「9.1chアップミックスは全宇宙で幕張だけ!」
なんなんだ、この国道沿いの店舗っぽい謳い文句は。
クラッシャージョウや機動戦士ガンダム三部作あたりから恒例となっているフィルムプレゼント。
今日からこの「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」(長っ!)も入場者特典としてこのフィルムが貰えることとなりました。
ガンダムの頃は試写等で使い終わったフィルムを切ってプレゼントしていたらしいですが、現在のアニメ映画はデジタル配信。
もちろんフィルムなんて存在しないのでプレゼント用に作っているのはわかっているのですが……
すっげー大当たり!!というわけではないのですが、ベネチアのコンタリーニ デル ボヴォロ宮でルビィちゃんがダイヤお姉ちゃんと再会したときのシーンが出て結構嬉しい。
周りでは「ピザのアップだー」「花びらしか写ってねー」などの声が聞かれたのでこれはそこそこアタリの引きなのではないだろうか。
今日でこの「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」(もう一度言うけど長っ!!)鑑賞2度めなのですが、やはり楽しい。
「ラブライブ!The School Idol Movie」はμ’sの終わりを描き、そしてどうやってファイナルライブへと繋げるかということに終始した感があるのではっきり言ってしまえば、ラブライバー以外の人が見てもちっとも面白くない作品だったかもしれません。
その点、今回のサンシャイン!!の映画はエンターテインメント性が強く打ち出され、そこがとにかく気持ちが楽しくなる、そんな映画でした。
ぼくは過去ブログでちょこちょこっと記していたのですが、TV放映でのラブライブ!サンシャイン!!全26話に対してはとても不満を持っています。
全体を通してのお話はもちろんラブライブ!なのですから好きな世界観ですし、見ていて泣きもしました。
でも細かなところを見ていくと……
BDでチャプター飛ばしをしたり、まったく見ない巻があったりするほどです。
ではこの映画作品はなぜ一変して好きな映画となったのか。
2度見てなんとなくそのあたりが見えました。
それをちょこっと記してみようかと思います。
まずTVでのサンシャイン!!で最初に不満を持ったのが第3話。
3人による1stライブです。
まぁあの展開になったのはそうする理由があったのでしょう。
ラブライブ!/μ’sをトレースさせる必要性とその中での差別化など。
だから展開自体に不満はあれどそこは目を瞑ります。
でもどうしても納得が行かない点が2つ。
千歌ちゃんが時間を間違えたということ。
それってあまりにも千歌ちゃんのスクールアイドルへの取り組み方がいい加減で適当ってことになるよね。
そしてその展開に持っていく作り手の時間感覚もザルすぎると感じるんです。
どうやっても成り立たないんですよ。
開始時間が違っていた。
それはどのくらい?
15時7分から開演!ってことは無いよね。
普通は15時30分とか16時ちょうどとかでしょう。
そうなるとズレは少なくとも30分ということになる。
歌を中断してから30分なにしていたんだろう。
ずっとステージ上に立ち尽くし30分もの間メソメソしていたのかな。
グラウンドの外にまで溢れている車の列。
照明が点いた時には一変して満員となった体育館。
30分前ならすでに何人かは来ていても不思議ではない。
ということは間違えたのは1時間ということもあるかもしれない。
どうやってそんな長い時間その場がつながったのだろう……
と考えるとあまりにもおかしすぎるんですよ。
もちろんキツキツなリアリティは必要ではありません。
ぼくもこの作品世界にかかる虹の色の配列が理屈通りではなくAqoursメンバーカラー順なシーンがあってもそこにツッコミを入れるのは無粋だろうと思いますし、宙返りをする事は出来ない小原家のアグスタAW119ヘリがまるで川崎OH1ばりの高機動を難なくこなしてもそれは愉快な演出ですからそこに文句はありません。
でもこの第3話での時間設定が適当なのはあまりにも千歌ちゃんが愚かに見えてしまい不憫です。
愛があるなら作り手の責任としてちゃんと時間設定を細かく詰めるべきでした。
そんな時間に対する適当さが第2期のみかん農園モノラックのばかばかしいシーンにもなってしまうのですよ。
いつも無茶苦茶なCDドラマであるならば楽しいものだとは思いますがあのモノラックでのドタバタはアニメ本編としてはラブライブ!世界から大きく逸脱している演出だと感じてます。
そしてモブキャラの扱い方。
ラブライブ!の時もモブキャラに関してはたいして動かしてはいなかったのですが音ノ木坂と浦の星では状況が違います。
音ノ木坂はあくまで新年度の生徒募集を止めるというもの。
現1年生はその学校で卒業できるわけですね。
だから廃校をさほど真剣に考える生徒が少なくてもそこは納得はいきます。
一方浦の星は次の春には統廃合と転校や転入試験などといった卒業する3年生以外の全ての生徒に降りかかる災難となってしまいました。
それでも他生徒の描写に尺を使うことなく第1期の最終話になった途端急に”Aqoursメンバー以外の生徒が何もやってないじゃね?”となったのか唐突に「私たちもAqoursに入る」とわけのわからないことを言い出すに至ったんですね。
しかもわずか数分でそれもラブライブ!大会レギュレーションにより立ち消えというなんとも中途半端な展開。
モブキャラたちが必要な時にだけスイッチを入れられて動き出すロボットのように見えるのです。
そして追い打ちをかけるかのように2期第1話冒頭集会のシーンでまるでAqoursが浦の星の全てであるかのような雑な描き方。
まったくモブキャラたちに個を与えることを考えていないんですね。
止め絵の何枚かでも良いから他の部活動を描いていればそんなことにならなかったのに。
考えてみればラブライブ!では当初スクールアイドルを始めた穂乃果たちとそのスクールアイドルというものに嫌悪すら見せる絢瀬絵里生徒会長、そしてアプローチの仕方は違うものの目的はひとつとした理事長に対する動きで描く事なく外を感じさせる立体感をもっていた。
第1話で穂乃果と絵里ちを交互に映しながら1つの目的になっていく演出は見事でした。
この京極監督が担当した別アニメ「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」でのメタリカ防衛戦や帝国首都への空挺強襲での自衛隊側の描き方を見るに同時進行している事象を立体的に表現するのは京極監督の真骨頂といえるものなのかもしれません。
対してサンシャインは対立しているように見えた生徒会長も実はこちら側の人であったし、理事長という役割すらメンバー内に収めてしまい完全に閉ざされた世界にしてしまったんですよ。
人口は多いもの都会の中ぽっかり空いたエアポケットのような音ノ木坂に比べ、人は少なくとも地域で暖かく見守られている浦の星。
それをもっとうまく活かせば良いのに「夢で夜空を照らしたい」くらいでしか描けなかった。
でも必要となったときだけ便利使いに扱ってしまう。
ここが一番サンシャイン!!の監督がヘタクソだと思う点ですね。
そしてSaint Aqours Snowの「Awaken the power」
商売上仕方ないとはいえもっとうまくやる方法はあったはずです。
あの展開でなぜ全員出てくるのがいまだに怒りが湧いてきます。
だいたい「MY舞☆TONIGHT」で高校生であるAqours9人に花魁をモチーフにした衣装を着せるなんてありえないでしょう。
花魁ってわかってるのか?
舞妓さんとはわけが違うんだよ?
等々不満点があまりに多くて正直この映画化に向けて監督を交代して欲しいとすら思っていました。
「みんなで叶える物語」を標榜しているラブライブ!
ぼくたちが作り上げたラブライブ!を台無しにしやがって!!
そんな思いが積もりに積もってサンシャイン!!を心から楽しめなくなっていたんです。
では今回の映画が楽しかったのはなぜか?
TV放映とは何が違ったのか。
それは簡単なことでした。
”時間が短い”
それに尽きると思います。
この監督はすごいと唸らされるところもあるんですよ。
それがライブシーンの見せ方。
μ’sのライブシーンよりも数段上だと感じています。
もちろん数年間のCG技術の進歩というのもあるでしょうが。
大胆な(CG上の)カメラワーク。
光と影の使い方。
あまりに見事なんですよ。
と、考えるならばこの映画は……
時間が短いゆえにMV的だったと言えるかもしれません。
そこが良かった。
シーンに対する下手な言い訳を描く尺もないしそもそもそんな必要もない。
とにかくMV的に突っ走ってしまえばいいんですよ。
それがうまくハマったんだと思います。
だからロードムービー的な面白さがあった。
ワクワクさせる画作りがあった。
そう感じています。
とは言ってもまったく不満点がないわけではありません。
実は幼い頃会っていた。
なに? 昭和のアニメ?
今さらこれはあまりに安っぽい。
マリーママがスクールアイドルを認めるのがあまりに早すぎてカタルシスがまったく無いということ。
Saint SnowとAqoursのライブを「ラブライブ!決勝延長戦」としたのも不快です。
どんな理由や思いがあるのせよSaint Snowはラブライブ!大会において敗退したんです。
高校野球甲子園大会で初戦で破れた優勝候補校が「全国高校野球決勝延長戦」として非公式試合を行うようなものでしょう。
自分たちだけのライブだから?
でもそれをずっとラブライブ!と過ごしてきたぼくたちが見ているんです。
これはラブライブ!というものを愚弄していますよ。
作り手に愛があるならばラブライブ!決勝という言葉は使わないで欲しかった。
ルビィちゃんはダイヤさんの妹でありAqours9人の末っ子的キャラ。
でも彼女も高校1年生で16歳の女性です。
ことさら幼児化させて見せるのはどうなんだろう。
あれではちょっと幼さも残す可愛い子ではなくただの白痴だよ。
善子ヨハネが何か言うたびに花丸ちゃんがツッコミいれるのもあまりに多くてうざかった。
たしかにああいったやり取りは楽しくはあるのですが、ファンが喜ぶからって連発しすぎるとやはり簡単に考えすぎていませんかね。
3回くらいに留めておけばよかったのに。
そして月ちゃんの存在。
映画で新キャラを登場させるのは当たり前に行うことではあるのですがこの月ちゃん。
曜ちゃんの従兄弟で統合先の学校の生徒会長。
そこまでで良いのに以前イタリアに住んでいたためにイタリア語も話せ地理にも明るい。
ほら、やっちゃった。
ここなんだよこの監督のダメなところは。
うまく回すことが目的の便利キャラ。
それともなんでも詰め込んでしまうのは自信の無さの現れなのかもしれない。
もし、サンシャイン!!の次の映像化があるのなら。
この監督が続投となるのなら。
この映画のどこが楽しいのかを分析して自分の苦手なところと得意なところを見極めて挑んで欲しいなと切に願います。
ラブライブ!シリーズはもっと面白くしていけるコンテンツだと思うんだよ。
映画が楽しかったことを書いていたつもりなのに改めて読み返してみると文句ばっか言っていますね……
でもラブライブ!のときはぼくものめり込みすぎて精神状態もちょっとヤバく、悲壮感さえ感じていたくらいなのですが、今回のサンシャイン!!は適当な距離がある分気楽に楽しめていますよ。
しかしこのフィルムはどの作品でもアタリハズレが面白いくて
なんじゃこれ?なんの作品なのかわからんって事もありますしね。
映画じたいは私もとても楽しめました。
いろいろ詰め込みすぎた?内容だった気もしますが
テレビ放送の隙間?と言うか気になる部分が埋まった感じでした。
ただ・・・私も長々となるかもですが2期の北海道のお姉ちゃんへのサプライズのライブ
の時もでしたが、映画の最後も3年生がでてきたりするのが違和感はありますね。
あと、たしかに子供の頃に会っていたって言うのもわざとらしい?とってつけた?な感じでしたね。