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マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

山崎構成原酒-ミズナラ樽

2012-11-13 12:47:00 | グルメ

昨日のパンチョン樽がサントリー・ウィスキーの正体なら、
今日のミズナラ樽は山崎の正体だ。

yamazaki-distillery-mizunara.jpg

前回のパンチョン樽に比べて、色が濃いのが分かるだろうか。

パンチョン樽というのは、いわゆるオーク樽の大型480L版
なのだけれども、飲み物としてみれば新樽の濃いバニラ香よりも、
蒸溜原酒のもつエステル香が強かったりするのが特徴といえば
特徴と言えるのではないか。

対して、日本のミズナラで作る樽というのは、日本の木だから
なのかそうなのかは分からないが、間違いなく言えるのは木の
種類が異なることによる風味や香味の違い、濃度の違いといった
ものがあるということ。

それが、あの山崎をひと口舐めたときに感じる、梅酒のような
フルーティで甘く口の中に広がるボディだろう。昨年、ベンチャー
ウィスキーの秩父蒸溜所で作ったミズナラ樽をテストさせて
いただいたが、同様にリキュールのような果実味あふれる独特の
味がして「これがウィスキーか」と驚いた。

そして、その驚きは響のボディともなり、世界のコンテストで
受賞を重ねるようになり、ジャパニーズ・ウィスキー独特の個性
として世界で知られるようになりつつある。

これは新樽の味なんだよ、そうフランス人にでも話したら、きっと
眼を丸くして驚くだろう。

そう。他所で作れないからこそ商売になり、最高の場所とは限ら
なかったからオリジナルの製法になった。

ミズナラ樽は、だから山崎とサントリー社の公然の秘密なのだ。

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山崎構成原酒-パンチョン樽

2012-11-12 17:00:19 | グルメ

サントリー製ウィスキーの秘密がここにある。

yamazaki-distillery-panchon.jpg

多くの日本人がウィスキーと聞いてイメージする「あの味」。
つまり、ダルマやリザーブや最近では角ハイボールなどの、ちょっと
苦いような渋いような極わずかに甘みを感じるあの味、あれの正体は
ほぼこれと言ってもいいのではないでしょうか。サントリー社の
ウィスキーだけが持っている個性です。

物事には二面性が付き物で、オリジナルということは裏返せば少数派
ということであり、従来の日本市場では「あの味」の好き嫌いが、
ウィスキーの好き嫌いと同義の一面がありました。話がややこしい
のはここが発端で、この味が好きという方は水割りやロックで飲む
日本のウィスキーの飲み方が「ウィスキー」だと思われていて、

片や、その他一般的なウィスキーの味が好きだという方は、ニートや
トゥアイスアップで飲む飲み方が「ウィスキー」だと思われている。

つまり、同じウィスキーというお酒に対するイメージが二つ存在して
いるわけです。その大本山が、このパンチョン樽原酒ということに
なろうかと思います。

山崎蒸溜所にやって来てもうひとつ感心したのは、蒸溜直後のニュー
ポットの際に非常にアルコール度数が高いことです。高い度数を
480Lの大きな樽に貯蔵することで、個性の際立った製品を
作り出す狙いが見えてきます。

このあたりの製造法もウィスキー新興国としての、かつての日本メー
カの考え方が伝わってくるような気がいたしました。

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サントリー山崎蒸溜所

2012-11-09 13:28:37 | グルメ

念願かなって、日本ウィスキー発祥の地、寿屋さんの山崎工場を
訪問することができました。

「山崎」はウィスキー製品の名称にもなっているので有名ですが、
実際は大阪と京都の境、昔の国名でいっても摂津国と山城国との
国境になりますので、京都か大阪に用事があって出掛けても、
そちらの用事を足しているうちに時間切れになってしまって、
いつも訪れることができませんでした。

ちょうど山崎蒸溜所の前をJR東海道本線が通っていますので、
電車等で通りかかる度に何度も悔しい思いをしてきたのです。
それが漸く実現しましたので、本当に嬉しい思いでした。

小さな山崎の駅から西へ10分ほど歩くと、蒸溜所前の踏切に
出ます。踏切を渡れば蒸溜所正門前です。

suntory-yamazaki-distillery01.jpg

以前は、サントリーのCIロゴが掲示されていた工場外壁には、
いまは山崎の文字が掲げられていました。これが後に印象深い
ことに繋がっていました。まるで映画のよう。

さて、工場見学はヴィジターセンターから団体行動で出発します。

どこの蒸溜所とも同様に、マッシュタンからスタートしますが、
ここは予想通りステンレス製。但、これまで見たどこよりも
大きいサイズで驚きました。直径10m以上でしょう。
続くウォッシュバックも10器あり、米マツ製とのこと。

ハイライトとなる蒸溜塔というか工場建屋のなかに入ると、
さらに圧巻でポットスチルは12器もあり、ストレートヘッド型、
ランタンヘッド型、バルジ型に加え、それらの組み合わせも
あって、非常に幅広いバリエーションの原酒が製造できる
体制です。これは本当に恐れ入りました。この規模は世界一
ではないでしょうか。

suntory-yamazaki-distillery02.jpg

対照的にウェアハウスのなかは、巨大なパンチョン樽が所狭しと
並び、パンチョンやシェリーの500L樽が三段積みされた
上に、さらにホッグズヘッドやバレル樽が載せられていました。

suntory-yamazaki-distillery03.jpg

巨大な貯蔵庫を外にでると、そこには清流が流れていて、
魔法から目が覚めるようですが、そこで冷静になって考えた
のは、一見伝統的に見えるウィスキーの製造も、かなり現代
的な管理手法が導入されているのではないか、という仮説です。

例えば、様々な組み合わせのポットスチルに、シンプルな樽構成
というのは、仕込みの段階で個性を決めておいて、樽での熟成は
できるだけ歩留まりを高めたいという思想が見えてきます。

また、巨大なウェアハウスに樽を高く積む貯蔵法も、樽熟成に
品質管理を積極的に導入したいという思想が見えそうです。

工場見学ツアーの最後に山崎を試飲させていただきましたが、
そのときに気づいたのは、ツアーの最中に「サントリー」と
いう言葉ではなくて「山崎」という言葉で自己を表現していた
ことです。

もちろん営業のサントリーと言われる会社ですから、これは
完璧にコントロールされてのことでしょう。裏返して言えば、
「山崎ブランド」の価値を最上級に高める機会として、この
山崎蒸溜所の工場見学を位置づけているのが、透けて見え
そうです。

ここでも、やはりさすが、という感想がもれたのでした。

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BOWMORE original label 15 yo

2012-11-08 13:16:37 | グルメ

さて、1日置いて今度はボウモアです。

bowmore-originallabel.jpg

私の経験では、ボウモアも現在ではリスクの高いウィスキーの
ひとつになっており、通常ならばオフィシャルボトルには食指を
そそられることはないのですが、先に頼んだカリラが素晴らし
かったので、こちらも期待できるだろうと思って頼んでみたら、
やはり大正解でした。

こちらの裏面は以下の通り。

「BOWMORE
DISTILLED 17th May 1996
BOTTLED 22nd March 2011
CASK TYPE HOGSHEAD
CASK NO.1380

BOTTLED BY BERRY BROS & RUDD
IMPORTED BY THREE RIVERS
SALED BY SAKE SHOP SATO
DRINKED BY GOOD CUSTOMERS

BOWMORE DISTILLERY on the inner
Hebridean of islay was first lealised in 1779
and is one of the oldest Distilleries
in Scotland.

This BOWMORE is 2nd re 1 ea s e.
ZENKAI's BOWMORE on TONARI no
TONARI no Cooper !
and Same Birthday!!」

ボウモアには、以前マリナーと呼ばれた15年のオフィシャルが
あって、塩辛くかつバランスのよい味わい深いモルトだった
のですが、そういう正しいスピリットをボウモアを久しぶりに
味わいました。

若すぎず枯れすぎず丁度いい。

ボウモアとは、そういう「高バランス」が持ち味の蒸溜所だと
思うのは、私だけでしょうか。

懐かしく、味わい深い、故郷に帰ったような味を、久しぶりに
思い出しました。

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We Love Caol Ila

2012-11-06 13:20:22 | グルメ

日本では、一般的に「カリラ」と呼ばれておりますが、Caol
Ilaと書いて「カリーラ」または「コリーラ」と読みます。
アイラ島の北東にある蒸溜所、ディアジオ社傘下です。

そのオリジナルラベルのボトルを頼みました。

we-love-caol-ila.jpg
▲Caol Ila original bottling for Sake Shop Sato.

カリラのウィスキーは、ここ10年ほどオフィシャルボトルが
リリースされて入手容易になった反面、かつての猫と植物シリー
ズの15年ものに比べて没個性となり、ジョニー・ウォーカーの
ミドルだけ飲んでいるようなテイストでしたので、オリジナル
ラベルという理由で選ぶのは勇気が要る判断だったのですが、
これは「当り」でした。この樽を選んだ見識眼に拍手を送りたい
と思います。

思わず「懐かしい」と言葉がこぼれてしまう、あのカリラの繊細な
麦の香りとアルコールの辛さが、スコットランドのピーティーな
清流よろしく流れるように転がっていく、まさしく記憶のなかに
あるカリラの姿そのものです。

ボトルの裏ラベルには、以下のように書かれています。

「CAOL ILA
DISTILLED 2000
BOTTLED 2010
CASK TYPE HOGSHEAD
CASK NO 304579

BOTTLED BY BERRY BROS & RUDD
IMPORTED BY THREE RIVERS
SALED BY SAKE SHOP SATO
DRINKED BY GOOD CUSTOMERS

CAOL ILA Distillery is to be found near Port
Askaig faicing across the sound of Islay to
neighbouring Jura.
The Whisky is very well respected for both in
distinctive, smoky Islay style and elegant
fruity balance.

This CAOL ILA is 2nd batch!
Beacause 1st lot was good tast.
On the TYOUSI & TUIKA order!
But whisky is still sleeping in the CASK!
A little JYUKUSEI for 1st lot.」

ということで、今後もまだ熟成が楽しめるようです。
期待したいですね♪

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オリジナル・ウィスキーの楽しみ

2012-11-05 12:39:29 | グルメ

ワインやウィスキーの世界には、樽買いと呼ばれる気に入った
酒樽をそのまま丸ごと1個購入するという文化があります。

例えば、醸造所や蒸溜所を訪れて試飲の機会があるとき、もし
気に入ってその樽のお酒が全て欲しくなってしまったら、交渉
によって手に入れることができるということです。

もちろん、対外的に公式に販売しているものではありません。
メーカとオーナーになる人物の、一般的に信頼関係と呼ぶ
文化的な結び付きがもたらしてくれる夢のような話です。

こうしたお酒というのは、メーカのオフィシャル・リリース
ではないし、かといってオーナーが自分で仕込んだ訳でもない
という、ある意味で宙ぶらりんな存在ですが、裏を返せば
オーナーは自分の酒だといって胸を張ることもできるわけです。

その象徴がオリジナルラベルを貼付すること。じつは現代では
オリジナルラベルは、すでに一般的になってきており、オリジ
ナルのラベルを貼らせてくれるというサービスは、割と簡単に
見つかります。

すなわち、ただラベルを貼っただけか、樽ごと購入して数百本の
オリジナルラベルを「所有するか」というのは、似て非なるもの
というべき、まったく違う価値だということがお分かりになる
でしょう。

そういう価値を訴求する素晴らしいお店が、大阪にある”SAKE
SHOP SAT
O”さんです。

私はこちらのお店のウィスキーに、大阪でご縁をいただきました。

originallabel_whisky.jpg

どれも個性を楽しむ粋な方のためのボトルばかりです。

こういう楽しみ方ができるのって素敵ですね♪

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余市29

2012-09-06 12:04:39 | グルメ

29とは樽番号の下2桁とのこと。熟成年数ではございません。

yoichi29.jpg

ニッカウヰスキーくらい大きな会社になると、樽番号は8桁とか
10桁とか、そのくらい大きな数字になる筈ですが、そうはいっ
ても反って混乱の素になるだけなので、識別が出来ればよいとい
う配慮でしょう。

ブレンダーの方が作られたリストには、こうあります。

「余市29 1988年蒸溜 熟成23年 新樽 アルコール61%
余市蒸溜所の骨太で力強い味わいが楽しめる。潮っぽく、
とてもスモーキー、とても正露丸。新樽熟成のバニラ香と適度な
渋味。余市モルト愛好家であれば、必飲の一杯。」

ニッカにおける余市というのは、蒸溜所の場所を表すと共に、
商品名でもあり、通常「ニッカの余市」といえば後者を指すで
しょう。

すると、直ちに「ヘヴィピートの新樽10年熟成」の「あの味」が
思い出される訳ですが、それはウィスキー市場におけるポジショ
ニングを意図して作られているものですので、カスクの味わいと
いう点では若干個性が丸められています。

その点、ブレンド用と称して販売されている12年熟成のピー
ティ&ソルティの方が、前者の意味から生み出される、本来の
ニッカのウヰスキーのイメージに近いと考えているのは、私だけ
でしょうか。

その私にとっての「本来の余市モルト」の王様が、この余市29
というカスクです。テイステイング・ノートの後半は、そういう
意図ではないかと意を強くします。

幸いなことに、ブレンダーズ・バーを訪れれば誰でも機会がある
ので、まさに"余市モルト愛好家であれば、必飲の一杯"でしょう。

もし青山まではとても行かれない、という方がいらっしゃれば、
アードベッグのカスクとラガヴーリンのカスクを1:1で混ぜる
と近い印象だと思いますが、コスパは青山の勝ちですね(笑)

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Berry's Own Selection Port Ellen 1982

2012-09-05 12:14:25 | グルメ

前々回のグレンフィディックを出してくれたバーに戻って、
今年一番のお宝級モルトでした。

portellen1982.jpg

こういう1本になると、大変申し訳ないのですが、誰かのために
書くのではなくて、自分のために書く記事になってしまいますが、
蒸溜所閉鎖前年の貴重なカスク・ストレングスで、しっかりとした
アイラピートがやってきますが、ピートが全体を主張するので
なくて、オイルやソルト、ヘザー、ヴァニラ等々、極上な
スモークサーモンを食しているような感覚。

現代のコンピュータ管理された蒸溜技法では、なかなかこういう
複雑な味は作れないだろうと思います。まさに古き良きアイラが
もっていたアイラ・マジックがここにありました。

ローズバンクなどと共に、歴史の1ページになってしまったディ
アジオの蒸溜所ですが、遠く極東の島国でもアイラのなかのアイ
ラを愛でる文化が存在することを、エレン港の寒村の人々に伝え
られたら、どんなに素晴らしいかと思います。

portellen-islay.jpg

この記事は、アイラ島の人々に捧げることにします。

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GLENMORANGIE SIGNET

2012-09-04 12:22:44 | グルメ

とあるバーで「ハイランドを」と言って頼んで、出てきた一本。


GLENMORANGIE SIGNET

先日のグレンフィディックと共に、グレンモーレンジはマイナーな
シングルモルト界ではメジャーと言い切ってもいいくらいの巨人で、
UK市場では一番人気なのだとか。

それを聞いた青い子どもだった私は、どんなに美味しいのだろう?
と期待を膨らませて買ってみたものの、文字通り蓋を開けてみたら
際立った個性とは正反対の凡庸な印象の味に、大いに落胆した思い
出があります。

しかもグレンモーレンジは、様々なブレンドによるラインナップを
取り揃えて世界中で販売しているので、それらのうちのいくつかを
試した結果が先の通りで、それ以来10年以上ひと口も手をつける
ことはありませんでした。

さて、このバーでのハイランドといえば、これしかなかったという
のが実情だったのです。他にはブレンデッドやアイラとかそんなの
ばかり。

それで止む無く頼んでみたのが、10年以上ぶりのグレンモーレンジ
でした。

でしたが、このシグネットというボトルは、おそらく他全てのグレン
モーレンジとは一線を画する最高級クラスの上等な一本ではないか
と思います。でなければ、わざわざ取り上げません。

グレンモーレンジに共通する痩せた風味とはまったく対極の、香り、
味、風味、フィニッシュ、これらのどれもが極上というくらいリッチ
なのですが、同時にしつこさはなく消えるべきタイミングで消える
マジックのようなウィスキーです。

例えていうと、コーヒークリームのロールケーキのような麦の焦げた
香りに、マイルドなシェリーが乗り、モルト自体の甘みが顔を出して、
リフィルカスクの若干押さえ気味なヴァニラテイストがバターのよう
に一体となって流れていく。

ちょっと乱暴な例えを許していただければ、焼きたてパンにバターと
マーマレードを塗り、完璧な抽出のダージリンを飲みながらひと口
いただく、とでも言えばいいのでしょうか。

完全にグレンモーレンジの印象を覆す1本です。

こういうモルトというのは、長く歴史を刻んできた蒸溜所の、マス
プロダクトとしてもブレンドからは離れて、ウェアハウスで長く
沈黙を保ってきたお宝のような樽を厳選するから生まれるブレンド
でしょう。

ただ混ぜるだけでなく、無理に化けることも追いかけない。

極上の素材が極上の料理人によって至高の作品が生み出されるプロ
セスを想像させます。

孤高の舌と腕をもつブレンダーに乾杯。

感謝!

 

 


GLENFIDDICH 12yo(old bottle/三楽)

2012-08-23 14:41:05 | グルメ

世界一のシングルモルト・ウィスキーの座をグレンモーレンジと
競うグレンフィディック。緑色した三角形のボトルがおなじみ
ですね。


グレンフィディック12年

先日、初めて覘いたバーで、例によって(笑)「なにか面白いもの
ありますか?」と尋ねて出てきたのが、この緑色の瓶でした。

え、とちょっと驚いてバーテンダーさんのお顔を覗くと「じつは
これ、三楽が入れたボトルなんですよ」と。

嗚呼と感嘆するのはこのことかと思いました。ラベルの下には
「特級ウィスキー」と書かれています。失礼ながら、まだこの
ボトルがあったのか、という徳川埋蔵金でも発見したような衝
撃でした。

グレンフィディックが一番売れているシングルモルトだという
のは、昔からあまり変わらない地位ですけれども、それ以外の
要素、例えばボトルの大きさ、ラベルデザインといった外形要
素だけでなく、ブレンド、アルコール度数、おそらくは原材料も
昔と今ではまったく違うというほど変化してしまっています。

特にリーマン・ショック前くらいにやってきた世界中のモルト・
ブームには、あのいつも厳つい顔をしているスコットランドの
皆さまだか、本社があるイングランドの人たちだかも、どこかの
ねじが緩んだような商品に変化して、それがそのまま日本でも
「ウィスキーの地酒」とか言われて導入され、現在に至ってい
るのは広告宣伝でおなじみですね。

グレンフィディックは、私がシングルモルトに足を突っ込んだ
最初の1本ですので、とても重要な蒸溜所なのですが、そういう
経緯があってEU法適用40度のボトルになってからというもの、
一度も口をつけてきませんでした。

さて、うやうやしく香りを嗅ぐと、グレンフィディックとは
こういうウィスキーだったか!と思い出させられる、純粋な麦の
香りがスペイサイドに吹く風よろしく鼻腔を通り抜け、はよ飲め
と咽が急かします。

いやいや一寸待て。あれ、これ、こんなだったか。と思いながら、
色を眺めると、確かに今は失われてしまった輝かしいゴールド
色を持っています。

確かに昔はあった風情を思い出しながら、ひと口含むと麦の
ボディが口全体に広がり、そうだそうだそうだったとばかりの
田舎の麦畑で取れた作物から造る、余計な混ぜ物や余計な演出
とは無縁の、正直で真面目な麦芽の味がきらきらと流れていき
ました。

毎週、バイト代の1千円札を握り締めて酒の量販店に走っていた
学生当時は、この極上エントリーモデルがわずか2,500円余りで、
風邪を引いたときには「ウィスキーを飲んで風邪を治すんだ」
と嘯いて2日で1本空けていた愚かな自分も、この正直な味と
ともに遠い過去になりました。

「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、
がっかりするほど見ていなくはない」という言葉があります
けれども、ウィスキーについても同じことが当てはまるような
気がします。

その丁度良い按配のところにあると、人もウィスキーも一番良い
状態なのかも知れません。

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ARDMORE - TRADITIONAL CASK

2012-07-25 12:04:28 | グルメ

アイランズのオールラウンダーがハイランド・パークなら、ハイ
ランドのオールラウンダーは、このアードモアか。


アードモア トラディショナル カスク

と思いました。とてもリッチかつ複雑かつバランスよい味。

最近、もっぱらこればかりという厳選の1本。

「愛好」とか「好ましい」といった表現がピッタリくるウィスキー
と言っていいと思います。

多くのモルトファンの皆さまのお話を伺うと、皆さんそれぞれ
基本の1本という、味の基準になるお好きなボトルをお持ちの
ことが多くて、マッカランとか、ボウモアとか、グレンフィディッ
クとか、割と容易に手に入るものをいつも持ちながら、あちこち
珍しいウィスキーを求める旅に出ていらっしゃるようなのです
けれども、私は今後はこれを基準にしようかというくらい素晴
らしく充実していて嬉しくなります。

さて、その蒸溜所ですけれども、ハイランドでも北の方にある
ようで、ということはグレートブリテン島の最北に近い蒸溜所
でもあります。

そこで、ピート焚きのモルトを使い、ホッグズヘッドで寝かせ、
クォーターカスクでマリッジして、46度のノンフィルタードで
瓶詰めする。

ある意味では、今市場で「本格派シングルモルト」として、最も
人気が出そうな作り方をしています。

それは、ピーティなウィスキーが人気がある、というようなキャッ
チーな話ではなく、基本の樽を押さえ、手間はかかるがボディが
でるマリッジをして、他では経営上の問題で行っていない直接
瓶詰めを行っているからです。

これはモルトファンのための1本でしょう。派手な広告や珍しい
テイスティングノートで気を引く種類の商品ではなく、ボトルに
印字されている46度の文字だけで「じゃ、それを」という人の
ためにある種類のものだと思います。

そういう人々にとって、まだまだ良心を信じるに足るボトルがオ
フィシャル・リリースされていることは、まだまだウィスキーも
捨てたもんじゃないと愛好してもらえると思います。

97点。

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ブレンダーズ・ウィスキーNo.4

2012-04-25 12:39:34 | グルメ

ニッカウヰスキーのプロブレンダーが、市販しているキー・
モルトシリーズを使ってブレンドしたウィスキーがブレンダー
ズ・ウィスキーです。青山にあるブレンダーズ・バーで頼むこ
とができます。

ブレンダーズウィスキーNo.4.jpg

私は、普段グレーンウィスキーを飲まないので、ブレンダーズ・
バーに出掛けても、ブレンダーズ・ウィスキーを飲むことはない
のですが、たまたまタイミングを外してしまったので、いつも
とは違うものをということから試してみたのが久光チーフブレ
ンダーの作というNo.4のタイプ。レシピは以下の通りです。

“Sherry&Sweet” 3%
“Peaty&Salty” 2%
“Woody&Vanillic” 25%
“Fruity&Rich” 5%
“Soft&Dry” 15%
“Woody&Mellow” 50%

メニューには説明書きがあるのですが、読んでしまうと味に先入
観を抱いてしまうので、単に原酒のブレンド割合だけを見て決め
るようにしているですが、ウッディとソフトの割合が大きいこと
からフルボディでアルコール辛いのかと思いきや、フルーティが
シェリー香と樽香を広げる隠し芸を披露していて、想像以上に広
がりと奥行きのある味となっています。

こういうのを化けるブレンドというのでしょう。単純な原酒の足
し算ではなくて、要所要所で掛け算が効いている味です。とても
リッチで美味しい。

チョコレートによく合います。

このブレンドをそのまま46度くらいまで加水して、大人向けの
本格派ウィスキーというポジションで販売したらどうかと思うの
ですが、いかがでしょう。


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ウィスキーよ

2012-04-24 12:44:47 | グルメ


ウィスキーよ.jpg

ウィスキーよ

初めてウィスキーを飲んだのは
二〇だった
世の中にこんなに美味い酒がある
ウィスキーよ覚えているか
あれからオレは
うぃ!好き~だよ

ウィスキーよ
ウィスキーよ
オレの話しを聞いてくれ
あの日ヤケ酒飲んだ日は
慰め励まし、叩かれて
おかげで今も飲んでいる

ああ、ウィスキーよ
大好きな酒よ
いつまでもいつまでも
つき合ってくれよ
オレの心の友よ
相棒よ

うぃ!好き~

        かたつむり


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染井吉野とウィスキー

2012-04-02 12:33:52 | グルメ

年度末のタフな一週間を終え、北海道は積丹半島の付け根にある
余市町の辛いウィスキーを飲みたいと、青山にあるニッカ・ブレ
ンダーズバーへ。

いつもより遅い時間になってしまったので、2~3杯で引き上げ
ようと「とりあえずの一杯」をパスしようと思っていたのだが、
店に入るとカスクのリストがニートでぐいぐいやっている隣の女
性3人組のところにあったので、お邪魔をしてはと作戦変更。

いつもなら決して頼まないブレンダーズ・ウィスキーを試してみ
ようと、No.4を頼んでみたらこれが想像を上回る内容でびっ
くり。さすがプロのブレンダーは違うなあ(当たり前)と感動しま
した。

たまたま隣になった御仁やバーテンダーさんとおしゃべりしなが
ら次は何にしようか思いあぐねていると、最近出たんですよと
珍しいボトルを持ってきてくれました。

nikka-coffey.jpg

コフィー式(ニッカの表記ではカフェ式)連続蒸溜器で作られた
宮城峡シングルカスク。樽はホッグズヘッドだそうです。

ニッカ社の宮城峡蒸溜所モルトというのは、サントリー社におけ
る白州蒸溜所のようなポジションで、強烈な個性を売りにすると
いうよりは、マイルドで飲みやすいものが多いのですが、これは
蒸溜方法が違って個性豊かというので頼んでみました。

すると、ホッグズヘッドのバーボン香をモルトの麦風味が包んで
なめらかに流れるのですが、一瞬シェリー仕込みかと思うような
香り豊かな甘みがよぎります。

あれ?と思って二口、三口と進めると、シェリーではなく麦の甘
みと香ばしさなのだと分かって、麦芽のもつ芯の強さとでも言う
のでしょうか、ウィスキーはやはり麦だと言わんばかりのしっか
りした味に魅了されました。

テイストは、香ばしさから麦の味、バーボン香、バニラ香と続き
アルコール辛い(だって62度!)長いサスティーンが軽やかに続
く、いわゆる「シングルモルト」や「ブレンデッド」の印象を裏
切る「カスクの味」。

カラフルで鮮烈な印象を残す一杯は、一足早く夜桜見物をしたよ
うな楽しい気分になりました。

ところで、辛い余市モルトは?
すっかり忘れておりました(笑)

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本当に美味しいウィスキーの作り方

2012-03-08 14:35:03 | グルメ

ウィスキーというのは、モルトウィスキーのこと。

通な御仁だとシングルモルトなんていいますが、あれは「単一蒸
溜所で製造されたウィスキー」という定義ですので、蒸溜所所在
地の名称で商品化されているボトルの中身はブレンドです。

また、アメリカのテネシー州製ウィスキーというのもありますが、
あちらは原料がとうもろこしですので、ちょっとここでは別項と
します。

さて。

ちょっと前提として整理をしますと、「美味しい」というのは人
間の味覚による評価ですから、主観と嗜好が多分に働く分野の出
来事で、客観的評価としては信用度が低いテーマです。

しかし、他方で美味しいものをランキングするといった出来事も
日常的に行われているのが人間のすることですから、今日のテー
マはむしろこちらに近いかもしれません。

さて。

では「本当に美味しい」とは何か。
美味しいに本当もニセモノもあるのか。

ニセモノはなくとも、美味しいなかの美味しいという意味、即ち
レベルの高い美味しさというなら、きっとあるでしょう。

それをどのように作るのか。

日本の多くの作り手の皆さまは、こういう質問を投げかけると、
口を閉ざされる傾向があります。なにしろ相手は長期間に亘って
貯蔵庫で熟成させるもので自然の影響が大きい、と。

消費者が製造の現場で丁重に断られてしまうと、もうこれ以上は
近づくことが許されない神の領域なのかと感じてしまい、近くに
帰ってバーテンダーさんにお尋ねしたりしてみても、残念ながら
多くのバーテンダーさんはそこまでご存じないのが現実です。

しかし味のレベルの高さというなら、例えば料理人の技術レベル
によって出来上がる料理のレベルに違いがあるように、いくら自
然に委ねる領域が多くても、麦からニューポットに至るまでの蒸
溜技術レベルによって、出来上がるウィスキーのレベルに違いが
顕れるでしょう。

モノ作りのプロセスを考えるとき、例えばそれが革靴だったとし
て、よい靴を作るためには、良い皮原料、良いなめし、良い染め、
良い部位の吟味、良い裁断、良い穴あけ、良い縫い、取り付け、
というように全ての工程で「丁寧な仕事」をしたものが、よい皮
靴を作る王道だろうと思います。

モルトウィスキーを作るとき、一頭最初に麦を麦芽にする製麦工
程がありますが、日本のウィスキー蒸溜所で工場見学をしても、
製麦工程は見せてもらえません。なぜなら、いくつか理由があり
ますが、一番大きな理由は自社で製麦していないからです。

製麦した麦芽(=モルト)を外部業者から購入するのが既に一般的
になっているのですが、その理由は均一な品質の麦芽が手に入る
ということと、コストを80%近く下げられるということでしょ
う。

もしモルトを自社製造すれば、品質が不安定な麦芽ができるリス
クと5倍近いコストを負担しなければなりません。

これをどうみるか。

経営者ならば絶対に認めないことですし、対市場には「品質管理」
という言葉で企業イメージの向上に役立てようとするものです。
百歩譲って正直に消費者にアナウンスしても、誰もが納得するこ
とでしょう。

しかし。

均一な品質の麦芽がアルコール発酵すると、味も均一になります。

ワインに例えると、最近よくある「化学的にしっかり品質管理して
いるので、とても飲みやすく美味しいです」という味になります。

ところが、ワインの分野では、エンスージアスティックな皆さまは
この近代的な製法をあまり高く評価されない。

テロワールがないと。

ウィスキーも同じことが当てはまるのではないかと思うのですよ。

原材料が農作物で、天然アルコール発酵させ、樽で熟成させるとい
う基本的なプロセスに共通点が多いのですから。

自社製麦することによって、ウィスキーにテロワールが生まれるの
だと。

テロワールとは、品質管理の観点からは不均一とされてしまう味の
複雑さだと。

そして、その複雑さを人間は感じ取ることが出来、高く評価すると。

すなわち、味のレベルが高いという意味での美味しさを追求すると、
経営上のリスクを承知の上でフロアモルティングをすることが必須
になるのではないかと思うのです。

もちろん、これはいくつにも分解される製造工程のごく一部の手法
についてですが、モノ作りの現場にいらっしゃる方ならご理解して
いただけるように、上流工程の品質は下流や製品への影響が大きい
のだから、コストを優先させるだけでなく、最終消費者の評価や製
品のブランド価値や、製造企業の株価に通ずると信じて取組むテー
マであり、

本当の美味しさとは、そういうものではないかと思うのです。

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