NBA INS 'N' OUTS

かんたん解説 NBAなんでもとーく

ファイナル4

2007年05月21日 | '06-07 プレーオフ

残念ながら、僕の中でのファイナルが終わってしまいました。

GAME6はホームに戻ったスパーズが、終始自分たちのペースで試合を進めていました。
前半は点差の上では互角でしたが、ロースコアの展開に持ち込むことでサンズの勢いを消すことができるので、試合全体のペースを握ることが点差以上に重要になります。
そうしてゲームを作った後で、見透かしたように後半に入ってギアを上げました。
ちょうどヨーロッパサッカーの強豪が、前半は手堅く0-0で終え、後半に入ってから1点を取りにいく、みたいな雰囲気がありました。

20点差をつけられたサンズは、終盤猛烈な追い上げを見せましたが、これはサンズが自分たちのペースを取り戻したからではありません。
崖っぷちに立たされたナッシュが、いつものチームプレーを捨て、自分で点を取りにいった結果です。
ナッシュが一人で次々と決めたのはさすがとしか言いようがありませんが、そうしてスパーズディフェンスを引き付け、フリーにしてもらったバルボサの3ポイントが全く入らなかったのが運の尽きでした。

運も実力のうちとは言いますが、GAME1のナッシュ流血と、GAME5の出場停止がなかったら、もしかして今頃4勝1敗でサンズが勝っていたかもしれないと考えると、納得しようと思っても納得できないものがありますね。
真の実力勝負で勝ち負けがついたのなら、どっちが勝ったとしても納得できたと思うんですが、こういう結末になるのはただただ残念としか言いようがありません。

・・・・とかなり意気消沈でヤル気減退気味なわけですが、気を取り直してファイナル4の対戦に注目ポイントを探してみましょっかねえ~(消極的でスイマセン・・・)

<スパーズ×ジャズ>


同じチームカラー同士の対戦です。
ハーフコートで展開は遅く、チームプレーとディフェンスが中心。
はっきりいって見る側にとっては、“つまらないゲーム”でしょうね。

前のシリーズでジャズがウォリアーズを下した勝因は、ウォリアーズの速いペースに付き合わず、我慢して自分たちのペースに引っ張り込んだことでしたが、今度は同じタイプのスパーズが相手。
スパーズはサンズに対してのように試合のペースをスローダウンさせる必要なく、最初から自分たちのペースでゲームが運べるので、やりやすいでしょうね。

おそらくスパーズは、ボウエンを司令塔のデロン・ウィリアムズにつけてくるでしょう。
サンズとのシリーズでの影のMVPは、実はこのボウエンです。
ナッシュにクリーンルックを与えず、好きなように仕事をさせませんでした。
ナッシュでもてこずるボウエンに対し、若いデロンがどこまでやれるかがジャズの生命線になるでしょう。

逆にジャズは、できたらパーカーに対してフィッシャー、ダンカンに対してキリレンコをつけてくれたらなあと思います。
この2人をスローダウンさせないことには、勝機も生まれませんので。
特に復調してきたキリレンコのディフェンス力を最大限に生かさないと、スパーズ相手に勝機をつかむのは難しいでしょう。

個人的な注目プレイヤーは、ジャズの新人ポール・ミルサップ。
ミルコ・クロコップではありません、ミルコップです。(・・・ミルサップですからね)
PFとしては身長が低い(203cm)ためドラフトでは2巡目に落ちましたが、新人とは思えない落ち着いたプレーで貢献度の高いプレイヤーです。
横幅のある体格を生かしたリバウンドやいいところで決めるブロック、ファストブレイクに参加する走力もあるし、インサイドでもいいところでボールを受けて堅実に得点を挙げます。
フロントコートの層が厚いジャズじゃなければ、間違いなく先発になっていたでしょう。
そうなっていれば新人王を取っていても、何ら不思議ではないぐらいいいプレイヤーです。
是非注目してください。

<ピストンズ×キャブズ>


ほとんど取り上げていなかったイースタンですが、大方の予想通りの組み合わせになりましたね。
しかしまだ現時点では、ピストンズの実力が上であることは明白です。

キャブズは将来的にはファイナルに行く力のあるチームだと思います。
早ければ来年、少なくとも3年以内にはいけるのではないでしょうか。
ただ今は一歩一歩段階を踏んでいる途中で、今年もまた一つ上に上がるためのステップという感じです。

注目は、ルブロンが成長していく過程を見ることでしょうか。
昨年2回戦であたった時は、ルブロン一人の力でピストンズをあわやというところまで追い込みました。
チーム全体の力はまだピストンズの域に達していませんが、ルブロンがどこまでやれるかはやはり注目です。
ネッツは、ルブロンのパワフルなドライブインにはお手上げ状態でした。
ディフェンスは「ステップバックしてジャンプシュートを打ってくれたらラッキー」という感じで、それぐらい止められないということを物語っています。

そしてそれはピストンズにとっても同じでしょう。
特にベン・ウォーレスが抜けた今年のチームなら、なおさらです。
今年のピストンズは、ベンの抜けた穴をゾーンディフェンスを多めに使うことでカバーしてきました。
3ポイントが苦手なキャブズ相手なら、ゾーンDをさらに増やしてくることが予想されます。
ルブロンがそれに対してどう立ち向かっていくか、個vs.組織の戦いとなるでしょう。

ピストンズはビラップスが夏にFAとなり、来年もチームに戻ってくるのかどうか、現時点ではわかりません。
もし他チームにいくという事態になれば、来年こそキャブズやブルズといった若いチームの時代がやってくるでしょう。
その布石を作る上でも、今年の戦いで自信と経験を築くことが、ルブロンとキャブズの将来にとって大きな糧となるはずです。

ファイナル4は、地味な戦いにはなりそうですが、バスケットボールの原点回帰という意味では勉強になる、玄人向けのシリーズとなりそうです。


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2 コメント

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(T_T) (rinn)
2007-05-21 07:10:24
SUNS敗退が決定したときは号泣(T_T)
ファイナルで負けたかのように凹みました。
本当に勝ってほしかった、勝てたかも。。と思うとやりきれないです。
でも鬼神のようなルブロンがどこまでいけるかを楽しみに観戦しますねー☆

それと全然関係ないですけど。。。
NUSHにHUGHUGしてたりルーザーとデロンに囲まれてつぶらな瞳で手を組んでるDUNCAN♪なんだかとってもか~い~ですww
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残念 (manu)
2007-05-22 02:25:08
サンズが負けたのも残念でしたし、これから先サンズ×スパーズ以上に力が拮抗したシリーズは見られないかもしれないというのも残念です。

ルブロンはどこまでやれるか力試しの時だと思います。
ただ現状チームの完成度やバランスから言って、キャブズ全体としてはピストンズに及びませんが、それでもルブロンの活躍度合は注目ですね。

ダンカンは、気弱な馬みたいにつぶらな瞳ですよね。
きっと草食動物なんでしょう。
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