いつも各方面からウェブを見たとご連絡を頂戴しておりますが、
ネット上には様々な切り口で情報をアップしていますので、どれ
について仰っているのか分からなくなることがよくあります。
そこで、情報整理のためにサイト一覧を作って、ご案内申し上げ
ます。
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私がモルト・ウィスキーに足を突っ込んだのは大学生の頃のこと
です。
従来からの間接税減税に折からの円高が加わって、銀座のクラブ
では数万円するボトルが、酒販量販店の倉庫型店舗に行くとゼロ
ひとつ少なくなる魔法のような現実に、狂喜乱舞して手持ちの現
金を握り締めて毎週通ってました。パチ屋さんじゃないのに(笑)。
ゼロひとつ少なくなって喜んだのは、ヘネシーやらマーテルやら
のブランデー。XOなんて知らずに、店頭に並ぶVSOPが数千
円なら完全に勘違いして自分が偉いか金持ちにでもなった気分。
いま思うと恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいですが、次
から次へと試して悦に入っておりました。
しばらくして、お隣にあるウィスキー・コーナーへ目をやると、
これまた銀座か小説の小道具として有名なシーバス・リーガルな
るウィスキーが2980円で売られています。瓶口に玉がついて
いるかどうかで数百円違いましたが、こちらはロクに稼ぎもしな
いくせに円高バブルで踊り狂ったアホ学生ですから、中身が同じ
でも玉付きを必ず買ってました。馬鹿ですね。
うやうやしく封を切って一口含むと、これがあの見知らぬ世界で
大人の男と女を酔わせるお酒なのかという芳醇な香りに包まれ、
それまで知っていた親父が水割りで飲むというウィスキーのイメー
ジを覆されたものです。
さて、今回のストラスアイラ・オフィシャル12年は、そのシー
バス・リーガルのキーモルトで、一口含むと見事にシーバス・リー
ガルがリバイバルして現れました。そういう意味では「シーバス・
リーガル原酒」と言ったほうがいいでしょう。そのまま同じ形の
ボトルにラベリングして出荷したほうが販売価格を上げられるの
ではないかというくらいです。
シェリー風味強く、スペイサイド特有の乾いた麦の香りに、蒸溜
所固有のヘザーが追いかけてくる感じ。ポイントはシェリーのバ
ランスで、明確に姿を表すものの、ボディ全体を主張するもので
はなく、あくまで麦をドレスするだけ。スペイサイド最古の蒸溜
所としてのプライドを掛けてブレンドしているような味わいです。
全体的な味の構成としては私の好みではないのが残念なのですが、
シーバス・リーガルやベルのようなブレンデッド・ウィスキーを
お飲みの方で、シングルモルトを試してみようかとご興味を持た
れた方に最適な一本。
シングルモルトの芳醇さを味わいたいという意味では、グレンフィ
ディックやマッカランと同等の親しみやすさをぜひ感じてほしい
「正しいエントリーモデル」だと思います。
ストラスアイラ
感謝!
寒中で寒い日が続きますが、瀬戸内の鮟鱇(あんこう)が手に入っ
たので、これ幸いと鍋を作って食べました。
寒い日の夜に魚介の鍋をやるなら、共の酒はクセの強いウィスキー
に限ります。タリスカーを呼んできました。
こういう時に、昔だったらボウモアを呼び出すのが通り相場だっ
たのですけれども、オフィシャルボトルの味が変わってしまって
役不足になったことと、こちらもよりピーティなものを合せたく
なったので、タリスカーにチェンジです。日本の魚に日本の酒と
拘る方は余市がいいでしょう。
タリスカーというウィスキーは、スコットランドはスカイ島唯一
の蒸溜所ですが、こんな地の果てのようなところから良質なウィ
スキーが極東の島国まで届き、しかも割りと容易に手に入るのは
ディアジオ社のおかげに違いなく、そもそもの品質については
蒸溜所が位置する場所と気候と水によるものでしょう。
ボウモアが魚介鍋に対して負けるようになってしまったのは、土
地の産物としての個性よりも、市場で受け入れやすい特徴を優先
させて商品内容を変更したからで、結果アイラ島の食生活文化か
ら切り離された「より工業製品的な」ものに遊離したからです。
ことタリスカーについては、もちろん製造工程の一部は合理化さ
れ、モルトスターから製麦された原材料で仕込みを行っているの
でしょうが、いわゆる汎用品的なオプティック種ではないなど、
土地の個性を頑固に守った上で特徴を立てる強さが、そのままウィ
スキーの強さに表出している「より農産加工品的な」土着性こそ
が土地で取れた魚介類と同じ土俵に乗る資格になっています。
そのスコットランドの西の果てのウィスキーと日本の関門海峡の
鮟鱇との相撲は、上手投げで鮟鱇の勝ちでした。
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1983年に閉鎖されてしまったグレン・モールのカスクボトルを
とあるバーで見付けました。
これまた幸か不幸か、ここのバーはバーボンが専門とのことで、数
少ないモルトウィスキーのボトルの陰に忘れられたかのように残っ
て(そう、残って)いたものです。そういうお店だからかマスターも
特別なご関心はお持ちでないご様子でした。
このボトルは瓶詰め年の記載がなかったので、熟成年数は不明です。
しかし蒸溜年のプリントがあるヴィンテージボトルという性格を考
えると少なくとも20年前後でしょう。私個人的には若さと熟成の
バランスが最高だと考える最適年数ですので、迷うことなくお願い
しました。
テイストは典型的なグレン・モールです。程よくナッティーでフルー
ティ。アーモンドのスライスを載せたフルーツ・タルトのよう、と
いうと上手く表現できるような気持ちにもなりますが、一方でアル
コール度数が63.2度もあるのでアルコール辛く、マイルドな甘
さの後で稲妻が走る好みのタイプでした♪
そういえば、グレン・モール蒸溜所はインヴァネスにあったそうで、
以前訪れたことのある知っている町にあったという親近感もプラス
の評価を加点したいくらいです。
そういうことで大変申し訳ないですが、前回までご紹介したものは
ぜひ何方でもご一緒させていただきたいウィスキー。今回のグレン・
モールは私一人の秘密にさせてください(笑)。
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アイラ島の東隣にあるジュラ島。隣りというのは本当に隣りで、
カリラ蒸溜所やブナハーブン蒸溜所からは川の対岸のように見
えます。
▲カリラ蒸溜所からジュラ島をみる。泳いで渡れそう。
そのジュラ島には、その名もジュラという島唯一の蒸溜所がある
のですが、目と鼻の先まで行っておきながら終にジュラ島には渡
らず飛行機で戻ってきてしまいました。ウィスキーのジュラには
そういう思い出があります。
そんなご縁ということが理由なのか、今までジュラを飲んだこと
はなく、あちらこちらで読むテイスティングノートはアイラと正
反対と書かれていて、それで選択肢に登らなかったのかもしれま
せん。ようやく初体験でした。
アイルオブ ジュラ 10年
幸か不幸か、はたまた何かの悪戯か、その日も強いウィスキーを
飲みたい気分の日で、一杯目がラガヴーリンから始まるような具
合でしたので、ジュラを飲んだときには味がなくなってしまった
かのような舌の変化に狐に摘まれた気分になりました。
しかしながらよく観察してみると、とてもスムーズでなめらかな
舌触りをもっていて、これは確かにアイラ島では見かけない種類
の味であり、あえて言えばローランドのローズバンクのようと形
容するのが近いのでしょうが、されど3回蒸溜の丸い味ではなく
むしろウルトラスムーズなハイランドに近い感覚です。
仕込みはどうやらバーボン樽らしく、とうもろこし甘いメロウな
味がころころと転がり、フィニッシュはサスティーンが長く続く
爽やかな一本。
一見(一舐)なんてことはないウィスキーのようですが、その実は
他のどこにもない個性であり、ハイランドほどアルコール辛くな
く、ローランドほどメロウでなく、アイラほど臭くなく、スペイ
サイドほど樽香が強くない、されど無個性ではなく味わいのある
ウィスキーが飲みたい。そういう本物が欲しくなったときに最適
なウィスキーです。
今までご縁がなかった不徳を恥じつつ、これからは密かな常備薬
としてラインナップしたい(もちろんオールドボトルを!)ウィ
スキーです。
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前日のバーテンダー氏に、ちょっと変わったものある?と聞いて
出てきたのが、こちらのボウモア14年でした。
デュワラトレー ボウモア14年[1997]
アイラ島で最古の蒸溜所として有名なボウモア蒸溜所系列の瓶詰
業者であるデュワラトレーがボトリングしたもので、日本のメジャー
酒販業者である信濃屋さんが樽買いされたのだそうです。ラベル
の一番下に「for Shinanoya」と入っていました。
ボウモアは、今やサントリー社傘下の蒸留所としてウィスキーを
製造していますけれども、このボトルは従来蒸留所を経営してい
たモリソン・ボウモア社のスタッフがカスクを選んだとのことで、
昔懐かしいボウモア本来の美味しさが残っている貴重な一本です。
テイストは幸か不幸かシェリー樽仕込みだったようで、ミディアム
にピートを焚いたモルトのピート香とモルトの甘み、シェリーの
風味、ヨード香が次々と姿を現すように顔をみせ、大きな味の流れ
のなかにグレープフルーツのような柑橘系のヘザー・テイストが
光るウィスキー。フロアモルティングで製麦したのか、複雑なボ
ディが口のなかに広がります。
もちろん、ボウモアであることを頑として主張するように黒コショ
ウとオイリーなテイストが芯を貫いているので、ちょっと変わっ
たボウモアとしてだけでなく、昔懐かしい本物のボウモアを味わ
いたい御仁にも最適です。
ここまでくると、本当のボウモアを日本にもってきた酒販業者を
誇りに思うべきか、ボウモアを日本の酒造メーカが所有している
ことを誇りに思うべきか、非常に悩ましい事態となります。
かつてボウモアで蒸留長をしていたジム・マッキューワン氏は、
山崎蒸留所などを経て独立、ブルックラディ蒸溜所のオーナーに
なりました。
ウィスキー製造の世界では、蒸留長が一番強いのが通り相場だそ
うですが、伝統がよいのか商売がよいのかは製品のみが知るとい
うことなのでしょうか。
ウイスキーがお好きでしょ
(作詞:田口俊 作曲:杉真理)
ウイスキーがお好きでしょ
もう少ししゃべりましょ
ありふれた 話でしょ
それで いいの 今は
気まぐれな 星占いが
ふたりを めぐり逢わせ
消えた 恋 とじこめた
瓶を あけさせたの
ウイスキーがお好きでしょ
この店が 似合うでしょ
あなたは 忘れたでしょ
愛し合った事も
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『ロッホ・ローモンド』と読むのだそうです。初めて見聞きした
モルトウィスキー。バーテンダー氏はスペイサイドだと仰いまし
た。
LOCH LOMOND 18YO
私はEU法によってウィスキーが40度になってしまってからと
いうもの、あまりスペイサイドを好んで飲まなくなりました。そ
れは43度から40度へ3度分加水することによって、その特徴
の大きな割合を占めるナッツ風味が毀損してしまったことにより
ます。
シングルモルトだといって、スペイサイドを飲んでも他の地域を
飲んでも差が小さくなってしまったと言い換えてもよいかもしれ
ません。
でも、このロッホ・ローモンドを選んだ理由は、40度ではなく、
スペイサイドだからでもなく、3回蒸留だと聞いたからです。
ウィスキーは、一般的に蒸留2回で樽詰めし熟成に回されますが、
グラスゴーやエディンバラに近いローランドと呼ばれる地域では
今でも3回蒸留をしています。日本ではサントリー社のおかげで
オーヘントッシャンが比較的容易に入手可能でおなじみですね。
しかし他の地域で3回蒸留の製法を耳にしたのは始めてで、3回
蒸留するということは、2回に比べてアルコール純度が高くなり、
熟成樽の成分が溶け込みやすく、熟成年数が短くて済むという特
徴が、EU法のデメリットを上回ってくれると期待して頼んでみ
たのです。
試した結果は成功で、9年熟成のボトルでしたが十二分に熟成が
進み、スペイサイドらしいナッティーなテイストが(2回蒸留物
に比べて)マイルドなアルコールの上でダンスしているような味わ
い。
他のスペイサイドとは明確に違い、ローランドとも異なる、完全に
ユニークな個性のウィスキーが出来上がっているのですから、この
チャレンジは大いに称えられるべきものでしょう。
モルトウィスキーには、まだフロンティアが残されていることを
高らかに宣言する素晴らしい美酒です。
まだ誰も知らないうちに、あなたもぜひどうぞ♪(笑)
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私のかつてのナイトキャップだったスーパーニッカ原酒を、オリ
ジナルブレンドで再現しようという試み。
商品はなくなってしまいましたが、幸いにしてメーカから同じよ
うなテイストのウィスキーがリリースされ、ブレンダーズ・バー
では「マイブレンドウイスキーづくりに挑戦」という企画をして
くれていますので、もちろん完全に同じものは難しいにしても近
いものなら作れるはず、就寝前の相棒も帰ってきてくれるはず(笑)
ということで、チャレンジです。
たまさか仲のよい4人でウィスキーを飲みに行こうということに
なったので、興味を深めていただこうと「マイブレンド」を密か
に企画したら大成功で、みんなワイワイガヤガヤ混ぜてました。
私は、スーパーニッカ原酒の再現という孤高の目標に向かって努
力するわけですが(笑)、ニッカのブレンダーの方がキーモルトを
使って作ったというブレンダーズ・ウィスキーをテストしている
うちに、当初の原酒モルトを特徴通りの割合で混ぜてもイメージ
通りの味に仕上がるとは限らないことに気づいてしまって大慌て。
ブレンダーズ・バー支配人様のウィスキー講義のあと、いよいよ
オリジナルブレンドを作るという段で、頭の中のブレンド割合の
イメージを一旦壊し、もう一度ゼロ・ベースでブレンドの整合を
ベースに割合を考えていくという、もうすっかり酔って回らなく
なった頭で何とか天竺に向かって進みます。
1年半前に参加した前回のときは、余市と宮城峡のシェリーをベー
スにしたのですが、今回はベースを宮城峡に一本化。1回目のブ
レンドでは、
シェリー&スィート:10
ピーティ&ソルティ:5
ウッディ&ヴァニリック:30
フルーティ&リッチ:35
ソフト&ドライ:20
で作ってみましたところ、大体のイメージは前回よりも大幅に近づ
いたものの、細かいテイストや味の順番、ボディ感といったものが
ズレていることに気づいて修正。
最終的に、
シェリー&スィート:15
ピーティ&ソルティ:5
ウッディ&ヴァニリック:25
フルーティ&リッチ:35
ソフト&ドライ:20
となりました。これは手前味噌になりますが、意外といいところま
で近づいていると思います。
もちろんオリジナルの製品の方はより長期のウィスキーがブレンド
されていたりするはずですから同じ味にはならないですが、同じ印
象の味に近づけたと思いますし、ここから微調整をすれば昔のオン
ナの妹くらいにはなりそうです(笑)。
いよいよ雲の上に上ってゴールが見えそうな感じ。
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今週末で閉鎖されてしまうメルシャン軽井沢蒸留所の、おそらく
最後の試飲に供されているであろう20年シングルカスクが、樽
番号2321番のものでした。
私が訪れていたときには、19年と20年と2種類がありました
ので、もちろん両方試してみましたところ、19年の方がシェリー
が強く出ているタイプ、20年の方が樽熟成香がしっかりと出て
いるタイプでした。
話は替わって、ワイン販売の世界では「飲みやすさ」というのが
消費者に商品を理解してもらう点から、分かりやすい指標として
便利に用いられていますけれども、もしモルトウィスキーの世界
でも同様の物差しを導入するのならば、19年の方が甘くてキャ
ラクターもはっきりしていて飲みやすく、しかも価格も割安とい
うところだと思います。
しかしながら、19年と20年のわずか1年しか違わない(熟成が
年数に比例すると仮定するなら5%の差)ものを飲み比べさせて試
飲に供するというのは、「これらは違うのですよ」と口に出して言
わないけど本当は言いたいということでしょう。
つまり、その世界では20年の方が高く評価されるということを
暗にアピールしたかっただろうと思いました。
そんなことを考えながらテストしてみると、ゴールデンプロミスの
きれいな麦の味が沢の水のように走り、シェリーの香りと樽の熟
成香が風のように香るリッチでフルボディの味。マッカランによく
似ていますが、マッカランのオフィシャルほどシェリーは強くなく
より高いレベルでバランスしています。もしブラインド・テストだっ
たら、私は区別がつきません。
私は飲み物も食べ物も甘いものが苦手なので、19年だったら遠
慮したいところですが、こちらならばモルトとシェリーとオークが
高いレベルでバランスしているので、秀逸な食後酒として特別な
ときに飲みたい感じです。
もしマッカランが、モルトウィスキー界のロールズ・ロイスという
なら、軽井沢はベントレーと言えばいいじゃないか。むしろ、ベン
トレーだと言って売ればよかったじゃないか、という感じすらいた
します。
もしこういった販売促進面の戦略的取組みが十分だったなら、余市
や山崎や秩父と同様に国際的なウィスキーコンテストの上位に並ぶ
常連として、十二分な成長事業になりうると誰もが思うポテンシャ
ルをもっています。
本家のベントレーの方は、別の会社に引き取られて新しくリニュー
アルに成功しました。モルトウィスキーのベントレーはどうでしょ
うか。不死鳥のような軽井沢が見たいですね。
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「世界に誇る日本の小さな蒸留所」
WEBで「メルシャン軽井沢蒸留所」と検索すると「キリン軽井沢
蒸留所」がトップに表示されますが、現地にはどこにもキリンの
文字はありませんでした。
軽井沢というところは、明治時代に英国国教会の宣教師だったアレ
キサンダー・クロフト・ショーが「スコットランドに似ている」と
して愛好したところから現代に発展してきたわけですが、発展史は
別としてもスコットランドとよく似ていれば、ウィスキー熟成には
最適地ということになります。
その、品質にこだわったウィスキーを作り続けてきた、日本でも
1,2を競う最高級の蒸留所がもうまもなく閉鎖となります。
今週末まで。
私は何度か蒸留所の前を通ったことがあったのですが、なにぶん
いつもクルマを運転していたので訪問することができず(蒸留所を
訪問して試飲せずに帰れません)、今年3月にメルシャン軽井沢
美術館閉鎖のリリースに触れてから、秋までに見ておかなければと
思ってきました。
日本で一級のウィスキー蒸溜所に違いないのですが、会社の資本関
係や製品ポートフォリオ等のビジネス上の理由からでしょう、既に
数年前に蒸溜を停止していたためか、麦汁やウィスキー香がほとん
どしない寂しい場所になってしまっていました。
それでも何故かウィスキー蒸溜設備は撮影禁止でしたので、蒸溜棟
外から少しだけ姿を覗くポットスチルで精一杯です。
蒸留所見学ツアーは1日に数度行われていましたけれども、各製造
設備の前で決められた解説原稿が読み上げられる内容で見学という
よりは散歩のような印象でしたが、見学ツアー後にヴィジターハウ
スで振舞われる試飲ウィスキーは一級の価値があり、このまま歴史
に埋もれさせてしまうのはあまりに惜しいです。
私が軽井沢の実力を知ったのは、意外にもプレイン・オーク仕込み
のプライベートカスクだったのですが、オフィシャルのシェリーバッ
ト仕込み同様に、ゴールデンプロミス種ならではのピュアなモルト
と樽熟成香とのバランスが際立って美味しく新鮮なまま熟成している、
正にウィスキーらしいウィスキーだったのを今でもよく覚えています。
世界中のウィスキー蒸溜所でオプティック種が一般的になるなか、
頑固にゴールデンプロミス種とシェリーバットに拘ってきた、日本
が世界に誇る高品質ウィスキーを何とか存続させることはできない
ものかと思い、製品側から見れば十分にそれは可能と外から見ても
(おそらく蒸留所の皆さまも)考えられますが、キリンのような大会
社の食品事業からみれば些細な低成長事業に見えてしまうのかもし
れません。
もしマッカランが閉鎖となれば世界が黙ってはいないだろうに、軽
井沢が閉鎖となるも日本国内の玄人だけが淋しがっている。至極残
念です。
そういえば、メルシャン軽井沢蒸留所と美術館は同一敷地内にあり
ますが、別なんだそうですよ。
ということは、軽井沢蒸留所だけを事業体として外部から考えるこ
とができるということじゃないですか。
ポットスチル4器、ウォッシュバック5器、ウェアハウス3棟。
蒸留所を買収できれば存続の可能性はあるんじゃないの?
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いよいよアイラ島。28年ものはおろかローズバンク同様にこちら
も蒸溜所が閉鎖されています。ディアジオ系列なのも同じ。
普通に英語読みして通じるところでホッとしたりしますが、ローズ
バンク、ティーニニックと穏やかなモルトで酔いが回ってきたので
荒々しいのが欲しくなったのだと思います(すみません、もう随分前
のことで覚えてません、笑)。
マスターは同じようなボトルを二本持ってきて「どっちにします?」
とカウンターパンチで攻めてきました。
同じ28年熟成ですが、緑の方は1982年蒸溜で2011年のボト
リング、赤の方は確か1年違いだったように思います。
断って香りを嗅がせてもらって、緑の方を選びました。
いわゆる「らしい」ポートエレンです。
閉鎖された蒸溜所の後、現在はディアジオ社のポートエレンモルティ
ングというモルトスター工場として毎日燻煙を上げています。
アイラ島に行くと、ポートエレンの港(というかエレンの港)から東に
ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグと蒸溜所が並んでいるので
すが、ちょっと乱暴にラフロイグとアードベッグが似ているとするな
ら、ポートエレンはラガヴーリンと似ていると言っていいのではない
でしょうか。アルコールの上に荒々しい磯の香りが広がります。
赤いボトルの方は、香りの限りですが、比べてみるとやや穏やかだっ
たように記憶しています。すみません、もう酔っていましたので。金
曜日ということでお許しください(笑)
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TEANINICHと書いて、「ティーニニック」と読む。
お恥ずかしながら初めて知りました。しかもディアジオ社製です。
私がハイランドのアルコール辛いタイプが好みとかいうものだから、
マスターが気を利かせて珍しいものを出してくださる。こういう
間合いが楽しめるのは人生の大切な楽しみのひとつだ。
ピートやヨードの話でなく、モルトやヘザーの話をしていたから
これを選ばれたのだろうと思った。「ベルギーワッフルみたいな
香ばしさ」とのこと。
当時、もちろん日本では経験済みだけれども、本場のベルギーで
ワッフルを食べたことがなかったから、このテイストはそういう
ものなのかと素直に思ったけれど、実際にベルギーでワッフルを
食べてみると確かにこういう味わいがある。
ちょっと脱線してワッフルの話に切り替えると、いわゆるワッフ
ルという、小麦粉の粉を溶いて専用の焼き金型で焼いた菓子では
ベルギーの味にはならない。これはフランスのクレープも同じ。
ベルギーとフランスは別の国とはいえ隣国だし、両方ともフラン
ス語が公用語だからテレビ番組まで共通だということから乱暴な
話を許してもらうと、向こうの小麦粉はもっと轢きが荒く不均一
だから水で溶いて焼いても口当たりが荒い。この荒さが美味しさ
の秘密である。ホルスタインとジャージーでは脂肪の大きさが違
うから乳の味が違うでしょう?あれと同じ、って私は牛乳嫌いで
飲まないですが(笑)。
それに加えて、日本のワッフルやクレープには入っていないある
ものが入っているから生地自体が別物です。そこにほら、もうひ
とつ本場のチョコレートが掛かっている訳ですよ!それが本場ベ
ルギーでいう「ワッフル」というやつ。
さて、そのベルギーワッフルの味わいだけれども、突き詰めて言
えば焦げた小麦の匂いでしょう。但し、その焦げ具合が絶妙だか
らハイランドパークやアードベッグのような焦げ臭さがストレー
トパンチで出てくるタイプではなく、むしろこれらの両者も持つ
モルトの甘みが前に出てきて、還す波が干し草っぽい。そういう
ナイーブなテイストの豊かさこそがこのウィスキーの魅力だった。
ディアジオが作るウィスキーでナイーブなものなどあるのかとも
思うけれども、28年前は違ったのかもしれない。おそらくこれ
から28年後に、こういったタイプのティーニニックは現れない
だろう。
だから今がチャンスだったのだ。
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夏に訪れた名物バーの最初の1杯がローズバンクでした。
なににしましょうか?
大抵のお店は、客の希望を訊いてくれる。私はメニューをみて迷
う方ではないのですが、こういう店に来ると「なにか面白いもの
ありますか?」と聞きたくなる。
そしてローズバンクを頼んだ。
モルトウィスキーがお好きな方なら、ローズバンクが1993年に
閉鎖されたことを知っているだろうから、これを頼むのは寿司屋で
シンコを頼むようなことかもしれない。しかし、バーの主はシンコ
のなかでも極上のものを出してくれた。
普段(といっても稀だけれど)見られるローズバンクは、半オフィシャ
ルといっていい花と動物シリーズで、3回蒸溜のメロウでスムーズ
な高バランスのウィスキーが好事家の舌を巻かしており、蒸溜所閉
鎖とともに今後出荷されるのがストックだけという希少性から、そ
の陽炎のような幻を追いかけているところがある。
こちらのギリシャ文字ラベルのボトルは、19年熟成にしては若干
荒々しく、メロウというよりはスペイサイドのような麦の主張が荒
波の上に乗ってやってくるウィスキーだった。もちろんそれはロー
ズバンクの基準での話で。
こんなローズバンクがあるんだと思うとウィスキーは面白い。先の
12年のボトルは瑞々しい青草の草原に吹く風のようなウィスキー
だけれども、こちらの19年は稲刈りの終わった田んぼもとい麦畑
のような干草のフレーバーが香る秋の味だ。ビールの秋味がキリン
ならウィスキーの秋味はローズバンクといいたい。
そういう秋の収穫を祝う酒として、極上のシンコに感謝しながら味
わうと、より美味しくなるだろうと思う。
ところで、蒸溜所についてディアジオが売りに出しているという情
報をみつけた。一方、すでに蒸溜設備は破却されているという話も
聞いた。
世界中に復活を待ち望むファンがいる蒸溜所なのだから、長期の時
間が経過して「当時」が失われてしまう前に「復活」をさせること
にまだ希望がある。
ビジネスとしては「有り」な話だろう。なにせ蒸留酒ビジネスは儲
かる業種として有名であるし、世界中のファンが待っている蒸溜所
だ。
企画書さえあれば資金調達はできるの?
一緒にやろうという人が出てくると面白いね。
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夢のようなバーに出会った。モルトファンなら天国かインヴァネス
と思うだろう。しかも池袋駅から近くだ。
ベンチャーウィスキー社がリリースしているシングルグレーン川崎
について検索しているとき、マスターがお書きになっているブログ
に辿り着いたのがきっかけだった。
私は、地元神奈川、しかも工業地帯にウィスキー蒸溜所があったこ
とを知らなかったので驚き、記事を読み始めたら10回に分けた特
集となっており、その博学ぶりに更に驚いた。
どんな方なのだろうと思ってトップページに移ると、今月末で(一旦)
閉店の文字。そうなったら、ない時間も遣り繰りして会っておくし
かない。会いたい人には会おうと行動しなければ永遠に会えなくなっ
てしまうことを理解するほどに年を取ってしまった。
店主は一瞥して私を初めての客だと察知して、どんなウィスキーが
好みかと聞かれる。私はカウンター奥の棚を見てオフィシャルボト
ルがほとんどないことに気づく。
ブログを拝読してやって参りました、と珍しくもないだろう詰まら
ない会話から始まったのだけれども、ブログはブログ、バーはバー
だ。会話の流れから秩父蒸溜所の2年半ものを出してくださった。
ベンチャーウィスキーの肥土社長とは随分と長いお付き合いなのだ
そう。
瓶詰め業者のボトルばかりが数百本も並んでいると、あれをなんて
注文は事実上できない。飲み手が飲みたいものを伝えて出してもら
う。つまり、飲み手は自分の好みを知らなければいけない。
そんな見えないハードルが内面に出来てしまうことをご存知だから、
甘いのが好みか?重いのが好みか?と聞いてくださる。そして最適
な一杯が目の前に注がれる。
ははぁ。なんて幸福だろう。なんて充実した時間だろう。蒸溜所の
名前やらラベルのデザインやら教科書に書いてある情報ではなく、
麦芽や樽やボトラーを肴にアロマが広がる。
マスターはウィスキーを愛しておられる。飲み手の人も大切に考え
ておられる。だから、ご自身の立ち位置はちょうどそれらの中間に
なる。
飲み手の好みとウィスキーの個性をマッチングさせるのがバーテン
ダーの仕事、という自負と誇りがカウンターの内側に漂っている。
驚きから始まったのだけれども、次第に感心に移り、店を後にする
ときには感動に変わっていた。こんな店があって、本当はこういう
ものがバーというのではないかとも思った。
現在の店舗は今月いっぱいだそうだ。私はもう行かれないけれども、
もしお近くで行かれそうなら是非訪れていただきたい。その値打ち
は見えないところにある。
感謝!
今から遡ること数年前、埼玉県秩父市の工業団地の一角に城に似た
建物が建築された。
それが日本唯一のウィスキー専業メーカ、ベンチャーウィスキー社の
秩父蒸溜所だ。
ふだん一般には開放されておらず見学はできないのだが、肥土社長
のご好意で特別に見学させていただいた。ウィスキー蒸溜所の見学
はアイラ島のボウモア以来だから2年ぶり。蒸溜所の印象はブルッ
クラディとキルコーマンを足したような素朴な感じ。ちょっと言葉
にするのが難しいのだけれども、なんだか直感的にそう感じた。
蒸溜所の近くにやってくると、麦汁の甘い香りが漂っていて嬉しく
小躍りしたくなる。この香りがウィスキー蒸溜所訪問のファンファー
レだ。
肥土社長の簡単なレクチャーのあと、さっそく蒸溜棟に入ってモル
トを轢くミリングの機械から見学がスタートする。アイラ島では、
100年前のミリングマシーンが現役の蒸溜所が多くて、2階の
天井にモーターを設置してベルトドライヴで動くものが多いが、
ここはもちろん最新型だ。
ステン製のマッシュタンを過ぎると8器のウォッシュバックが並ぶ。
この大きさだから実現できたというウォッシュバックは日本のミ
ズナラ製で、サントリーの山崎蒸溜所と同じ(はず。すみません、
私はまだ行ったことがなくて、笑)。あとで見せてもらったウェア
ハウスのなかにはミズナラ樽が沢山あったので、肥土社長はミズ
ナラがお好きのようだ。
製造工程順にミリング、麦汁、発酵とくれば、いよいよ蒸溜で、
みなさまよくご存知のあのポットスチルが登場する。
▲ベンチャーウィスキー秩父蒸溜所のポットスチル
ポットスチルは小ぶりで容量は2000L。キルコーマンより少し
大きめかなと思って聞いたらほぼ同じとのこと。何でもスコット
ランドにはポットスチルは2000L以上でなければならないと
いう規制があるそうで、2000Lを割り込んでしまうとポット
スチルと呼んでもらえないのだとか。「それじゃちょっと悔しい
じゃないですか」とは肥土社長の言葉(笑)。
▲こちらはキルコーマン蒸溜所のポットスチル
ほぼよく似ている両方を比べていただくとよく分かるのだけれど、
容量はほぼ同じで、秩父はストレートな形、キルコーマンは胴体
に膨らみがあるバルジ形。
一般的にストレートな方が重いウィスキーができ、バルジ形は軽
快なウィスキーができると言われているので、秩父のモルトは重
いフルボディになることが予想できる。余市と同じだ。
この他スチルのサイズやラインネックと呼ばれる上部の形状から
もこの傾向が読み取れるので、蒸溜所の設計段階から特徴のはっ
きりしたウィスキーを作りたかったのだろうと思われる。
ポットスチルを写真撮影した後、ウェアハウスを見せていただい
た。バーボン樽、ホッグズヘッドなどと並んで、今週これまでに
ご紹介したシェリー樽、ブランデー樽などもあった。
興味深かったのは、北米レッドオークの樽があったことで、レッ
ドオークは導管が太くて漏れるため樽にされることは少ないのだ
そうだけれども、手に入ったので試してみたと何事にも積極的な
肥土社長は簡単に話される。けれども、実際にウィスキーを入れ
てみたら漏れたので慌てて詰め替えたそう。今は鏡板だけレッド
のホワイト樽があるそうだ。
ウェアハウスにはすでに1000本以上の樽が熟成の時を重ねて
いて、お披露目されるのをゆっくりと待っている。きっと豊かな
香りとボディのウィスキーが出来るだろう。
蒸溜所見学のあと、試飲をさせていただきながら色々とお話を伺っ
た。多くの方がご存知のとおり、羽生蒸溜所の件では大変ご苦労
なさったのにも拘らず、肥土社長は「好きなことをさせてもらっ
ているから感謝しなくちゃいけない」と物腰低くとても謙虚だ。
「これからリチャーするから、よかったらご覧になりますか?」と
仰るので、こんなラッキーなことはないと喜んでお願いする。リ
チャーとは一度使った樽を再使用する前に内側を焼くことで、私
は余市に続いて2回目の体験。あちらは団体で遠巻きに見るだけ
だったけれども、こちらは私一人だけだ。天国にいる気分になる。
▲バーボン樽のリチャー作業。作業しているのは肥土社長ご本人。
▲こちらは余市蒸溜所でのリチャー
リチャーで大切なのは「ポンポン」と焼ける音がすることで、コー
ヒー焙煎で2度目のハゼを聞くのと似ているなと思った。きっと
中まで火が通ることではじめて音が出るのではないかと思う。
チャーが終わったあとの樽のなかは、アルコールとウィスキーの
甘さと焼け焦げた香ばしさが混ざった独特の香りがする。これは
ちょっと他では体験できない。天国にいる気分とはこれのことだ。
肥土社長は、何もかも秩父に拘ってウィスキーを作ろうとされて
いる。それは生まれ故郷への郷土愛とルーツへの敬意とご自身の
情熱だろう。
そして、ここの秩父蒸溜所にはそれらすべてを実現できる環境が
揃っている。明確な四季、朝晩の寒暖の差、冷涼な空気と水、麦
と設備と樽。
モルトウィスキーを作りたいという夢は多くの人の胸にあって、
私の中にもあるけれども、それを実現するのはまったく違う話だ。
でも、夢物語を現実にするご努力を積み重ねて来られたことも事
実で、それはウォッシュバックやポットスチルだけでなく、二条
大麦の生産や樽にまで手を広げていることからも明らかだ。
アイラ島のキルコーマンや台湾のカヴァラン等が評価されている
のとまったく同じように、日本のベンチャーウィスキーも、もう
まもなくその名声が世界に轟くようになる。
3年熟成の即席マイブレンドは、リッチでフルボディでラガヴー
リンとマッカランを足したように美味しい。これが8年や12年
になったら世界中の人々が秩父の名を語るようになるだろう。
肥土社長は正直で謙虚な方だけれども、21世紀の竹鶴政孝と言っ
ても過言ではない偉大な人物だ。
特別に見学を許して下さった肥土社長のその広いお心に感謝する。
感謝!