まめぞうの噺華集*新天地版

猫と日本舞踊にお花見お散歩etc…旦那はんとのぬる~い日々を徒然に

娘道成寺からの・・・胡蝶

2018年08月27日 22時29分08秒 | 日本舞踊:舞台自分史
 本日も、蒸し蒸しと暑い まめぞう居住地域。
八月も終わりを向かえる頃と云うのに、本日で三日連続の猛暑日です。

 さて…数日前に「振り返り舞台」を綴ったばかりですが、
続きましての振り返りを・・・
いつになく早いのですが、それと云うのも(…既に書いておりますが
前回の振り返り〜『京鹿子娘道成寺』と同日の舞台なので!
それと…
「振り返り舞台」ですので、いつもは遡って綴っているのですけれど、
今回は、同日ですが「花子さん」の後に踊った舞台となります。(…敢えて そう致しました)
と云う事で・・・

 前回の「振り返り舞台」は、
『長唄 京鹿子娘道成寺』花子/1999年 春…の舞台

でした。

今回の振り返りは・・・
↑ の舞台と同日(同会…『先生主催の会』)での

1999年 春の舞台より
 『長唄 連獅子』 胡蝶

「胡蝶」
 平成十一年 卯月四日
 下手:後輩ちゃん 上手:まめぞう

『連獅子』での「胡蝶」ですので、
「松羽目」の背景の前で・・・となります。

 上手側が まめぞう

 二人でケンケン・・・
  こういった振りが多いのが「胡蝶」

「胡蝶」は飛んだり跳ねたり早間の連続!
蝶々なので可愛らしく軽やかに・・・
「羯鼓」の舞です。

 下手側が まめぞう

 中腰で跳ね乍ら・・・

こちらは「振り鼓」の舞。

 ※ 写真の角度やポーズ(決まりの場!でなかったり…)が・・・
   ではありますが、あくまでも素人写真の添付。
   ですので・・・  
   しかも、プリントした写真をスキャンして・・・と成るので、
   かなり画質が・・・↓
   これは、どうしようも有りませんね
  また、
  今回…『胡蝶』は、写真が少なめですし、
   後輩ちゃんのお顔を隠していますが、
   特にご許可を頂いておりませんので・・・ご理解下さりませ。
   (お獅子さん達のお写真も敢えて載せておりません


 『胡蝶』・・・
「胡蝶」と云えば『春興鏡獅子』での「胡蝶」を思い起こします。
『連獅子』であれば本来は「宗論(しゅうろん)」といった間狂言が入るのですが、
この時は『鏡獅子』よりの「胡蝶」での舞台となりました。
(…舞踊会では、結構ある形です。)

『連獅子』については、詳しくは割愛させて頂きますが、
狂言師(親獅子・仔獅子)である前シテと獅子の姿となる後シテとの間(衣装替え等…)に、
「胡蝶」が出て来て・・・場を繋ぐ?場を持たせる??
って感じでしょうか。
『鏡獅子』での「胡蝶」は、後シテでも獅子に絡むのですが、
『連獅子』では飽くまでも間狂言ですので、お獅子さん達とは絡みません。

『胡蝶』・・・
先にも書きましたが、蝶々なので可愛らしく軽やかに。
飛んだり跳ねたり走ったり・・・しかも早間!!
まぁ、かなり足腰が辛い踊りです。
そして、
ほぼ対象(線対称だったり点対称だったり…)の踊りですので、
お互いが良く合っていないと・・・ですね。
それに、
「胡蝶」ですので背格好も小振りの・・・似通った二人が選ばれる事が多いでしょうか。
(…踊りの達者なお子ちゃまが踊る事が良くあります。)
そう…小振りの! 要は背の低い・・・
はい・・・ちびっこ まめぞう に白羽の矢が当たりました。
大好きな「胡蝶」です。
お陰様で、この時で五回目の胡蝶さんとなりました。
(『連獅子』での「胡蝶」は、この時が初!
  それ以前は『鏡獅子』での「胡蝶」でした。)
何回踊っても、嬉しくてたまりません。
 だって……可愛くなれますものね!
とは云え、
一回目が二回目・三回目・・・と成るに連れ、難しさが分かって来ます。
先生(…おしょさん)の御指導も、どんどん厳しさが増して来ます。
それは、とても嬉しき事です。
が、体力…運動能力は年々減少してくる訳で・・・
歳を重ねてからの「胡蝶」は、中々に大変な踊りであると思います。

実は、此の時の「胡蝶」が決まったのは、かなり遅かったのです。
この『先生主催の会』での本役は、勿論「花子」・・・『娘道成寺』の花子!です。
それに、これから振り返る舞台が六日前にあります。
そんな事もあり、
先生…
 〜『道成寺』を踊る人に「胡蝶」は選べない・・・
と言われ続けておりました。
それが、色々ありまして・・・
 (一人…後輩ちゃんは前より決まっておりました。)
私に白羽の矢が当たったのです!
体力的な事を先生は、それはそれは大変に気にして下さいました。
それに、一世一代の『娘道成寺』ですし・・・
でも、大好きな「胡蝶」です。
『連獅子』さん達は、とても仲良くして下さっている方々です。
それに何より舞台が大好きな私です。
 〜頑張りますので、私で宜しければ踊らせて下さい。
と・・・
相成りました次第です。

今思い返すと、
 若かったなぁ・・・ 若さ故だなぁ・・・
ですね。
でも、この「胡蝶」が「花子」の後にあるかと思うと(…四番後でした)
自ずと体力…力の配分をしていた様に思います。
勿論『娘道成寺』は、当時の精一杯を・・・悔いの無い精一杯を踊ったつもりです。
が、
後がある・・・少しは力を残しておかなければ!
の気持ちもあり、
 かえって無駄な力を入れなかった
 途中で力尽きる事が無かった
 (先生から…『娘道成寺』では「羯鼓」からヘバってしまう舞台を何回も見ているから、
   そう成らぬ様に! と言われ続けたお稽古でした。)
そんな「花子」だったと自身では思っております。
そして…からの
「胡蝶」さんです。
これで・・・この時の立て続けの舞台…踊りは最後です。
もう、踊り終わったらぶっ倒れても良い訳で・・・と踊ったと記憶しております。
今でもこの時の「胡蝶」を踊り終えた時の気持ちは覚えています。
 とっても、とっても気持ち良く踊れた・・・
と。
これは、私だけで味わえた感情ではありませんね。
周りの…多くの方々のお力があって・・・です。
この様な凄い機会を与えて下さった先生を始め、
一緒に踊った後輩ちゃん、親獅子さん&仔獅子さん。
(…本当に素敵なメンバーでした!)
早変わりを素早くお支度出来る様にと…の顔師さん・衣裳さん・鬘屋さん・写真屋さん・後見さん・・・裏の皆々様。
多くの方々に支えられて・・・
 心の底から気持ち良かった!
と、本番後に呟いていた私です。

 あれから十九年・・・
その後は踊っていない『胡蝶』
出来る事なら、まだまだ踊りたい・・・『胡蝶』
でも、
流石に打ち止めでしょうかねぇ

おまけ?
 舞台が終わって・・・

十数日間の怒濤の日々・・・踊り・舞台の日々を終えての二人!
(後輩ちゃんは、所化さんに出演して下さいました。
  そして、次の「振り返りの舞台」(…この会の六日前の!)でも共演しております。)
とっても嬉しそう!
一番「胡蝶」らしかったりして・・・