数年前勤務先へ自転車で
通っていた頃の事。
通勤路は川沿いの桜が
何本も植えてある道だった。
小学生を連れたお母さんと
すれ違うようになった。
小学生は黄色の帽子をかぶってはいたが
体格的に一年生ではなかった。
道沿いに小学校があるので
多分そこに送っていったんだと思う。
でも集団登校じゃあないよな。
小学校の門の手前で、お母さんは
来た道を引き返していく。
背の高いいつもジーパンをはき
黒っぽいジャンパーを羽織った
あまりおしゃれじゃなかったなあ。
日傘をさしてたっけ。
一年で一番好きな7月の朝
なんとなく顔見知りになって
たんで挨拶を交わすようになっていた。
おはようございます。位だけどね。
通勤が楽しみだったね。
次の年の3月を境に
二人を見る事は無くなった。
寂しかったね。何を話したわけでも
ないのにね。
春から夏へ移り行く7月。
またその日にも遭遇できると
思っていたのにね。