どうして政治のことを話すの止めてるの？
政治は永久な欲求不満だからさ。ああいう外的な無際限さはね。無限は個人の内部にしかないんだ。「昼の世界」に政治はある。しかし昼がすべてではない。だから夜だというわけではない。個人の生における昼と夜の均衡だね。この生活世界は政治ではない。
たとえ正義を果たしても、魂を失ったらどうしよう。
どうしたの？
うん、きょうは睡眠剤二つ飲んでも寝れなくてね、朝まで覚めてたんだよ、いい反省の時間になった。それでね、さいごに気づいて書いておこうと起きたんだけど、それがね、ぼくも迷子の文化系天使だったんだなと思って、それに気づいたらすっきりした。そもそもこの世に（大衆のなかに）いることが迷子なんだよ。縁の無いなかにいることが。天使の原理はこの世の者の原理とは違うんだ。それを無理に調和なんてとろうと相手にしていたのが間違い。それでね、この世の者（大衆）でも、非文化・反文化でも、文化を気取ってそのつもりになっている者が多いんだよ。根は反文化なんだ。それがはっきりなっとくできた。だから日本の多くの美術家・音楽家・読者家でさえも、ひとの外見境遇に妬みを露骨にあらわすじゃない。高い者を落とそうと断定するじゃない。もうそいうのは全部ぼくとは無縁な者たちなんだよ。ひとを見抜こうとしてじぶんは全然直視できない。このくらいでいい。とにかくぼくの立ち位置が形而上的にはっきりしたんだ。
ぼくがきみと出逢ったのも、きみが天使だから。それも明瞭にわかった。