LIFE is PHOTO Masa Takahashi

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92歳。1人。山で暮らす

2016年03月09日 | 写真

92歳。

梅田タマエさん

徳島県つるぎ町一字の山あいの集落に1人で暮らす。

「こんなボサボサで恥ずかしいわぁ」と、手ぐしで髪を整えるおばあちゃんは、友人の祖母で、女手1人で4人の子どもを育ててきた。

「足を使いすぎて、いまはこの通りなんよ」と、杖2本を器用に使いながら、日常を営む。

おばあちゃんの暮らす一字は、旧一宇村といい、名峰剣山の登山口に通じる国道438号沿いにある。

いまは、つるぎ町となり、統計上表には出にくいが、四国でも屈指の速さで人口が減っている地域だ。

 

おばあちゃんは小さい。 僕の妻祥子の半分くらい。

「あら~、あなた背が高いのね。 見上げないといけないね~」 と笑う。

 

ちょっと足は悪くなったけど、いまも毎朝、家の前の小さな畑で土をいじるのが日課だ。

 

 

 

この日は、高知から来た僕たちのために、野菜を摂りに畑に降りてくれた。

おばあちゃんのよたよたと歩く姿に、はらはらとして、つい、手を差し伸べそうになるが、

日々ここで暮らすおばあちゃんにとって、それは大きなお世話なんだと言い聞かせ、

静かに後ろから写真を撮った。

 

 

 

食べ切れないほどのほうれん草を採ってくれた後、また器用に階段を登る。

 

 

おばあちゃんちのすぐ前にある杉林の奥には、見事なまでの梅の木が、春の花を咲かせていた。

この梅を収穫して、梅干しにするのがおばあちゃんの恒例行事。

「ものすごーい酸っぱいよ」と孫の恵さん。

 

 

洗濯紐の掛けてある庭の一角には、鏡とブラシ。

ちょっと人見知りで、おしゃれで、笑顔の素敵なおばあちゃんの大ファンになった。

 

恵さんとおばあちゃん。

うん、よく似ている。遺伝子ってすごい。

「また遊びに来ますね」と挨拶をしておいとました。

春の素敵な1日。

四万十町の我が家からは2時間以上かかるけど、

それでも行きたくなる「おばあちゃんに会うワンデイトリップ」。

次はいつ行こうかな。


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