僕のどうしようもなかった夏：１２「RUSHとトコロテン」

僕のカラダはJさんに開発されて、触れられるだけでビクビクしてしまうほどになっていた。狭い車内で、僕は仰向けになり、うつ伏せになり、大股をひらき、Jさんの股間に顔をうずめ、ケツを突き出し快楽をむさぼった。
初めの「見た目あまり好みじゃないなぁ」という感想も吹き飛んで、毎日でもJさんとセックスを楽しみたい気分になっていた。僕は淫乱なセックス依存症のようだった。

そんななか、Jさんがごそごそやってたかと思うと小瓶のようなものを取り出した。
僕の体位を変えて向きあうかたちにして小瓶のふたをあけ、僕の鼻先に。
「ラッシュ、吸ってみなよ。」

初めてだった。カラダによくないと言うのはネットで知識としては知っていたけど、さらなる快感が欲しくて、言われるままに吸ってみた。片方の鼻を押さえて、息を吐いて、ゆっくり小瓶から蒸散するツンとくる気体を胸いっぱいに吸い込む。するとJさんが僕の鼻を押さえ、少し息を止めるように言う。
脳の後ろ半分が痺れて、カラダが熱くなる感覚。
それまで以上に僕は感じやすくなり、Jさんの指が僕のアナルを責め立てるたびに腰をくねらせ、AVのオンナのように喘ぐ。
もしこのとき、Jさんが外でやろうといって、車外にセックス好きなゲイが集まってたりしたら僕は自分からケツを突き出し、輪姦されたがっただろうというくらいに盛り上がっていた。

一方、Jさんもラッシュを吸っていた。見れば目がトロンとしてきている。すごくイヤラしい顔。そこには性欲しかない、そんな顔だった。きっと僕も同じだっただろう。

胡坐をかいたJさんのひざの上に跨り、ネッチリとしたキスをする。僕の理性はゼロになっていた。彼に支えてもらっていないと崩れてしまいそうだった。
ふと、彼の勃起したペニスが僕のアナルに触れる。と驚いたことに僕のアナルがビクンビクンと痙攣するように感じた。
「入れてやるよ・・・。」
Jさんもガマンできなくなったようだった。ゴムをつけ、挿入してきた。待ちに待ったモノが入ってきて、僕のカラダは押し寄せる快感に酔いしれ、狂った。彼のモノが僕を貫き、掻き混ぜ、イヤラしい音をたて、僕は我を忘れた。もうだめ、イカせてよ・・・。そのときだった。
僕のペニスからドクドクとJさんが衝くのに合わせて精液が大量に・・・。

初めてのトコロテンだった。
ケツだけでイッたのは初めてだった。
ほどなくJさんも僕の中でイッた。ほら、と言って大量の精液が入ったゴムを見せてくれた。
僕がトコロテンしたことについてはJさんも軽い驚きだったらしい。

気がつけばすっかり夜が明けていた。
「お茶でも飲んで行こうか。」
「はい。」
そのとき初めて気づいた。自分の声が掠れていることに。
喘ぎすぎて声がかれてしまっていたのだ。（つづく）

エラーに救われた？

先日のこと。
妻子がまた実家に帰ってしまった。
といってもケンカしたわけではなく、夏休みのある企画に参加するためなんだけれど。

週末だったので、僕はビール片手に悠々自適な夜を過ごすことに。
前にも書いたけど、こんなときってつい、パソコンに向かってしまう。
ゲイサイトを見ているとこんな書き込みが。

「週末一緒にまったりできるひとをさがしています。」
僕はどちらかといえば年上が好き。だからスペック的には申し分ない。掘りあおうぜ、とか、がんがん、とか書いてないのもなんか安心だし・・・。

普段なら見ているだけなのに、なぜが返信の投稿をしてしまったのは酔ってるせい？それとも週末のせい？果たして・・・。

Enterキーを押して出てきた画面はエラーの画面だった。
何度やっても同じ。リロードしてみると投稿されない。
何で？

翌日、醒めた頭で考えた。
こりゃ、踏み外す前にネットに助けられたんだな。
お前にはまだ早いって・・・。

僕のどうしようもなかった夏：１１「セックスマシーン」

人気のない公園の側道に止めた車の中でひたすら快楽をむさぼる僕達。
Jさんの指先に歓喜の叫びを上げてうねる僕のカラダ。
「すごい感じやすいんだね。こんなになってるよ。」
彼が言う。気がつくと先走りが沢山でていた。
僕はあまり先走りが出るほうではない。むしろほとんどでない。それなのに、こんなにべたべたになるくらいになるなんて・・・。

「俺はなかなかイかないほうなんだ。」
Jさんが言う。僕もそうだと言うと、
「じゃあ、たっぷり楽しもうぜ。」
そう言って、ローションを取り出し、僕の下半身につける。
強烈な快感が襲ってきて、僕は半狂乱になる。
カラダが溶けてしまいそうだった。
「すげぇイヤラしいんだなぁ、まさるは。」
「俺の友達と今度３Pしようぜ。」
「そいつもまさるのこと気に入ると思うなぁ。」
「どっかホテル借りて、俺が真ん中で３連結してみたいなぁ。」
「信頼がお互いできるようになったらナマでやろうぜ。」
「中出しとかもしたいな。」
僕のカラダをいいように弄び、狂わせながら、Jさんは彼のプランを話す。快感の渦に飲み込まれ、ほとんど返事らしい返事ができなかったけれど、彼の言葉の内容を想像して、僕はさらにヒートアップした。ホテルの１室で、犯されまくる自分。口とケツを同時に犯され、カラダをイヤラしくくねらす自分。中出しされ、ケツから精液が出てきたり、顔射され精液まみれになって快楽をむさぼる自分・・・。
されたい・・・。そう思った。
僕は肉体だけでなく、精神も彼に犯されていた。まるで性欲だらけのセックスマシーンだった。

「今日は車だからケツはやめとこうな。」
Jさんはそう言って、僕の体位をまた変える。彼のほうが冷静だったけれど、その言葉は僕にというより自分に言い聞かせているようだった。
気がつけば東の空が心持ち、明るくなってきているような気がした。
まだ時間はある。もっとしたい。そう思った。（つづく）

僕のどうしようもなかった夏：１０「欲望に流されて」

Jさんと軽く食事をしたあと、車を流しながらお互いのことを話す。
サッカー話で盛り上がったりして、それなりに打ち解けてきた。
当然、お互い、下心アリアリなんで、性的な話にもなった。
聞けばもともとタチだったけど、開発されてウケもできるようになったこと、今セックスフレンドはいること、近くの友達が欲しかったこと。

Jさんが言った。
「俺とセックスしたいの？どうする？はっきり言って欲しいんだ。」
「わかりました。はい、したいです。」
「おお、はっきりしてていいね。」
「（笑）」
そして車を走らせるが、住宅街にホテルなんてあるわけがない。
ひとしきりぐるぐるした後で公園脇の人気のない側道に車を止める。

「さわってもいい？」
彼の手が僕の股間に伸びる。
断る理由はない。
Jさんはシートを倒し、僕のカラダを愛撫した。
僕は例によってすぐに感じて喘ぎだしてしまう始末。
カーセックスかよ・・・。
そのときはぼんやりそう思ったけど、すぐに快感に押し流されてしまった。

Jさんははっきり言って非常にセックスが上手だった。
僕の今までの経験では一番だと思う。
何がすごいかって、その愛撫の仕方。
彼の話のとおりだとすれば、ここまでのテクを教え込まれたということになる。
そして、今度は僕が教え込まれる番なのだ。

彼の指先がやさしく、触れるか触れないくらいのところで、僕の敏感なところを撫でる。
僕のカラダは容易に反応して思わず、喘いでしまう。
ペニスを触るにしても、亀頭の周囲の大きさを確認するように、ゆっくり、やさしく触れる。そして、勃起した僕のペニスの浮き出た血管ひとつひとつを確認するように触れる。
カラダを触るにしても、筋肉のひとつひとつを確かめるように、やさしく、じらすように触れる。Iさんのときとは対照的だった。そして、それはまさに僕の好みだった。

僕は全裸にされ、カラダの隅々まで、Jさんに触れられ、歓喜の叫びを上げた。
カーセックスなんて初めてだった。女ともしたことがなかった。しようとも思わなかった。
でも、そのときは、もうどこでもいい、快感が欲しい、そう思っていた。（つづく）

Nobody's Perfect

インターネットの世界、特にBBS、掲示板を見ていると「荒れている」ことがある。と匿名の世界だから（自分も含めてだけれど）ある意味言いたい放題になってしまえる。言ったことに対して面と向かって「オマエおかしいんじゃねぇの？」なんて言われない。あくまで文字だけ。しかもいやになったら回線切ればOK。

こんなだから、いろいろ批判もできるだろうし、普段言えないことも言えるんだろうけど、無責任な発言も多いと思う。見ていると「おまえ公衆の面前で言えるか、それ？」と言いたくなるようなものも多い。

確かに自分も人のこと全然言えない立場なんだけど、少なくても相手を人として尊重すべきなんではと思う。完璧な人間なんていないんだもの。お互い赦しあっていこうよ。

なんてのは甘いのかな？

僕のどうしようもなかった夏：９「ご近所さん登場」

Iさんで懲りればよかったのに、その後僕はまだメールをしていた。

やっぱり年下はだめだな、と思ってた矢先、Jさんと出会った。
驚いたことに彼は同じ市内で、家も近そうだった。
そうすると、当然のようにお互い、会って見たいと思ってしまう。

Jさんと実際に会うことになったのは、そろそろ夏も終わりの頃だった。
今度は地元の駅での待ち合わせ。
知っている人がきたら・・なんて少し警戒しつつ、待っているとJさんが車で登場。
最新型の高級車。おお、かっこいいね。
さっそく乗りこむ。

と、え？本当に３７？
どうみてもぱっと見は４０過ぎてそうなんだけど。
まあ、いいや。
話をすると営業系の仕事ということで、交渉ごとはうまそう。ものをはっきり言うし、自信たっぷりって感じで話の間も１回きりの関係はいやだの、自分の考えをやたらと話してくる。
ちょっと鼻についたけど、目をつぶる。
当時の僕は困ったことにあわよくばセックスしたいと思っていたので、そんなことより、もう夜も遅いしこれからどうすんのかな、と性的なこと以外は聞き流していた。
（つづく）

既婚・ゲイ・ブログ２

自分の書いてきたものを客観的に見返してみると結構恥ずかしい。
特に過去の出来事を書いたりしたものは勢いでほとんど見直さずUPしちゃってるから相当なもの。
前にも書いたけれど、あんまり気にしないことにしている。
僕のやってることって人にえらそうに語れるようなものではないし、こういった電子的な場所を借りて、自分を発散してるだけなんだから。

さて、話は変わるけど、僕と同じような既婚でゲイの方のブログを探しては読みふけってるんだけど、そのうちのある方のブログで大変なことになっていた。
プライバシーがあるので、詳細は伏せるけど、一言で言えば批判コメントがついたのだ。
既婚でゲイであること、妻という立場の人以外との行為についての是非、その批判姿勢について論議になってしまっていた。
最後まで読んで、なんとかまるく？収まっていたので安心したけど、一時はブログをやめることも考えたらしい。読んでるだけだけどこれが元でやめられたらどうしようという思いでいっぱいだった。

はじめについた批判コメントの内容はまさに正論と呼ぶべき内容だったけれど、僕には痛すぎて、ぐうの音もでないものだった。
でも。
きっと吹っ切れている人はいないと僕は思う。
僕自身、かなりめちゃくちゃしていた頃もあるので、えらそうなことを言うつもりもなく、批判は甘んじて受けるしかないのだけれど。
でも。
自分のズルさも、身勝手さもわかっている。
それでも自分の理想と現実、周囲が求めてくる理想と現実のなかでなんとか折り合いをつけて生きていかなくちゃいけないと思うんだけど。
だめかな？そんなんじゃ。
多分僕自身では一生答えなんかでないんだろうな。

僕のどうしようもなかった夏：８「また嘘をついて？」

結局、Iさんにいいように犯されまくって帰ったのは翌朝だった。
別れ際、
「またメールしますね。」
と言われたけど・・・。次はどうしようか迷っていた。
セックスフレンドとしてはいいかもしれない。満点ではないけれど、抑圧された欲望を発散させるには彼のようなセックススタイルがいいのかもしれない。事実、自分も感じたというよりすっきりしたし。
でも時々無邪気な言葉で触れられたくないことを平気で言う。多分、今後腹の立つこともあるかもしれない。
まあ、早急に結論を出すまでもないだろう。向こうは気に入ってくれたようだし。なんてずるい大人の自分。

１週間後、彼からまた会いませんかとメールがきた。
平日の夜なら、と返事を出す。
返信の内容を見て、驚いた。
「また奥さんに飲み会って嘘をつくんですか？」

なんてこと言うんだ。
そのとおりだよ。
悪いか。
わかってるよ。
俺が悪い。
でも君に言われたくないよ。
そうしないと出てこれないだろ。
オトコとセックスしてきますって言うのかよ。

やっぱり思ってたとおりだった。
どうしたもんか。悩んでるうちに日がたってしまった。
その間にも
「なんで返事くれないんですか」
「また会いたいです」
「早く会いたいなぁ」
「電話かけちゃってもいいんですよ」
畳み掛けるようにメールが来る。
カラダは欲しい。でもちょっとこれでは・・・。まだ僕は迷っていた。

今、考えれば自分自身の一番ずるいところを突かれて痛かったんだと思う。既婚者でゲイの自分の最もきたない部分を白日のもとにさらされて。でも認めたくなくて、僕は腹を立てることで相手のせいにした。

最後のメールから１週間、彼から最後のメールが来た。
「わかりました。あきらめます。いいオトコに会えてよかったです」

今、彼はどうしているだろうか。結婚しただろうか。予定通り足は洗えただろうか。
首尾よくコトが運んでるといいけれど。
嫌味ではなく、本当にそう思う。そうできることが一番幸せだと思うから。
かなり難しいことだと思うけど。（つづく）

既婚・ゲイ・ブログ

既婚者で、僕と同じようにゲイであることを隠しているひとは結構いるのだろうか。
ゲイの掲示板を見るといっぱいいそうな気がする。
ブログをやってるひともぽつぽついる。

僕も同じ立場のひとに興味があるので、既婚でゲイのひとのページを探して読んでブックマークしたりする。でも長続きしないでクローズしてしまうひともいる。
ブログを続ける意味がなくなったからクローズしちゃうんだろうけど、やっぱり家庭に帰るのかなと思ってしまう。
というのは、うまくゲイライフと両立できる器用なひとは置いといて、ほとんどのひとはやはり家庭にプライオリティを置いている、いや置かざるを得ないんだと思う。
ゲイライフを謳歌したいと思っても、なかなかできない、何かを変えようと思って始めたけれど、自分自身は何も変わらなかったと思ってしまうのではないだろうか。というのは勘繰りすぎ？

なんだかとりとめなく書きなぐってしまったが、できれば続けてほしいなぁというの偽ざるところ。クローズされてしまうととても寂しい気分。

と、ここまで書いてふと思う。自分も書けることがなくなったらどうする？かけない状況になったらどうする？うーん・・・（あ、でもがんばって書きます！）

僕のどうしようもなかった夏：７「それはきっとスポーツのようなもの」

モーテルに着くと、僕達は話もそこそこに服を脱いだ。
・・・。いいカラダしてんジャン。
脂肪のほとんどない彼のカラダ。僕の方が全体的に筋肉は多い感じだけど、彼のほうが絞ってる感じ。
「すごいね。I君だっていいカラダしてるじゃん。」
と言ったら、
「まさるさんはもうちょっとおなか絞れば完璧ですね。」
だって。

シャワーを浴びて、ベッドに入る。
彼に愛撫されて僕は喘ぐ。
「いいねぇ、もっと叫んでもいいよ。」
「どう、ここはキモチいい？」
快感で痺れる頭の片隅でぼんやりと考えた。
なぜ、一切キスをしないのか。
甘い言葉をささやかないのか。
会ったその日に愛を語れとは言わないけど、真似事くらいはいいのではないかと思った。ムードを高めるために。
それになぜ電気を消さないのか。
終始笑顔でさわやかなのか。

残念だけど。
答えは明瞭だった。
そこには肉欲しかないから。
カラダが欲しいだけだから。

わかってたはずなのに、少しだけ悲しかった、気がする。
僕は快楽の渦に飲み込まれることにした。
それなら、それでいい。
お互いわかってたはず。

好意的に考えれば、それはスポーツのようなセックスだった。
電気を煌々とつけて、汗だくになってからまりあって快楽をむさぼる。
後ろめたさも何もない。

仰向けになった彼が、僕に言う。
「またがって、自分でケツに入れてみて。」
彼の上に跨り、自分から彼のペニスを握り、ケツに入れる。
僕の中に彼が入ってくる。この感覚がたまらなくキモチいい。
タガが外れたように僕は喘ぎ、腰を動かす。
Iさんも合わせるかのように腰を突き上げ、僕のカラダを激しく愛撫する。
今までにない感覚だった。彼が僕の奥深くを犯すたびにズシンズシンと全身に響いてくる。痛くはないのだけれど、壊れそうな勢い。
「あぁ、もっと、もっと。」
訳もなく喚きたくて、言葉が漏れる。

ベッド脇の大きな鏡を見ると汗まみれで快楽をむさぼる僕がいた。
明かりに照らされてヌラヌラと光るカラダ。
淫らな言葉に反応して上気し濡れた目。
イヤラシイ音を立てながらIさんのペニスを味わう僕のアナル。
・・・それは僕じゃなかった。よくエロ小説で「淫獣」って言うけどまさにそれだった。快楽に囚われたまさに変態と呼ぶべきものがそこにいた。
「すごいエロイじゃん。ほらほら、もっと激しく動いてみなよ。」
Iさんに言われるままに、いろんな体位で犯され続けた。
僕は全身がアナルになったようだった。
「もっと突いてよ。激しく。」
僕は叫んでいた。（つづく）