ウィザーズ絡み以外で確実に起こりそうだったトレードが、T-MACの放出でした。
T-MACの放出というよりも、今シーズンで切れるT-MACの巨大契約をどのチームが利用するか、というのが争点でした。
なぜなら、T-MACをGETしたチームは、この夏23.2mil分のキャップの空きを手にすることができるからです。
そして、それを前々からずっと狙っていたのが、ノドから手が出るほどキャップの空きを欲しがっていたニックスでした。
とりあえず選手の動きから。
・トレイシー・マグレイディ:ロケッツ⇒ニックス
・カール・ランドリー:ロケッツ⇒キングス
・ジョーイ・ドージー:ロケッツ⇒キングス
・ケビン・マーティン:キングス⇒ロケッツ
・ヒルトン・アームストロング:キングス⇒ロケッツ
・セルジオ・ロドリゲス:キングス⇒ニックス
・ラリー・ヒューズ:ニックス⇒キングス(※その後バイアウト)
・ジャレッド・ジェフリーズ:ニックス⇒ロケッツ
・ジョーダン・ヒル:ニックス⇒ロケッツ
・ドラフト1巡目指名権×2:ニックス⇒ロケッツ
ドラフト指名権も人数としてカウントすると、総勢11名が絡んだトレードとなります。
スゴイですねえ~
そして、わけわかんないっすねえ~(笑)
一見してわからない時は、やっぱロースターにして整理するのが一番ですね。
というわけで、ロースターです。
【Houston Rockets】
PG:アーロン・ブルックス/カイル・ラウリー/ウィル・コンロイ
SG:ケビン・マーティン/チェイス・バディンガー/ジャーメイン・テイラー
SF:トレバー・アリーザ/シェーン・バティエ
PF:ルイス・スコーラ/ジャレッド・ジェフリーズ/ジョーダン・ヒル
C:チャック・ヘイズ/デビッド・アンダーセン/ヒルトン・アームストロング/(ヤオ・ミン)
ロケッツは、T-MACが担っていた(担うはずだった?)点取り屋のエース役を、今後はマーティンに託すことになります。
ポジション的にも役割的にもぴったりハマった、ロケッツが求める先発SG像だったと思います。
実質的に“裏エース”だったランドリー(ブログ)を手放したのはもったいないですが、ポジション的に先発のスコーラとカブり、6thマンとして使わざるをえない状況だったので、そのイビツ構造が是正されて全体的なバランスは向上すると思います。
また、本業のセンターがいないゴール下に、サイズ(アームストロング)とタレント(ヒル)を加えることができたのもいい補強でした。
続いて、キングスのロースターですが・・・・
その前にこんなマイナーなトレードもありますた。
・ドミニク・マグワイア:ウィザーズ⇒キングス
ウィザーズのロースター整理は着実に進んでいますね。。
では、ロースターです。
【Sacramento Kings】
PG:タイリーク・エバンス/ベイノ・ウードリック
SG:オムリ・カスピ/フランシスコ・ガルシア/イメ・ウドカ
SF:ドンテ・グリーン/アンドレス・ノシオニ/ドミニク・マグワイア
PF:カール・ランドリー/ジョン・ブロックマン/ジョーイ・ドージー
C:ジェイソン・トンプソン/スペンサー・ホウズ/ショーン・メイ
キングスは、以前から指摘していたSGポジションのカブり(ブログ/ブログ/ブログ)を解消し、タイリーク体制に本格シフトしました。
契約最終年だったラリー・ヒューズは、チームに合流することなくバイアウト。
ロケッツから獲得したランドリーは先発PFに起用し、トンプソンをCへ移動。
先発Cだったホウズは、押し出される格好でベンチスタートとなりました。
まだまだポジションのカブりは多いので、引き続きロースターの整理は必要だと思いますが、とりあえず新しい方向へと進みだしたという感じでしょう。
さて、今度はニックスのロースターですが・・・・
またもや、その前に紹介しなきゃいけない別トレードが。。
・ネイト・ロビンソン:ニックス⇒セルティックス
・マーカス・ランドリー:ニックス⇒セルティックス
・エディ・ハウス:セルティックス⇒ニックス
・JR・キドゥンズ:セルティックス⇒ニックス
・ビル・ウォーカー:セルティックス⇒ニックス
まだあります。
・ダルコ・ミリチッチ:ニックス⇒ウルブス
・ブライアン・カージナル:ウルブス⇒ニックス(※その後バイアウト)
ぜえ・・ぜぇ・・・
いやいや複雑怪奇ですねえ~
これぞトレードデッドラインという感じです。。
では、ロースターです。
【New York Knicks】
PG:セルジオ・ロドリゲス/クリス・デュホン/トニー・ダグラス
SG:トレイシー・マグレイディ/エディ・ハウス/JR・ギドゥンズ
SF:ダニロ・ガリナーリ/ジョナサン・ベンダー/ビル・ウォーカー
PF:ウィルソン・チャンドラー/アル・ハリントン
C:デビッド・リー/エディ・カリー
冒頭で触れたように、T-MAC取りの目的はサラリーキャップ目当てなので、さっきのラリー・ヒューズと同じように獲得後すぐにバイアウト・・・・という可能性もあったんですが、ニックスはT-MACを戦力として残しました。
そしてなんと、獲得後すぐに先発として起用したんですね(!)
それだけでも軽い驚きだったんですが、なんとその最初の試合でT-MACは大活躍。
32分間の出場で、FG10/17の26点をマークしたんですね(!!)
なぜにこれが驚きかと言いますと、今シーズンのT-MACはほとんどケガでお休みしてて、ロケッツでの出場はわずかに6試合。
出場時間は最高でも8分間で、平均3.2点・FG36.8%という成績に終わっていたからなんです。
しかも、最後に出場してからもう2ヶ月もお休み中で、今シーズン再びプレーできる状態にあるのかどうかすら定かじゃなかったんですね。
なので、「え、出られるんだ?」というのでまず驚いて、「しかも活躍できるんだ!」というので二度驚いたというわけなんです。
まあまあそれはいいとして、その他の話を。
ニックスは先発PG問題をずっと抱えていて、不調のデュホンをそれでも使い続けなきゃいけない状態にありました。
代わりがいなかったんですね。
そこにテクニックは一流のセルジオ・ロドリゲスを取ったところ、これまたすぐに先発になりましたw
ブレイザーズとキングスで決して重用されることのなかったセルジオですが、ダントーニのオフェンススタイルにはピタリと合うタイプのPGなので、ニックスにとってもセルジオにとってもお互いにいい巡り合わせでした。
逆に、能力は高いものの使いどころが難しかったネイト・ロビンソンを放出し、エディ・ハウスと交換。
これまでネイトを何とか控えPGにしようとしてきましたが、その枠に収まるような選手ではありませんでした。
セルジオを先発PGにする見込みができたことで、デュホンをより適したバックアップPGに回し、ネイトのポジションにはハウスを置きました。
ハウスはネイトほどの爆発力はないものの、シューターとしての能力は上。
これまでネイトが担っていた“ベンチから起爆剤となれる控えPG”という役割を、パス出し役のセルジオ、シューター役のハウスと、より明確に適材適所な役割分担にしました。
もひとつついでに、セルティックスのロースターも確認しておきましょう。
【Boston Celtics】
PG:ラジョン・ロンド/ネイト・ロビンソン
SG:レイ・アレン/トニー・アレン
SF:ポール・ピアース/マーキス・ダニエルズ/マーカス・ランドリー
PF:ケビン・ガーネット/グレン・“ビッグベイビー”・デイビス/ブライアン・スカラブリニ
C:ケンドリック・パーキンス/ラシード・ウォーレス/シェルダン・ウィリアムズ
こちらはベンチプレイヤーの厚み、特に得点面での後押しが必要でした。
そこで、ベンチから41点(!)をマークしたこともあるネイトの獲得を目指したわけです。(ブログ)
実質的にPGが1人しかいないというチーム事情から、ロンドを休ませる時間帯にどうしてもオフェンスが停滞してしまいます。
そこでネイトがオフェンスの起爆剤として力を発揮してくれれば、“ゲームをつなぐ”ことができるというわけですね。
それなりの攻撃力を期待していた、ラシード、ビッグベイビー、ダニエルズらが不発気味なので、もう一発スコアリングパンチが必要だったんですね。
さて、まとめに入ります。
最初の三角トレードの話に戻りますが、この大型トレードで主導権を握り、最もうまい取引をしたなと思うのがロケッツです。
もはや戦力としてカウントしていなかったT-MACの巨大契約を元手に、他チームのフランチャイズプレイヤー(マーティン)と有望新人3人分(ジョーダン・ヒル+ニックスの1巡目指名権×2)を手に入れることに成功しました。
下位に低迷するニックスのドラフト権は、まずロッタリーピックになる可能性が高いため、8位指名のヒルと合わせてTOP10タレントを3人GETできる公算になります。
ほぼ戦力外だった契約が、エース格の選手と将来有望な若手3人に化けたわけですから、してやったりでしょう。
キングスは、タイリーク体制に一本化したという意味では間違ってはいませんが、一度はフランチャイズプレイヤーと見込んだマーティンを手放すのに、見返りがカール・ランドリーだけというのはもったいなさすぎます。
ランドリーは廉価で性能の高い、お買い得な選手ではあります。
でもオールスター級の選手を、安く売りすぎてしまったように感じます。
出すにしても、もう少しマーケットを吟味して、もっといい取引はないか、もっと上の条件はないかと探す努力が必要でした。
ロケッツのようにガッツかないとダメでしたね。
ニックスは晴れてジェフリーズの不良債権を手放し、オフにMAX級契約2人分のキャップスペースを空けることに成功しました。
しかし、そこに費やした代償もまた大きかった。。
ロッタリーピック3人分の価値は、やはりとても大きいと思います。
今はまだ実感としてありませんが、後々将来に響いてきますんで。
これで無事にルブロンとボッシュorアマレなんかが取れれば計画成功となりますが、そうならなかった時は・・・・暗く長いトンネルが待ち受けていそうです。。
最後にセルティックスですが、ネイト獲得はいい補強だったと思います。
ちょっと年波が押し寄せつつあるラインナップに、必要な勢いをもたらしてくれる存在だと思いますので。
それも、手放してもいいベンチウォーマーだけで交換できたのも大きかった。
ロンドとネイトのスピードスターコンビというのも、なかなかおもしろいですねw
ニックス加入後、すぐに先発出場を果たしたT-MAC
そしていきなり26点
早くもエースの風格!?
つーか、試合出れたんですね・・・・
こちらはロケッツの新入団会見
左から、アームストロング、マーティン、ヒル、ジェフリーズ
ご存知“元祖Kマート”ことマーティン
ロケッツにマッチしたシューターです
カール・ランドリーはキングスへ
6thマン賞当確だったのに
先発なっちゃいましたw
お、スパイク・リー
と思ったらネイトでしたw
セルティックスに入っても
相変わらず、チッちゃいすねw
T-Mac絡みのトレードでのキングスをmanuさんは安く売りすぎと見ますか~
私は、「元祖」Kマートが今の時点でどの程度のトレード価値があったのかなーと思うと、まぁよしかな、と思ってました。
最近怪我が多いこと、来年のオフがあること、FG成功率も低めでKマート入れるとそれなりにチーム戦略も変更しないといけないかもしれないって事を思って、この程度なら・・と考えてました。
ただ、JTをCにスライドさせないといけないのはマイナスですねー
あまりインサイド方向に押しやらないで欲しいなー
でもランドリーが結構体張ってくれるから大丈夫かなー
あとは余ってる2~3番のガルシアとかノシオニあたりでPGとれたらなー
こんな妄想がなにより楽しいここ最近ですw
トレードの話ありがとうございます!
ロケッツはトレード上手ですよね。ランドリーは痛かったですが、得たものが大きい。個人的にはヒルに期待してます。
ただ、ドラフト権はなんか特約なかったでしたっけ??3位以内はニックスへとか…。
セルツのトレードはmanuさんはよしとみるんですね…。もっとオーガスティンみたいな正統派PGが欲しかったです。難しかったんですかね。
さて、我らがジャズはやっぱり??トレードしてくれませんでした。調子がいいからかな??
ピストンズあたりとハミルトン+若手とかでのトレード期待してたのですが…。
長文失礼しますた。
僕はロケッツファンなんですが、正直今回のトレードは???でした。
もはや戦力外のT-Macの契約を引き取ってもらえたのは大きいです。(個人的にはT-Mac好きなんで残念ですが)
あと、地味にジェフリーズなんかはフィットすると思います。器用貧乏な感じが。
ですが代わりが……マーティンかぁ~ってのが率直な感想ですね。
ロケッツの全員がアンセルフィッシュなゲームが好きだったんですけど、マーティンが入ってそれが一気に崩れるんじゃないかと思います。
個人的にマーティンのプレーが好きじゃないってこともあるんですが、キングス時代のようにシュート乱発してたらそのうちHCに嫌われるよ~ってことを本人が自覚してるかどーか。ディフェンスもざるですし。
まぁ、ランドリーの抜けた穴をいきなりスコーラ大爆発で埋めてたり、1巡目2つゲットできたりしたのはものすごく好材料なんですけどね。
また、アリーザがナチュラルポジションに戻ってLAの時みたいに効率的に活躍する可能性もありますが。
今シーズンはちょっとあきらめてマーティンがフィットするのとドラフトで当たりくじ引くのを気長に待ちたいと思ってるんですがどーでしょうか。
ロケッツはケビン・マーティンの獲得は非常に大きいと思います。まだ、若いしブルックスといいコンビになりそうです(^o^)
キングスは、アグレッシブかつフィジカルでトリッキーなランドリーは、3年前は、NBA入りした時はほとんど無名だったんです。ロケッツではベンチから出てきてチームに活気を与える選手に成長し、キングスではスターターとしてチームに貢献してるのでランドリーの今後が楽しみですヾ(^▽^)ノ
T-macが動くのは分かってたんですけど、K-マーティンが放出されると思ってなかったです。
間違いなくエースだったのに(好きではなかったですがw)
ちょっと結果が出ないとこれってのはやっぱり厳しい世界ですねー
んで、このトレードを知らないままこないだNYのゲームを見たんですが、なんかやたらと3番の選手が目立つなー。
あれー?てかこのシュートフォームとか見たことあるよなー
んー?
あ、T-macかー
・・・T-macだぁ!?!?!?
って二度見しました(笑)
ただ今度のオフはこれ以上のしっちゃかめっちゃかっぷりになりそうですねー。
トレードの内容もそうですが、今からmanuさんの解説が楽しみです☆
売るのは否定しません。
いずれ出すことにはなったと思うんで。
ただ出すにしても、もっと駆け引きをして高く売る努力をすべきだったと。
慌てて今出す必要もありませんし、もっといい取引が来るまで待って、ドラフト前後にトレードをやったっていいわけですから。
それに、一応NBAチームのエース格ですし、タイリークが入っていなければ常時20~25点級の得点能力を持った点取り屋なわけですから、需要はあります。
それに今回、アマレのように“売りに出してた”わけではなく、あくまで“出す気はない”と言ってたために、吟味するほど多くのオファーが集まってなかったんですね。
どうせなら、「もっといいオファーないですかあ?」って広く聞いて回ってもよかったんです。
なので、「慌てて出す必要はなかったのに、どうして安易に決めちゃったのかな」というのが僕の率直な印象でした。
JTは確かにそうですね・・・・
せっかくSFができるぐらいの器用さがあるんで、オールラウンダーとして育てて欲しいですねえ~
まあ、これまでのキングス評からも読み取れる通り、ポール・ウェストファルの選手の使い方には納得がいかないですね。
>余ってる2~3番のガルシアとかノシオニあたりでPGとれたらなー
まったくその通りですw
ロケッツはうまいことやったと思います。
背に腹は代えられないニックスの足元を見て、揺さぶり攻撃を仕掛けた成果(?)だと思いますw
ロッタリープロテクティドとか、TOP3がプロテクトされたりする条件とかありますが、もしそれに該当したら次の年とかに回されるだけなんで、いずれにしても1巡目指名の新人はもらえることになります。
なので、将来への投資として“若手3人分”っていう条件は保証されてるんですね。
セルツのトレードは、取引自体はよしと見ますね。
ただベストだったとは思いません。
やはりちゃんとコントロールできる司令塔タイプの方がよかったことには変わりないですね。
なので、ビッグベイビーとオーガスティンの交換話が浮上した時に、「お、これはいいぞ。やれやれー」って言ってたわけですw
ただまあ、2年目の2人は戦力として使われてはいなかったですし、ハウスとネイトを単純に比較した場合に、ネイトの方がXファクターとしてのインパクトは上かなという意味で、よかったんじゃないかなと言っているわけです。
ジャズは・・・・補強じゃなくって、単に戦力を流出させましたね。。
ま、それは次回に。。
なんかプリンスとかハミルトンを取るような話もありましたけどね。
思った以上にブーザーの調子がいいんで、どうも戦略が変わってきてるようですね。
僕はこのトレードで一番得したのはロケッツだと思ってますよw
T-MACの契約は、「引き取ってもらった」んではなく、有利な取引を引き出す材料として「うまく使った」んです。
「引き取ってもらった」と呼ぶのは、残り契約が何年も残っているのに不良債権化してしまっているような選手を、譲り受けてくれるようなケースを指します。
残り1年の契約となった選手は、それはもう「利用価値のある」契約として、キャップの空きが欲しいチームから引く手あまたとなりますので、今回もそれをニックスが「ありがたく頂戴した」という格好です。
ジェフリーズはニックスにとって「要らない契約」だったので、それこそニックス的にはジェフリーズの契約をロケッツに「引き取ってもらった」ことになり、その見返りとしてドラフト権を譲り渡したわけです。
ニックス「ヒルと1巡目指名権でなんとか。。」
ロケッツ「うーん・・・・もう一声」
ニックス「いやいや、これ以上は・・・・」
ロケッツ「1巡目もういっこくんない?」
ニックス「それは勘弁してくださいよ~」
ロケッツ「じゃあ、ブルズに売っちゃおうっかなあ~」
ニックス「わかった、わかりましたよ。じゃあ2つ付けますから」
ロケッツ「よし、それでいこう。取引成立」
てな会話があったかなかったかは知りませんが、わかりやすく言えばこんな感じですw
あと、どうも皆さんのコメントを見る限り、マーティンへの評価が低いみたいですね。
ズレが生じているのはその点に集約されるような気がしてきました。
セルフィッシュなプレーって何でしょうね?
僕が思うセルフィッシュなプレーっていうのは、例えばチームコンセプトを守らずに勝手に打ったりとか、誰にも渡さずにいきなり打ったりということじゃないかなと思います。
JR・スミスとかはわかりやすいですがw、エース格だとモンテイ・エリスとか、スティーブン・ジャクソンとかはそんなタイプかなと。
でもマーティンはシュータータイプの選手です。
たまにはドリブルで切れ込むこともありますが、基本的にはスクリーンをうまく使いながら自分をフリーにする動きをして、そこでパスを受けてのキャッチ&シュートです。
レジー・ミラーやハミルトン、レイ様に代表されるプレースタイルですね。
つまり、パスをもらって初めてシュートを打てるのがシュータータイプであり、そういうタイプの選手は1人で自分勝手にプレーするなんてできないと思います。
だって誰かの助けを借りなければ成り立たないんですから。
それに、パスを受けてシュートを放つのは、チームコンセプトとしてやるプレーです。
最終的にそのシューターに打たせるために、チームとして作っているプレーなので、最後にシューターが打って終わらなければ話になりません。
もしシュートを打つ本数が多いことで“セルフィッシュ”と呼ばれてしまうのだとしたら、それも誤解です。
シューターは“シュートを打つことが仕事”なんですから。
リバウンダーがリバウンドをいっぱい取っても、セルフィッシュと呼ばれることはないと思います。
でも、シューターがいっぱいシュートを打ったらセルフィッシュと呼ばれてしまう。
それはおかしくないですか?
単に仕事をまっとうしてるだけなんですから。
もしそれがセルフィッシュで迷惑なプレーなんであれば、試合に出してもらえなくなるでしょうし、ボールも回してもらえなくなるでしょう。
でも、高い確率でシュートが決められる、あるいはチームにそれ以上のシューターがいない、ということであれば、チームの意思として“打たせている”ことになります。
マーティンの数字を見ても、だいたいコンスタントにFG45%、3P40%、FT85%台を残してますんで、これはシューターとしてはハイレベルです。
ペネトレイト中心の選手と単純に比較することはできません。
さらにもう一つ、もしマーティンがキングス時代にシュートを乱発して迷惑をかけていたんだとしたら、どうしてその当時キングスのHCをやっていたリック・アデルマンが再び呼び寄せるんでしょう?
HCとしてマーティンの決定力に頼っていたからこそ、積極的に取りにいったんだと思います。
それからロケッツのスタイルについてですが、まるで学生チームのようなアンセルフィッシュさがあって、僕も大好きです。
でもゲームに勝つことを考えた場合、得点を決めてくれる役割の人も必要です。
いくらアンセルフィッシュだと言っても、バティエを15人揃えたって勝てないわけですから。
ジャンプシュートがさほど得意ではないアリーザやブルックスに打たせざるをえない状況にあった今のロケッツには、マーティンのようなゴー・トゥー・ガイは必要でした。
これでアリーザやブルックスも無理してジャンプシュートを狙わず、得意なドライブインの方に力を注げるようになると思います。
さらにもう一つ僕が気に入っているのは、ヤオが戻ってくる来季以降の布陣です。
とりあえずポストのヤオにボールを放り込むことから始まるロケッツのオフェンスは、その周りを囲むシューターが必要でした。
T-MACもペネトレイタータイプだったので、シュータータイプのマーティンの方がヤオに合います。
ロケッツはその青写真を第一に考えて、マーティン獲得に踏み切ったと思いますので、僕はその部分を一番評価していて、今回のトレードを「ロケッツが得した」と言っているわけです。
なんかプレー見てても、これと言って目立った特長もないんですが、なーぜかイージーショットが多いんですよねえ~
見てて感心するのは、そのポジショニングですね。
なんかそれだけで点数取ってるような気がしてしまいます。
スルスルっと入っていって、いつも楽々レイアップ決めてるようなイメージですね。
ただキングスがどういうつもりでランドリーを取っているのかは気がかりですね。
今後もチームのコアとして考えて取ってるならば、JTの立場はどうなるんだ?と思ってしまいます。
ランドリーはもちろんいい選手なんですが、JTは将来の柱とすべき選手だと思いますんで、その辺のチーム構想が気になりますね。