本日はMIFさんが振替休日でした。
早朝、駅前で用事を済ませてから宮内庁書陵部多摩陵墓監区事務所にお邪魔しました。
こちらは武蔵陵墓地の一角にありまして、大正天皇と貞明皇后、昭和天皇と香淳皇后の4つのお墓があるところ、と言えば分かりやすいでしょう。
東京都内ではありますが、簡単に言うと高尾山の近くです。
高尾山は、新宿から1時間くらいで行けるハイキング(標高599メートル)と天狗伝説と薬王院の信仰の山。
高尾山の最寄り駅は京王線高尾山口駅ですが、武蔵陵墓地は1つ新宿寄りの高尾駅か、中央線高尾駅か最寄り駅になります。
今回は、自宅から車で行き、陵墓地の無料駐車場を利用しました。
なお、ここから先は天皇家の陵墓地についての記述ばかりですから、関心が無い方にはお勧めしません。

入口に表示がありました。
先月訪れた桃山陵墓監区事務所や月輪陵墓監区事務所周辺では見かけなかったので、それだけここには多くの方々が訪れるのだろう、と感じました。

参道です。
地域がら、それとこれまで訪れた御陵の環境からスギが多いだろうと覚悟はしていましたが、本当にスギ林です。
ちょっと目が痒くなりましたが、それよりも静かな風景に厳かな気持ちになりました。

武蔵陵墓地内には、武蔵野御陵と武蔵野東御陵、多摩御陵と多摩東御陵の4つの御陵がございます。
まずは武蔵野御陵と武蔵野東御陵に向かしました。

スギ並木の参道の奥に桜が見えました。
この周辺は私が住む地域よりも気温が低く、まだモクレンがつぼみ(私の近所ではお彼岸には満開でした)でしたから、桜の品種は何だろうか?と気になりました。

武蔵野御陵(昭和天皇の陵墓)。
手前の桜は江戸彼岸桜(えどひがんざくら)でした。
他にも紅枝垂桜(べにしだれざくら)、さんしゆ、ろうばい等私の住まいの辺りではすでに散ってしまっている春の花が少しありました。
昭和天皇は1月7日に崩御されたので、なんとなく梅の木や福寿草などがあるのかと思っていました。
このシーズン、桜の花がこの場所で観覧できるとは知らなかったので、とても美しくて静かな風景に驚きを持って感動しました。
この写真のすぐ右側に武蔵野東御陵(香淳皇后の陵墓)がございます。
この御陵は、現代において最新の陵墓であり、もしかしたら現行最後の埋葬方法による陵墓になるかもしれません。
理由は今上天皇皇后両陛下は、火葬による埋葬をお望みだとの報道があるからです。
ここから多摩御陵に向かいました。

多摩御陵(大正天皇の陵墓)

多摩東御陵(貞明皇后の陵墓)
こちらは先月訪れた桃山御陵(明治天皇の陵墓)と桃山東御陵(憲昭皇后の陵墓)と地理的条件はかなり違っても、陵墓の形は似ている印象を受けました。

多摩御陵の西側は少し開けた場所がありました。

こちらは多摩御陵の近くの桜です。
品種名は書かれていませんが、江戸彼岸桜かと思われました。

参道のあちこちに馬酔木(あせび)がありました。

ミツバツツジ。
私の住まいの近くではもう開花しているので、こちらの陵墓地はかなり寒いのでしょう。

参道は林に囲まれていて、陽射しを柔らかく遮っています。
ただしよく目をこらしてみると、至るところに有刺鉄線が見えました。
宮内庁の管理地ですから当たり前かもしれません。
小鳥のさえずり、木々の葉が揺れる音くらいしか聞こえない空間なので、驚きも感じました。
多摩陵墓監区事務所に立ち寄りまして、御陵印をいただきました。

他の陵墓監区事務所と違い、パンフレットは作成していないとのことでしたから、代わりに案内図をいただきました。
なお、本日伺った時には係の方から「御陵印は何に押しますか?」と尋ねられました。
(桃山と月輪では尋ねられませんでした)
押印用のゴムマット、朱肉は事務所でご用意してありました。
朱肉は桃山や月輪にあった練り朱肉タイプなど選択肢はなく、朱の油を充填するスタンプ台タイプのみでした。
御陵印は一般的な御朱印とは違いまして、自分で押印しますし、訪れた日などを記入するのも自分で行います。
私はA6程のケント紙に押印して集めていますので、係の方にこの用事を提示してOKをいただきました。
そのため「この紙はダメ」と言われることがあるのだろうか?と疑問にも思いましたが、答えは不明です。
また桃山や月輪とは違い、御陵印は2種類しかありませんので、御陵印にはどちらが多摩陵墓、武蔵野御陵という印がありません。
係の方が教えてくださいます。
もうすぐ新元号が発表となり、かつ新しい天皇がご即位されます。
私が中学生の頃、塾の先生が「君たちは浩宮様より年下だから、人生で3代の天皇の即位を見られるよ」と言っていました。
当時は「不謹慎だな」と思いましたし、まだ皇太子殿下(浩宮様)が独身でしたから、浩宮様の次の世代とはまだ見ぬ方とボンヤリと思っていました。
そしてふと気がつけば、昭和天皇のようにご在位が60年を超えるような天皇陛下は今後いらっしゃるかどうかも分かりません。
多分、私の人生において「平成」が1番長い年号になるのかもしれない、と思っています。
次の時代に向けて、私はどんな生活を送るのかな?と参道を歩きながらいろいろと思いを馳せました。
今回もMIFさんが私の背中を押してくれなかったら、多分ずっと先まで訪れなかったであろう多摩陵墓地に来ることができました。
いつもいろいろなところに連れて行ってくれてありがとう!