKS A SPECULATOR NEEDS

1. “How I made $2 million in the stock market” by Nicolas Darvas
2. “How charts can help you in the stock market” by William Jiler
3. “The Perfect Stock” by Brad Koteshwar

All other lessons have to be learned by actual trade executions and experiencing a complete cycle consisting of an entire bull trend and an entire bear trend.>

リバモアもダーバスも古典なので、推薦本に挙げている人も多いと言えば多いのだが、日本では総花主義な意味合いで推薦本に挙げることはあっても、厳選した少数の推薦本として、まず読むべき本としてリバモアやダーバスを挙げる人は少ないだろう。

だが、私の狭い見聞からいうと、アメリカ人投資家でまず読むべき本としてリバモアやダーバスを挙げる人は、かなりの割合で多いように見受けられる。

ミネルビニも自著以外で推薦本に挙げているのは

・ウィリアム・オニールの本全て
・『マーケットの魔術師』シリーズ by ジャック・D・シュワッガー
・リバモアの株式投資術 by ジェシー・ローリントン・リバモア
・Superperformance stocks by Richard S. Love(見つけられれば)
・How Charts Can Help You in the Stock Market by William L. Jiler
・私は株で200万ドル儲けた by ニコラス・ダーバス
おまけ
欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア by エドウィン・ルフェーブル 

といったラインナップで、これ以上のものはいらないとまで言っている。

私はこれまで、リバモアについてはルフェーブル の「欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア」、ダーバスは「私は株で200万ドル儲けた」しか読んでいなかったのだが、このようなことから「私は株で200万ドル儲けた」を何気なくふと再読しだしたところ、愕然としたのであった。俺はこれまで一体何を読んでいたのかといった、目の覚めるような感銘を受けたのある。そのため興に載ってこれまで読んでいなかった二人に関する関連本を読み漁るという羽目に陥った次第である。やれやれ。

     
  

 

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