NBA INS 'N' OUTS

かんたん解説 NBAなんでもとーく

学習しようよ・・・・

2009年05月26日 | '08-09 プレーオフ

これはヒドイ・・・・
GAME1のリプレイでしょうか?
GAME1の失敗から本当に学んでいるんでしょうか?
真剣さが足りないか、脳ミソが足りないかのどっちかですね。

ナゲッツはGAME3も勝てる試合を落としました。
これが試合巧者のチームなら、今頃3連勝していてもおかしくありません。
でも結果は1勝2敗です。
これを“経験の差”と言ってしまえば簡単ですが、それにしてももったいない。。

試合は、終始ナゲッツが先手を取ってリードする展開でした。
敵地で互角の1勝1敗。
GAME1で惜しい試合を落としたものの、GAME2を取って意気揚々とホームに戻ってきたはずです。
そしてGAME3もナゲッツペース。

油断はないでしょうが、プレーオフで楽に勝てるゲームなんてありません。
最後まで勝負はわからないし、1つのミスが試合を左右することだってあります。
遠足は家に帰るまでが遠足なんですから(←ちょっと違う)
1つ1つのプレーを着実に積み重ねていかなかったら、ゲームには勝てません。

でもやっぱりミスが出てしまうんですねえ・・・・
ミスで負けるのが一番つまらないです。
実力で負けたならまだ諦めもつきますが、ミスで負けると「防ぎようがあったんじゃないか」と後悔が先に立ち、諦めがつきません。
負けたというより、勝てたのになあ~という方が強く残ります。

じゃあ、問題のシーンを。
4Qに入って徐々に追い上げられたナゲッツは、ついに追いつかれます。
そして96-95とレイカーズ1点リードで迎えた、残り37秒。
ナゲッツボールでサイドラインからのスローインです。
確実に2点を取って、97-96と再逆転を狙いにいく場面です。

ここでスローワーに立ったKマートは、メロにインバウンズパス。
しかしボールは、もらいにきたメロの方ではなく、あさっての方向に投げ入れられます。
スローワーに対して真っ直ぐに向かってきたメロに対して、なぜかそれよりもハーフライン寄りの、しかもメロより後方へ投げ入れられるんですね。
それを見逃さなかったアリーザ(またアリーザ!)がスティールすると、もうレイカーズゴールまでナゲッツディフェンダーは誰もいません。
メロは仕方なく、アリーザをファールで止めるしかありませんでした。

し・か・し、ナゲッツにとって最悪の事態が・・・・
これがメロにとって6つ目のファールだったんですね。。
残り30秒で1点差という一番大事な場面にきて、一番の得点源を失うわけです。。
こうなったナゲッツに、レイカーズに対抗できる力はありません。
そこからは成すすべなく、一度もリードを取り戻すことはできませんでした。。

このプレーでナゲッツは、二重にミスをしました。
1つはまたもインバウンズパスをスティールされたこと、そしてもう1つはメロをファールアウトさせてしまったことです。
メロのファールアウトは不運だったとしても、インバウンズパスの失敗は防ぎようがあったはずです。
野球で言えば送りバントみたいな基本プレーであるはずなのに、それを一度のみならず、二度も繰り返しています。
同じ過ちを、です。

これはもう、技術というよりも意識の差だと思います。
あまりにも雑すぎます。
このプレーは大事にやらなきゃいけないとか、相手はスティールを狙ってくるかもしれないとか、メロのマークマンはあのアリーザだとか、メロはファールが5つだとか・・・・いろんなことを頭に入れて、あらゆる可能性を考えて、より慎重にプレーしなきゃいけない場面です。
でも、そういった危機感も警戒心も慎重さも、何も感じられません。
ただ漫然と、レギュラーシーズンの1ゲームかのように投げ入れてるとしか思えません。
きっと何も考えていないんだと思います。

派手なプレーをしても2点。
地味なプレーをしても2点です。
試合に勝つかどうかは、この2点を取る機会(ポゼッション)をいかに多く作るか(守るか)です。
つまり、1つ1つのポゼッションをいかに大切にできるかにかかっています。
派手なダンクや派手なブロックも、ただの2点です。
でも、そういったプレーはハイライトを彩るだけ。
そこに出てこない1つ1つの地道なプレーこそが、ゲームを形作ります。

その1分前のプレーもそうでした。
メロ→ネネたん→Kマート→JRと渡ったパスを受け、JRが3Pを放ちます。
この時Kマートは、JRにパスを渡したら即座にリバウンドに行くべきでした。
でも実際はパスを渡した後、そのままの位置にボーっと立ち、JRのシュートの軌道をただ目で追っているだけ。
そのシュートがリムに弾かれ、自分の方向に飛んできて始めて動き出します。

でももうその時には既に、自分の前のポジションをオドムに取られてしまっていました。
リバウンドで先にポジションを取られたら、そこで終わりです。
後ろからいくら手を伸ばして取ったところで、それはファールを吹かれます。
オーバー・ザ・バック(背中越しのリバウンド)というファールなんですね。
後ろから手を出した時点で、問答無用でファールなんです。

にもかかわらず、何にも考えずに後ろから手を出して取ろうとしてファールを吹かれるんですね。
これは最低のプレーです。
なぜか?

まずこの場面、残り1分46秒で93-92とナゲッツの1点リードでした。
このファールで自動的に相手に2本のFTを与えることになります。
つまり、みすみす逆転の機会を与えてしまうわけですね。
残り2分を切った大詰めの場面なら、1つ1つのポゼッションが大事です。
1つも無駄にはできません。
FTだろうが何だろうが、着実に点を入れられる機会(ポゼッション)を大事にすることが勝利への近道となります。
簡単に与えていい点数なんて、1つもないんです。

じゃあ何で簡単にファールを与えてしまうんでしょう?
それは、「ここでファールをしたらFT2本を与えてしまう」ということが、頭に入っていないからです。
状況を判断する意識が欠けているんです。
ただ目の前にあるボールだけを追っているから、何の気なしにファールをするんです。

でも瞬時にそれを把握するのは難しいんじゃないか?
そんなことはありません。
だって過去にも同じシチュエーションを何でもやっているんですから。
GAME1のブログに書きました。
残り時間わずかの場面で、メロが戻ってくるのを待たずにコービーにファールを与えてしまい、FT2本を献上してしまったこと。
この失敗を真摯に受け止め、二度と同じミスは繰り返すまいという意識があれば、簡単にファールなんてできないはずです。

でもファールはやむをえないものだから、避けようがないじゃないか?
そんなことはありません。
そもそもこのファールが起きたのは、Kマートの怠慢が原因です。
さっきも言ったように、最初からリバウンドに入る意識があれば、JRにパスを渡したらすぐ、ゴール下に走ってリバウンドのポジションに入れるはずなんです。
でも全くそんな素振りは見せず、その場にただボーっと立っているだけでした。

そしてボールが跳ね返った瞬間に初めて、「あ、リバウンドに行くか」という感じで動き出しているから、後れを取っているんです。
この時Kマートをブロックアウトしていたのは、オドムでした。
でもオドムは、逆サイドからわざわざ回ってきて、このリバウンドポジションに入りました。
もしJRがシュート体勢に入ったのと同時にリバウンドに走っていれば、十分オドムの前に入れています。
最初っから「リバウンドに行かなきゃ」と思ってさえいれば、十分取れたリバウンドなんです。

僕はこないだも、普段からリバウンドに行く気がないKマートの意識の低さを批判しましたが、この場面では普段以上に行かなきゃいけない理由がありました。
それは、ネネたんが5ファールだったことです。
この試合に限らずどの試合でも、リバウンドはネネたん1人に任せてアウトサイドをフラフラしていました。
でもこの場面では間違いなく、自分が行かなきゃ誰が行くという状況でした。
なのに傍観ですか?
インサイドの相棒が5ファールでも、俺がリバウンド行かなきゃという自覚が生まれないんですか?

ファールしたらFT2本という状況が頭に入っていない。
GAME1で同じミスをしたのに、そこから学んでいない。
ネネたんが5ファールという状況が頭に入っていない。
そもそも、リバウンドに行かなきゃという意識がない。
自分の怠慢が原因で生まれた状況なのに、安直に手を出して解決しようとする。
背中越しに手を出したらファールだという意識がない。
毎ポゼッションを大事にプレーしようという自覚がない。

以上が、このプレーが最低だと思う理由です。

まだあります。
最後に3つ目のミス。
99-97のレイカーズ2点リードで残り24秒。
エンドラインからレイカーズボールのスローインという場面。

インバウンドパスを受けたコービーを、Kマートとジョーンズがダブルチームで囲み、コーナーに追い込みます。
四方全部をふさがれた状況で、パスを出せる角度もなく、さすがのコービーもどうしようもありません。
そのままプレッシャーをかけ続ければ、かなりの確率でターンオーバーにできる絶好のチャンスでした。
しかし、そこであろうことか、Kマートが必要以上にアグレッシブにボールを取りに行き、ファールを吹かれてしまうんですね。

いやいやいやいや・・・・・

この場面、まだファールゲームにいく必要はありません。
時間はわずかではありますが、24秒以上ありました。
たとえ時間いっぱいに使われたとしても、多少の時間は残るはずですから、まだ最後の攻撃の番が回ってきます。
ファールゲームは、それが全く残されていない時にする作戦であって、少なくともこの場面ではまだ必要ではありませんでした。

しかも、コービーを追い込んだのは絶好のシチュエーション。
待っていればTOになっていたはずです。
たとえボールを奪えなくても、トラベリングとか、少なくとも8秒バイオレーションにはなっていたでしょう。
なのにそこでファールをしてしまうことで、コービーを窮地から救ってしまいます。
さらに、またもや2本のFTを与えてしまうわけです。

何度同じ過ちを繰り返せば気が済むのか・・・・

「2点差でターンオーバーを誘って、一気に同点のチャンス!」となるかもしれなかった場面が、一転して、「相手を助けた挙句、リードも4点差に広げられる」という状況に早変わりしてしまったんです。
さっきの繰り返しになりますが、またもや状況が頭に入っていないんです。
ただ何となく目の前のボールを追っているだけなんです。
全てが行き当たりばったりのプレーばかりです。

場面場面に応じて、やるべきプレーをきちんとやっていかなかったら、強豪チームになんて勝てません。
特にプレーオフシリーズであればなおさらです。
よくラリー・ブラウンが言ってましたね。
“Play the right way”
まったくその通りだと思います。
何よりもまず、やるべきことをやらなくてはいけない。

なんか文句ばっか言っているようで自分がイヤになってきますが、それは期待すればこそです。
こないだ書いたように、今回のナゲッツにはレイカーズに勝つチャンスがありました。
実際、今頃3連勝していてもおかしくはなかったわけです。
でも結果は、1勝2敗という現実。

それだけに、見てて歯がゆいんですね。
特にミスで負けるのは。
いくらでも防ぎようがあったわけですから。。
メロやチャウンシーは苦悩してると思いますよ。
いくら頑張っても、結局ミスや怠慢プレーで負けるわけですから。

ただただ残念です。



どうしてこんなことに・・・・



あちゃ~



イェーイ、ラッキー!


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28 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2009-05-26 07:28:54
これがバスケットIQというやつなんでしょうね
いつも楽しく読ませてもらっています。
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はじめまして。 (SUN)
2009-05-26 10:30:38
いつもものすごく感心しながらmanuさんの記事拝読させて頂いております。
いつもオモシロすぎて我慢出来ずにコメントしちゃいました。

A.I.が移籍してからナゲッツファンです。
いなくなっちゃいましたけど。
でもビラップス来てからのナゲッツの方が好きです。
要はミーハーな自分です(笑)

ナゲッツ,ホントに勝てる試合落としてますよね。
GAME1にしてもFTで負けたと言ってもいいんでないでしょか?

自分はGAME3見れなかったのでなんともいえませんが,なんでアリーザにもっと警戒心持たないんでしょ。
ほんとにGAME1と同じミスしちゃったんですね。

名将カール&ビラッップスを擁していても接戦を落とす。
これはやはり個々のプレーに対する集中力の差ですね。

あと,このカードはマッチアップ見てるだけでも飯食えますよね(笑)

メロVSコービー
マーティン&アンダーセンVSガソル&オドム
ビラップスVSフィッシャー
ネネVSアリーザ

どこを取ってもオモシロいです。

今後のメロ&JRの大爆発。
期待してます。
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Kマート・・・orz (crz)
2009-05-26 12:51:24
更新ありがとうございます。

確かに、Kマートの怠慢さには辟易しますね。プレイオフだぜ?なのに基本的なことができてない。誰かあいつに基礎を教える奴はいないのか?状態。実は、ジョージ・カールヘッドコーチは、仕方なく使っていたりして・・・。いずれにしろ、悪者軍団なだけに、素直に言うこと聞きそうにないですよね。Kマートの使い方がナゲッツの勝敗を決めそうな気がします。
にしても、ダンテのシュートセレクション、悪いなぁ。仁侠映画に出てきそうな舎弟っぽい顔してるし(関係ない)。

いつも写真で笑わされるのですが、その前にコメントを投稿してしまってます、すいません。今回のコービーにはビール吹きました。ビール返して下さい(笑)
あと、バードマンの変遷と仮の姿(日常編)も実に楽しませていただきました。ありがとうございました。彼も一時期グレていて、復活しているんですね。リバウンドへの執念やタフさはそこから来てるのでしょうか。にしても、何気にフリースロー上手いバードマン、相変わらず大好きです。
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いつもの二人 (ティム)
2009-05-26 15:15:36
Kマートとジョーンズ… 
見ていても毎回成長がないというか、、一生懸命やってるんでしょうけどね。みんなで頑張って作りあげたGAME壊しちゃダメですよね。
残り時間わずかの時は、二人ベンチにさげた方が良いかと思っちゃいます。
ナゲッツがファイナル進出しないと楽しみが減っちゃいます。いつものレイカーズじゃつまらないですよね…
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Kマートは… (@)
2009-05-26 17:17:18
確かに、普段からスクリーンアウトとかしないですよね。ハイライトになるフォローダンクも、シュートの軌道を一瞬みて、『おっ!ラッキー。』とか思って、飛び込んでる感じがします。

ケガ以来の不安でも、あるんでしょうか?ネッツ時代はどうだったのか、イマイチ分からないので、なんとも言えませんが…

突然のコメント失礼しました。
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スラムダンクですか? (メロブロン)
2009-05-26 22:27:29
同じ二点だピョン♪


違かったらスミマセン…


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Unknown (ギャトリング)
2009-05-26 22:46:20
manuさんこんばんは。
つい先日、物議を醸したニックス事変(NYファンとの壮絶なトラジッションブログ)以来
二回目のコメントです。
ホント面白いですね。今年のプレイオフ。ブルズで燃え尽き症候群になりかけたと思ってたら
それが序幕とは…。しかもIQベースの戦いですからね…。コメントしたのは二点です。

①manuさんが熱くなってそうだから。
②MPが元GSでプレイオフに絡んでるから。

GSファンはこうやって絡んでいかないと、
楽しむとこがないんですよね^^;

ひな壇芸人的ですいません。アンサー不要です。ハードコアファンの貴重で大切な時間を邪魔したくないので。端っこから見てますので。

返信する
Unknown (ABC)
2009-05-26 22:46:47
お疲れ様です
あ、コービーが飛んでる(笑)

記事から静かな怒りが伝わります。一瞬の油断が命取りな世界で、明らかに気を抜いてるやつがいたら致命的ですね

なんか私もスラムダンクから1つ思い出しました

大阪のチームとの試合終盤、赤木ゴリが油断した花道に「スクリーンアウトはどうしたあ!!もう勝ったとでも思ってんのかバカタレが!!」って言う場面(細かいとこは違うかも)
バシッとチームに喝を入れてました



両カンファレンスともに一進一退が続いてますね
どちらかというと下位チームが押してて、1位チームの方がむしろなんとか勝ってる感じも似てます

BSしかないウチは、明日の深夜が楽しみです

お忙しいでしょうから返信は結構ですよ~
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ほんとに・・・ (ぱんこちゃん)
2009-05-26 22:58:12
manuさん、お久しぶりです。

私も同感です。
スローインのあの場面
思わず「なぁぁぁぁ!」と叫んでしまいました。
何で同じミスを、同じシチュエーションで起こすのか・・・

第一戦はカーター(でしたっけ)がインボールするところを、長身のオドムが立ちはだかったので
視線がさえぎられたとしても
同じぐらいのマーチンがあんなパスをするなんて・・・
カーターもマーチンもバウンドパスと言うのは選択肢になかったのでしょうか・・・

ボールを高く上げてパスを出せばスティールの可能性は高くなるのに
スティールの可能性の低いパスは出せなかったのか・・・
そこまで教えられていなかったのか・・・
「・・・」が多くなる試合を見てしまいました。

ビラップスの入ってからのデンバーは
本当に違うチームに変わって
しかも、自分が注目していたネネが健康でプレイオフまでプレーしていたので断然注目していましたが
・・・
あの2つのミスがなければ、本当に3連勝と言う可能性があったはずなのに・・・

とりあえず、今日は勝ったので2-2に成りましたが、ステイプルズセンターでもうひとつ勝たないといけないので、厳しいかと思いますが
ビラップス、メロ、ネネ、バードマンにがんばってもらいたいです。
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なるほど (ロック)
2009-05-26 22:59:33
と納得してました。

マーティンもジョーンズも、運動能力だけでやっている選手というイメージが強く(私だけかもしれませんが)、クレバーさを感じていなかったので。
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