満月倶楽部

大阪発のハープとアコーディオンのデュオです。

司馬遼太郎記念館

2010年05月15日 | おさんぽ
朝から税理士の所へ。
会社の決算終了です。後は市府民税、消費税を払い込むだけ。
今期は久しぶりに黒字になりました。いうても、損金の繰り越し分があるので、今期も法人税ゼロ円です。来期も少し浮いても法人税ゼロ円です。早く法人税を払える身分になりたいものです。


さて、天気も良かったので、歩くことにします。
税理士さんの所から家の方に向かって30分歩くと、司馬遼太郎記念館があります。中には一度だけ入った事があります。今日は外から眺めるだけ。駐車場には、石川ナンバーの車、和歌山ナンバーの車など、全国あちこちから人が訪れているのがわかります。

そういえば、昔、
「司馬遼太郎は国粋主義者だ」
などと訳の分からないことを言う焼き鳥屋のオヤジとケンカになったのを思い出します。司馬遼太郎ほど、世界中の色んな立場の人達にシンパシーを持ってものを考えられる人はそれほどいないと思うのですが。その上で、国を愛するのは当たり前。国が良くなって欲しいと憂うのも当たり前。
焼き鳥屋のオヤジは、どっかでなんか気に入らない事を聞きかじっただけなんだと思います。彼の文章の引用も、全く逆にとらえてましたし。

戦争末期、群馬だかどこだかで戦車隊に属していた司馬遼太郎の属する部隊が上京する時のこと。「東京方面から続々疎開してくる人達と鉢合わせになってしまうがどうすれいいか」と上官に尋ねた時の上官の答えが、
「轢き殺してゆけ。」
それを聞いて、ああ軍隊とはこういうものか、と絶望的な気持ちになったという例のくだりです。多少記憶違いはあるかもしれません。

そんなエピソードも、焼き鳥屋のオヤジにかかると、
「司馬遼太郎が、『轢き殺してゆけ』と言った」
とか言う事になってしまいます。何か一つバイアスがかかってしまうと、こんな信じられない読み違いが起きます。いや、もしかしたら読んでないかもしれないけれど。常に平らな気持ちで色々なものに接したいものだなあ、と反面教師にしなければいけません。

けれども、その時はそんな悠長なものではありません。いきなり無茶苦茶言われて、かっとなって言い返したのですが、こっちもだいぶ酔っぱらっていて、ちゃんとした反論が出来なかった事が悔やまれます。
それ以来、その焼き鳥屋には行っていないのですが、悲しい事に、今まで行った中で一番美味い焼き鳥屋です。


司馬遼太郎が亡くなって、14年余りでしょうか。この記念館を建てる時に、父と母が少しの寄付をしたようで、庭の片隅に、寄付した人達の名前がずらっと並んでいる碑があります。墓を持たない父にとって、彼の名前が残る唯一の場所です。父以上の事を望んでいない母にとっても、おそらく同じ事になるでしょう。

そんな司馬遼太郎記念館から家まで歩いて45分。
合計75分のお散歩でした。

さあ、仕事の続き。
コメント
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