( leave things ) up in the air

30代後半・既婚・ゲイ。仕事も家庭も人生も全てが中途半端な僕のろくでなしな日々。

カプセル

2007-07-27 | Weblog
「疲れた顔してんな?」
Mさんに言われたのは呼び出されて行ったおとといの夜。

「いろいろあってさ。」
と僕。詳しいことを言っても何もならないから、言わない。

「ふうん・・」
Mさんも深くは聞いてこない。僕達はそういう関係じゃない。
ただお互いに快楽をむさぼりあうだけの関係だ。

激しい行為のあとで、
「これ、試してみる?」
Mさんが僕の目の前に差し出したのは
小さなカプセルだった。

「疲れてんだろ?」
またMさんが言った。
「何?これ。」
訊く僕。
「ん?カプセルだよ。」
とMさん。

僕は受け取って帰った。
翌日飲んでみると、確かに効く。
「おっ!ひさしぶりにバリバリ仕事してるな。」
Lさんにも褒められた。
バリバリ働いたせいか昨日の夜は久しぶりにぐっすり寝ることができた。

ひょっとしてMさん、心配してくれてたのかな・・・。
悪かったな・・・。
僕はいろんな人に心配かけて生きてるのに。
自分だけ不幸な顔して・・・。
いけなかったな・・・。
今度お礼を言わなくては。

「やる気あるのか?」

2007-07-21 | Weblog
Lさんに仕事で怒鳴られた。

初めてだった。

あれからいまいち仕事に身が入らなくて
ミスを連発した。

始めはフォローしてくれたLさんが
昨日は切れた。

言われても仕方がない。
やる気ないんだもの。
どうでもいいんだもの。

自分がオワッテル気がするんだよ。
何もかもうまくいかない。
誰のせい?
自業自得だろ?
周りのせいにしていいの?
周りは関係ないだろ?
自分が悪いんジャン。
・・・
・・・
僕の思考はグルグル回って
考えることを放棄する。

「まさる。」
Lさんが隣に立つ。
僕達は人気のない会議室へ。
「本当、お前どうしたんだよ。」
ごめん・・。
心配してくれんだ。
僕にはそんな資格ないよ・・。

ねぇ、抱いてくれって言ったら
抱いてくれるかな。
Lさんが抱いてくれたら
がんばれるかもしんない。

つい、そう言ってしまいたくなる。
ここなら誰もこない。

いや、言えるはずもない。
僕はLさんに心配かけたことを謝って
会議室を出た。

逃げる先

2007-07-13 | Weblog
つらいことがあるといつもそうだった。
仕事で嫌な事があったときも、
プライベートでうまくいかないときも

僕は快楽を求めてしまう。

今回も、僕は悩みに向き合うのがイヤで
考えるのがイヤで

逃げた先はMさんだった。

初めて自分から、抱かれに行った。

「めずらしいじゃん。」
Mさんは言った。
「やっぱ、まさるはこれが好きなんだね。」

とことん堕としてくれ。
この瞬間だけは全てを忘れられる。
後で自分のした行為に落ち込むんだとしても
今は全てを忘れたい。

僕は身を委ねる。
Mさんが怪しいものを僕に仕込んでいるかどうかなんてどうでもいい。
僕をぶっ飛ばして欲しかった。

スイッチが入って、僕は淫乱になる。
自分からMさんに跨りケツ穴に挿入する。
僕は腰をくねらせ、叫ぶ。
Mさんが突き上げるたびに僕の中の何かが壊れていく。
「もっと、あああ、もっと・・・」

再検査

2007-07-07 | Weblog
妻に促され、僕は精子の検査を受けた。
結果は、再検査というものだった。
なぜ再検査かというと

いなかったからだ。
少なからずショックだった。
精液のなかに精子がないというのだ。

今度はいてほしい。
僕は漢方薬を処方された。
・・・不味い。

今度の検査まで禁欲されるよう言われた。
なんとかガマンしないと・・・。

奇妙な顔合わせ・後日談

2007-07-06 | Weblog
この間、スーパー銭湯に行ったときのことが気になっていた。
なぜ、MさんとLさんが知り合いだったのか。
その後のMさんの様子がちょっとおかしかったこと、
Lさんがそそくさと帰ってしまったこと。
僕はLさんに話しかけたほうがいいのか気になっていた。

「まさる・・・。ちょっといいか?」
Lさんの方が話しかけてきた。
「何?」
「込み入った話なんだ。ここじゃちょっと。」
二人で別フロアに移った。

開いている会議室に入るなり、Lさんは後ろ手で鍵を閉める。
「話って何?」
訳のわからない僕は少し警戒する。
まさか、転勤?
「この間のことなんだけれど・・・」
「ああ、何?」
「お前、あいつとつきあってるのか?」
「は、はぁ?」
「・・・Mのこと・・・。」
「た、ただの知り合いだけれど?」
僕はゲイなのがばれたのかと思ってびくっとする。
Lさんは訝るような目で僕をじっと見る。

「何?どうしたの?」
僕の声は掠れていた。
沈黙が流れる。
苦しい・・・。

「・・・あいつには、・・・」
「え?」
「・・・気をつけろ。」
「え?」
Lさんも声が掠れていた。僕は意味がわからない。
「とにかく、今はそれしか言えないけど、とにかく、気をつけろ。それだけだ。」
そう言うと出て行ってしまった。

どういう意味だろう。
わからない。