ボウモアらしいボウモアってなんだろう?
例えば、マッカランなどは時代によって味わいが大きくことなるから、
あれだけの巨大ブランドになると、どの時代が一番美味しいという
議論が自然発生する。
それと同じ理屈が、このボウモアにも当てはまるのではないか。
今では誰でも知るところとなっているけれども、モリソン=ボウモア・
ディスティルリーはサントリーの子会社だ。聞くところによれば、
サントリー傘下となったときに、かなりの生産管理技術が導入され
たらしい。
味わいが変わったのが同時期であったことで首肯できるだろう。
その味わいの変化が良いか悪いかは人の好みの問題である。
だから、ボウモアらしいボウモアとは、人によって違う味わいを
意味することとなり、BARのように仕入れた商品を提供するだけ
のサービスの場合、顧客の趣味趣向に合わせるのは大変で、とり
わけ日本人にはアイラ好き、ボウモア・ファンが沢山いるので
本当に神経をすり減らすようなことになる。
それでも、こうして色々なボウモアがボトラーズでリリースされ
るというのは、素人のクレームというリスクを乗り越えてなお、
市場性が高いからだろう。
私にとってのボウモアとは、恐ろしいことにかれこれ20年近く
前のボウモアで、フロアモルティングのピーテッド麦芽に、バー
ボン・ホッグズヘッドをリッチに使いつつも、シェリー樽原酒を
隠し味程度に混ぜ、全体として田舎家の囲炉裏の前にでも佇んで、
たき火を眺めているような味である。
大変ありがたいことに、今回のボトルはそのイメージにとても
近かった。
つくづくウィスキーとはご縁だと思う。
感謝!