- 豊田佐吉(1867-1930)は、遠州浜名湖の西、現在の湖西市に、農家兼大工の家に生まれました。学校教育は、寺子屋、その後の下等教育のみです。徳川家の地盤ですからどこか国を考える気風があったのでしょう。
私は浜名湖の東、さらに天竜川の東、磐田に生まれました。遠州は遠州です。やはり德川家の地盤です。
親からも学校でも豊田佐吉のお話はよく出ました。しかし、私は漠然としか受け止めず、深く感動することはなく、平凡に育ちました。それでも現代の豊田佐吉系企業については彼の精神が生きていると好意的に見ていました。
ところが現代何が起こっているのでしょうか。技術データを偽るなど、信用を落とすような事件が報道されています。豊田佐吉亡き後、93年、豊田綱領は風化したのでしょうか。
- 豊田綱領
- 一 上下一致、至誠業務ニ服シ産業報國ノ實ヲ擧グベシ
- 一 研究ト創造ニ心ヲ致シ常ニ時流ニ先ンズベシ
- 一 華美ヲ戒メ質實剛健タルベシ
- 一 温情友愛ノ精神ヲ發揮シ家庭的美風ヲ作興スベシ
- 一 神佛ヲ尊崇シ報恩感謝ノ生活ヲ爲スベシ
1992年に「豊田綱領」に替わって「トヨタ基本理念」が発表されました。これは「豊田綱領」を現代に合った言葉に改めたものです。