Jamison to Cavs

今年のトレードデッドラインは大忙しで、大小さまざまなトレードが成立しました。
ただ・・・・本当はじっくりと詳しく分析をやりたいんですが、個人的な都合でなかなかブログを書く時間が取れません。。
とりあえず合間を見つけて・・・・とは思いますが、トレード単位で短めに雑感を上げていくしかないかなと考えています。

まずは一番大きかったキャブス絡みの三角トレードから。

・ジドルナス・イルガウスカス：キャブス⇒ウィザーズ（※その後バイアウト）
・アントワン・ジェイミソン：ウィザーズ⇒キャブス
・ドリュー・グッデン：ウィザーズ⇒クリッパーズ
・アル・ソーントン：クリッパーズ⇒ウィザーズ
・セバスチャン・テルフェア：クリッパーズ⇒キャブス

このトレードは、実質的には以前からウワサに挙がっていたジェイミソンとイルガウスカスの交換です。（ブログ／ブログ／ブログ）
後はそれに付随して、サラリーキャップのマネジメントのために、第3のチームを加えて拡大版となったカタチです。
キャブスはアマレを狙うんじゃ？という話もありましたが、結果的にはジェイミソンに落ち着いた格好です。
キャブスに必要なのは第2のスター選手というよりも、堅実に働けるシューター系のPFでしたんで、現実的にベストな選択肢だったのではないかと思います。

ではロースターを。

【Cleveland Cavaliers】
PG：モーリス・ウィリアムズ／ダニエル・ギブソン／セバスチャン・テルフェア
SG：アンソニー・パーカー／デロンテ・ウェスト／ダニー・グリーン
SF：ルブロン・ジェームズ／ジャマリオ・ムーン／ジャワッド・ウィリアムズ
PF：アントワン・ジェイミソン／JJ・ヒクソン／リーオン・ポウ
C：シャキール・オニール／アンデルソン・バレジャオ／ダーネル・ジャクソン

ジェイミソンが先発PFに入り、ヒクソンがそのバックアップに回る形になります。
キャブスとしては、伸び盛りでルブロンとのコンビネーションも抜群なヒクソンをキープできたのは大きいと思います。
もしアマレとのトレードが成立していたら、キャブスはヒクソンを交換要員として手放しているところでしたから、ヒクソンを出さずに済むジェイミソンとの取引を選んで正解だと思います。
もう1人クリッパーズから控えPGのテルフェアも引き取りましたが、現在はケガで欠場中で、戦力としてキープするのか、バイアウト対象なのかは微妙なところです。

【Washington Wizards】
PG：ランディ・フォイ／アール・ボイキンス／マイク・ジェームズ／（ギルバート・アリーナス）
SG：マイク・ミラー／ニック・ヤング／（ジャバリス・クリッテントン）
SF：ジョシュ・ハワード／アル・ソーントン／クイントン・ロス
PF：アンドレイ・ブラッチ／ジェームズ・シングルトン
C：ジャベイル・マクギー／ファブリシオ・オベルト

ウィザーズはもうリビルディングに走ってますんで、イルガウスカスの契約もバイアウトが濃厚と見られています。
ただ、ジェイミソンと引き換えにして、単にキャップの空きを作るだけでなく、最終的にクリッパーズを含めた三角トレードに持っていったことで、若手のソーントンを獲得できたことは収穫でした。
今のところはダラスから獲得したジョシュ・ハワードとポジションがカブりますが、ハワードの契約は今季で切れるので、将来的には先発SFになることができます。
ジェイミソンが抜けた後、先発PFに上がったブラッチがかなり好調な活躍を見せているので、ソーントンとブラッチのフォワードコンビは、将来の若手コアになっていきそうです。

クリッパーズのロースターにいく前に、もう1つのトレードも。

・マーカス・キャンビー：クリッパーズ⇒ブレイザーズ
・スティーブ・ブレイク：ブレイザーズ⇒クリッパーズ
・トラビス・アウトロー：ブレイザーズ⇒クリッパーズ

まあ、これも以前からずっと言っていた話なんですが（ブログ／ブログ）、クリッパーズのロースターに関係してくるので一緒にしておきます。

【Los Angeles Clippers】
PG：バロン・デイビス／スティーブ・ブレイク／ボビー：ブラウン
SG：エリック・ゴードン／マーディ・コリンズ
SF：ラスール・バトラー／トラビス・アウトロー／スティーブ・ノーバック
PF：ドリュー・グッデン／クレイグ・スミス／（ブレイク・グリフィン）
C：クリス・ケイマン／ディアンドレ・ジョーダン／ブライアン・スキナー

今シーズンのクリッパーズはインサイドの人材が余っていた状態だったので、契約最終年のキャンビーをトレードに出して何らかの見返りを受けようという動きは規定路線でした。
昨シーズンは新人ながらエース級の活躍でチームを支えていたアル・ソーントンを放出したのが意外でしたが、その同じポジションにタレントのあるアウトローを取ることで穴埋めは行いました。
また、ベテランのブレイクを獲得することで、安定感を欠くPGポジションに落ち着きを与え、またグッデンは手薄なPFの補強か、あるいはバイアウトでキャップの空き作りに使われる見通しです。
3人とも契約最終年なので、リスクを負わずに戦力の確保とキャップの空き作りのニーズを同時に満たそうというトレードでした。

【Portland Trail Blazers】
PG：アンドレ・ミラー／ジェリド・ベイレス／パトリック・ミルズ
SG：ブランドン・ロイ／ルーディ・フェルナンデス
SF：ニコラ・バトゥム／マーテル・ウェブスター／ダンテ・カニングハム
PF：ラマーカス・オルドリッジ／ジェフ・ペンダーグラフ
C：マーカス・キャンビー／ジュワン・ハワード／（グレッグ・オーデン）／（ジョエル・プリジビラ）

ブレイザーズの場合は今シーズンもまだプレーオフ出場圏内にいますので、ケガ人続出のセンターポジションに人材を確保する必要がありました。
キャンビーは契約最終年なので、リスクを負わずに先発Cに実力者を据えることができ、理にかなった動きと言えます。
ただおそらくは、プレーオフ終了までの半年間のレンタル利用という扱いになってくると思われます。


全体的なまとめで言うと、まずキャブスは今シーズンの優勝を実現するために、ベストな取引をしたと思います。
ウワサに挙がっていた中で、アマレよりもマーフィーよりもジェミソンを取れることがベストなチョイスだったと思います。
アウトサイドシュートが打ててリバウンドも強く、シャックと一緒に先発で出ても互いのエリアを邪魔せずにプレーすることができます。
また経験が豊富で、性格的にケミストリーを乱すこともないので、今すぐ結果が欲しいキャブスとすれば一番無難な選択肢と言えるでしょう。
ロースターのバランスが向上したキャブスは、イースタンの勢力争いでまた一歩リードを広げた感があります。
ジェイミソン獲得は、キャブスにとって優勝へのファイナルピースとなる可能性が十分にありますね。

ウィザーズは、短期間のうちにかなり早いペースでリビルディングを進めています。
動かせる契約を着々と動かしていくという点もそうですが、その過程でソーントンのようなポテンシャルのある若手もGETできたことは、この先につながるいい動きだと思います。
現段階でウィザーズにできることとしては、とにかく残る長期契約を手放し、光るものがある若手をより多く集めて、将来への投資としていくことが肝心です。
そして、ドラフトやFAでチームを作り直していくという流れになると思います。

クリッパーズも、今シーズンは期待のブレイク・グリフィンが使えなかったので、早くも来シーズンを見据えた動きに切り替えました。
まだ3年目のソーントンを手放してしまったのはもったいないですが、それもまあFA市場の充実した来オフをにらんでの動き。
ルブロンをはじめ、ジョー・ジョンソンやルーディ・ゲイといった大物FAで先発SFを埋めることができますので、キャップの空き作りを最優先にしたんでしょう。
それでもまあ、出さなくても良かったんじゃないかなあ・・・・とは思いますけど。。

ブレイザーズはまあ、いずれにしても今シーズン末には手放す見込みだった2人と引き換えに、残りシーズンの間だけでも有用な戦力と交換できたという意味で、堅実なトレードでした。



シュート力のあるジェイミソン



優勝へのラストピースとなるか



若手有望株のソーントン



ウィザーズの将来のコアになるかもしれませんね



半年レンタルのキャンビー



でもリバウンドはリーグ2位



チームに必要な高さを与えます



ニーズを満たしてリスクも少ない良い補強でした



それと引き換えに飛ばされたブレイクとアウトロー



よぉ！　チーム海賊へようこそ!!



アイツの言うことはそんな聞かなくていいぞ。。