( leave things ) up in the air

30代後半・既婚・ゲイ。仕事も家庭も人生も全てが中途半端な僕のろくでなしな日々。

僕のどうしようもなかった夏:7「それはきっとスポーツのようなもの」

2005-08-09 | Weblog
モーテルに着くと、僕達は話もそこそこに服を脱いだ。
・・・。いいカラダしてんジャン。
脂肪のほとんどない彼のカラダ。僕の方が全体的に筋肉は多い感じだけど、彼のほうが絞ってる感じ。
「すごいね。I君だっていいカラダしてるじゃん。」
と言ったら、
「まさるさんはもうちょっとおなか絞れば完璧ですね。」
だって。

シャワーを浴びて、ベッドに入る。
彼に愛撫されて僕は喘ぐ。
「いいねぇ、もっと叫んでもいいよ。」
「どう、ここはキモチいい?」
快感で痺れる頭の片隅でぼんやりと考えた。
なぜ、一切キスをしないのか。
甘い言葉をささやかないのか。
会ったその日に愛を語れとは言わないけど、真似事くらいはいいのではないかと思った。ムードを高めるために。
それになぜ電気を消さないのか。
終始笑顔でさわやかなのか。

残念だけど。
答えは明瞭だった。
そこには肉欲しかないから。
カラダが欲しいだけだから。

わかってたはずなのに、少しだけ悲しかった、気がする。
僕は快楽の渦に飲み込まれることにした。
それなら、それでいい。
お互いわかってたはず。

好意的に考えれば、それはスポーツのようなセックスだった。
電気を煌々とつけて、汗だくになってからまりあって快楽をむさぼる。
後ろめたさも何もない。

仰向けになった彼が、僕に言う。
「またがって、自分でケツに入れてみて。」
彼の上に跨り、自分から彼のペニスを握り、ケツに入れる。
僕の中に彼が入ってくる。この感覚がたまらなくキモチいい。
タガが外れたように僕は喘ぎ、腰を動かす。
Iさんも合わせるかのように腰を突き上げ、僕のカラダを激しく愛撫する。
今までにない感覚だった。彼が僕の奥深くを犯すたびにズシンズシンと全身に響いてくる。痛くはないのだけれど、壊れそうな勢い。
「あぁ、もっと、もっと。」
訳もなく喚きたくて、言葉が漏れる。

ベッド脇の大きな鏡を見ると汗まみれで快楽をむさぼる僕がいた。
明かりに照らされてヌラヌラと光るカラダ。
淫らな言葉に反応して上気し濡れた目。
イヤラシイ音を立てながらIさんのペニスを味わう僕のアナル。
・・・それは僕じゃなかった。よくエロ小説で「淫獣」って言うけどまさにそれだった。快楽に囚われたまさに変態と呼ぶべきものがそこにいた。
「すごいエロイじゃん。ほらほら、もっと激しく動いてみなよ。」
Iさんに言われるままに、いろんな体位で犯され続けた。
僕は全身がアナルになったようだった。
「もっと突いてよ。激しく。」
僕は叫んでいた。(つづく)