告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

ガンに対する免疫の仕組み

2009年07月30日 | Weblog
生物製剤をマウスの原発腫瘍内に投与すると原発の固形ガンのみならず、転移巣の増殖も抑制することを見出し転移の治療に効果的であることを示しました。一方化学薬剤の腫瘍内投与は原発腫瘍のみ直し転移腫瘍には効果がないことが分りました。生物製剤を投与すると生物製剤ががん細胞を直接殺しているのではなく、好中球、マクロファージという体内の貧食細胞が活性化してガン細胞を殺していることが分りました。この一連の実験の過程で、従来外科治療では腫瘍組織の局所リンパ節を切除する手術がおこなわれていましたが、局所リンパ節の中にあるリンパ球がガン細胞を殺すようになることがわかり局所リンパ節の切除はその後の予後を含めて、よろしくないと考えております。  


海老名卓三郎博士の本に書かれてあることから抜粋した。ハイライトだと感じた部分だ。転移ガンにも効果がある仕組みについては次のように説明されている。 生物製剤を腫瘍内に投与するとインターロイキン-8(IL-8)というサイトカインが腫瘍内に集まってくる。これによって活性化された好中球と腫瘍細胞がMCAF(マクロファージ走化活性化因子)という別のサイトカインを産生し、マクロファージを呼び寄せ原発腫瘍を小さくしていく。さらにこのマクロファージががん細胞との反応によりインターロイキン-1を産生し、ヘルパーT細胞が局所リンパ節と脾臓に増加する。これが血流を介して遠隔転移腫瘍に達するとガン細胞を認識、こちらにもMCAFを産生することによりマクロファージを呼び寄せる。転移腫瘍の増殖も抑制する。


ヘルパーT細胞はB細胞に指示を出して侵入者を攻撃する抗体(IG-Eなど)を作らせる。キラーT細胞は既に細胞内に侵入したウィルスを細胞全体ごと殺すという役目を持つ。ヘルパーT細胞には1Tと2Tの二つに分類され、ヘルパー2T細胞が優勢になると花粉症を引き起こす。さらに利根川進博士はγδT細胞(ガンマデルタ)の存在を発見した。さらに免疫活動にはT細胞の表面にあるリンパ球表面マーカーのCDも重要な役割を果たしている。1から200ほどあるなかで海老名卓三郎博士はCD56陽性細胞が特にガン細胞を殺す能力が高いと言う。



免疫の仕組みは限りなく深く、理解するのはきわめて困難だ。今日の教訓。