First Blockbuster

毎年この時期になると、ビッグトレードが頻発します。
それは、2/20前後にトレードデッドラインが設定されているため、駆け込みで成立するトレードが多くなるからなんですが、今年1発目の大きいのが決まりましたね。
以前からウワサされていたワシントン絡みのトレードです。

アリーナス問題で揺れるウィザーズは、チーム再建の道に進もうとしています。
現在のチームは一旦解体して、また新たな方向性でチームを作り直そうというわけですね。
アリーナス自身は、長期契約が残っているので売りたくても売れず、切りたくても切れずの状態なので、他の人を整理するしかありません。
言わば閉店間際の売り尽くしセール、閉店ガラガラセールです。（出典：ますだおかだ）

まずは概要から。

＜WAS⇔DAL＞
　カロン・バトラー　9.8/10.6mil（残り2年）
　ブレンダン・ヘイウッド　6.0mil（残り1年）
　デショーン・スティーブンソン　3.9/4.2mil（残り2年）

＜DAL⇔WAS＞
　ジョシュ・ハワード　10.9mil（残り1年）
　ドリュー・グッデン　4.5mil（残り1年）
　クイントン・ロス　1.0/1.1mil（残り2年）
　ジェームズ・シングルトン　1.0mil（残り1年）

基本的には、バトラーとハワードの交換です。
ともにオールスタープレイヤーであり、ポジションも同じSF。
金額的にもイーブンで、違うのは残り契約の長さぐらいです。
今シーズンは調子を落としているところまで似通っています。

ヘイウッドとグッデンのビッグマン同士も釣り合う感じです。
守備的と攻撃的という違いはありますが、戦力的には同じぐらいかと。
あとは数合わせですが、ウィザーズ側は低迷の続くスティーブンソンの契約はどうしても手放したかったようです。
どうもそれが、取引成立の陰に条件としてあったようですね。

ウィザーズは、これと同じような条件でロケッツとのトレードも交渉していたそうです。
しかし、ロケッツ側がスティーブンソンの契約を嫌い、折り合いがつかなかったと言われています。
マブスは、ロケッツよりも今シーズンに勝ちたいという思いが強かったので、多少の負担を負っても戦力を充実させようとしたんだと思います。

では、ロースターの確認を。

【Dallas Mavericks】
PG：ジェイソン・キッド／ホセ・フアン・バレア／ロドリク・ボブア
SG：カロン・バトラー／ジェイソン・テリー／マット・キャロル
SF：ショーン・マリオン／デショーン・スティーブンソン／エドアルド・ナハラ
PF：ダーク・ノビツキー／ティム・トーマス
C：ブレンダン・ヘイウッド／エリック・ダンピアー

ここのところ、コート外の不祥事やケガなどもあって先発を外れていたハワードに代わって、バトラーにウィングのスコアラー役を託すことになります。
本来はSFですが、マリオンがいるのでSGで先発することになるでしょう。
シュータータイプではないので多少合わない部分もありそうですが、それよりもマブスはずっとSGポジションのサイズが課題だったので、特にディフェンス面でのサイズアップは果たせそうです。

同様にセンターポジションも、これまではケガがちなダンピアーに頼らざるをえない現状がありましたが、今後ヘイウッドと併用して使えるのは大きいです。
ヘイウッドは7-0（213cm）のサイズがあり、ディフェンスとリバウンドで貢献するプレースタイルもマブスが求めるものです。
優秀なビッグマンが多いウェスタンのプレーオフを見据えた時、堅実な働きができるビッグセンターの存在は非常に重要になります。

スティーブンソンは、攻撃面ではスランプに陥っていますが、ディフェンス面でウィングのストッパーとして機能できれば戦力になります。
放出したクイントン・ロスに期待していた役割を、そのまま担うことになるでしょう。

総括すると、今回のトレードでダラスは、自らの弱点をカバーしてロースターのバランスを良くすることに成功したと思います。
先発SGのサイズ不足を是正し、Cにもサイズとディフェンス力を追加できましたから。
メンツ的には地味かもしれませんが、プレーオフに向けて効果的な補強であったと思います。
特に、ヘイウッドの補強が僕は好きですね。
ダラスに足りなかった7フッターのビッグマンとして、地味ながら安定感を与えてくれると思います。

【Washington Wizards】
PG：ランディ・フォイ／アール・ボイキンス／マイク・ジェームズ／（ギルバート・アリーナス）
SG：マイク・ミラー／ニック・ヤング／（ジャバリス・クリッテントン）
SF：ジョシュ・ハワード／ドミニク・マグワイア／クイントン・ロス
PF：アントワン・ジェイミソン／アンドレイ・ブラッチ／ジェームズ・シングルトン
C：ドリュー・グッデン／ファブリシオ・オベルト／ジャベイル・マクギー

ウィザーズの目的はサラリーキャップの空き作りなので、純粋に戦力アップを狙ったトレードではありません。
ただハワードは、バトラーの抜けた先発SFにスッポリ収まります。
グッデンはセンターを務めることになりそうですが、インサイドの得点力をアップさせてくれるでしょう。
ロスとシングルトンは数合わせ的な要素が強いので、戦力として考えられているかどうかは微妙ですね。

繰り返しになりますが、ウィザーズの真の目的はリビルディングです。
今回取った4人のうち、来シーズンも契約が残るのはロスの微々たる金額のみ。
長期契約を一掃して、本格的にチーム再建に向けて動き始めたと言えるでしょう。



ええっ！　オレっちトレードぉ？？？


★キャブスがアマレ取り？

ウィザーズは、今後の動きも注目されます。
アントワン・ジェイミソンの放出もずっとウワサされていますので、今回獲得したメンバーも含めて何らかのカタチでまた新たなトレードが起きると思います。
ジェイミソンと言えば、以前キャブスが狙っているという話をしました。（ブログ）
そのキャブス絡みで新たなウワサが出てましたね。

キャブスがアマレを狙っているという話です。
交換相手は、JJ・ヒクソンとイルガウスカス。
将来のある若手とサラリーキャップの空き作り用ですね。
キャブスはこの条件を投げ、あとはサンズの返事待ちと報道されています。

ただ・・・・サンズ側もアマレを完全に諦めたわけではないようです。
トレードに踏み切る可能性もありますが、延長契約の交渉をするという情報も一部あります。
それから仮にトレードする場合も、キャブズのオファーがベストとは考えていないようです。
実質的にはヒクソン1人しか残りませんからね。

サンズが興味を持っているのは、シクサーズのイグオダーラという話があります。
アマレを放出するなら、ヒクソンではなくてイグオダーラを取りにいくということですね。
シクサーズはサミュエル・ダレンベアの不良債権を放出したがっているので、イグオダーラを出すなら、ダレンベアの契約もセットで引き取ってもらうという条件になるでしょう。

また、この3チームを絡めた三角トレードのウワサも。
サンズからアマレがキャブス、バルボサがシクサーズへ。
キャブスからヒクソンとイルガウスカスがシクサーズへ。
そして、シクサーズからイグオダーラとダレンベアがサンズへ、というシナリオだそうです。
う～ん、話が大きくなりますねえ～

他にもヒートなんかもアマレを狙ってるそうです。
ヒートはビーズリーあたりをメインの交換要員として出す覚悟があるようですね。
ジャーメインの巨大な契約なんかも、サラリーキャップの空き作りには使えます。
あとはサンズが興味を持つかどうかでしょうね。
そんなこんなで、アマレ争奪戦は熾烈な争いになってきてるようです。

その流れの中で、1つおもしろいなと思ったのが・・・・
キャブスが、「サンズと合意が近い!?」というウワサをわざと流してるんじゃないかというウワサ。
ややこしいですねｗ
つまり、キャブスの本命は以前にも話に挙げた（ブログ）ジェイミソンやマーフィーといった、アウトサイドシュートが打てるPFであって、そっちの条件を下げさせるために、アマレ取りのウワサをあえて流してるんじゃないかという推測です。

まだよくわかんないですねｗ
例えば、アジアの市場かなんかで値引きの交渉をしているとします。
3000円の品を「2000円にまけてくれ」と交渉しますが、店員は「2500円までしかまけられない」と言う。
押してもダメだったので、「じゃあ他の店で買うわ」と言って店を去ろうとすると、「いやいやちょっと待て。じゃあ、2300円でどうだ？」と言ってきた、という流れ。

ここで本当に買いたいと思っているのはジェイミソンやマーフィーなんですが、なかなかキャブスが思っているほど条件を下げてくれないので、「まけてくれないんだったらアマレを買うからいいよ」と言って、ウィザーズやペイサーズに牽制をかけてるんじゃないかということなんですね。
いやあ～、これが本当だったらオモロイですね。
そういう意味でも、どんな決着がつくのかとっても楽しみですｗ


★マゲッティがキャブスへ？

キャブス絡みのウワサをもう一つ。
キャブスが、ウォリアーズのコーリー・マゲッティを狙っているんじゃないか？というウワサです。
マゲッティが好調だという話は以前からしていて（ブログ）、前回のブログでは「スパーズが狙ったらおもしろいのに」という話もしました。
先発SG不足に悩むキャブスが、そのマゲッティを取りにいくんじゃないかという話なんですね。

ただ、前々から言っているように（ブログ）、キャブスに本当に必要なのはシュータータイプのSGです。
マゲッティはルブロンと同じように、パワフルなドライブインでガシガシ当たってFTを稼ぐのが得意なプレースタイル。
またキャラがかぶる2人を並べてうまくいくのかどうか疑問です。
まあマゲッティは3Pこそありませんが、長い距離からのミドルはかなりいい確率で決められます。
少なくとも、ラリー・ヒューズよりはジャンプシュートも期待できるでしょう。

しかし気になるのは、その交換相手。
イルガウスカスなんですね。
あれ？　Zはアマレとの交換要員では？
そうなんです。
だから、おや？っと思うんですね。

さっき、アマレ取りのウワサは作戦かも・・・・という話をしましたが、もしZの契約でマゲッティを取りにいくんなら、アマレ取りの話はなくなるわけです。
そういうのを聞くと、さっきの“アマレ取りフェイク説”に信憑性が出てきて、ちょっとおもしろくなってきます。
いやあ～、トレード話って楽しいなあ（笑）


★ブレイザーズがビッグマンGET？

先日、ブレイザーズには先発Cが必要だという話をしました。（ブログ）
オーデンとプリジビラが相次いでケガに倒れ、ベテラン最低年俸で契約した6-9（206cm）のジュワン・ハワードが代役を務めなければいけない窮状は、どげんかせんといかんという話でしたね。

で、その候補として、ペイサーズのジェフ・フォスター、ウィザーズのブレンダン・ヘイウッド、クリッパーズのマーカス・キャンビーの名前を挙げていました。
ただ、フォスターは手術決行でシーズン絶望、ヘイウッドはマブス行きが決まってしまいました。
そうすると残るは・・・・そうキャンビーしかいないですね。
というわけで、キャンビー取りの話が具体化してきたというウワサです。

ウワサによると、ブレイザーズからはトラビス・アウトローとスティーブ・ブレイクのセットが交換要員。
キャンビーを含め、いずれも今季で契約が切れる選手ばかりなので金銭面のリスクはなく、お互いのニーズを満たせばいいというトレードです。
ブレイザーズは先発Cを、クリッパーズはポテンシャルのある若手（アウトロー）を、ということになります。

前々からウワサに出ていた選手たちばかりなので、予想通りというか、特に驚きはありません。
「お、ようやく決まったか」
「結局、キャンビーにしたのね」
ぐらいでしかないんですが、まあ両チームにとって理にかなったいいトレードじゃないかと思います。
キャンビーがいつものミドルを打ちたがって、オルドリッジの居場所を邪魔しなければいいけど・・・・というのは心配ですが。。



こちらがヘイウッド



相手ビッグマンと渡り合えるサイズは魅力



ゴール下の守りを強化できます



マブスにとっては大きな戦力



でも、スズメちゃんと離れるのは寂しいなあ・・・・