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※症例は患者様の同医済み.

スクリーンからタバコが消える日

2012-06-01 18:45:14 | ブレイク
昨日(5月31日)は、世界禁煙デーということで、世界でいろいろなイベントが行われたようです。
だいたい逆説をとなえるのが自分の流儀ですがタバコに関しては、一般論を100㌫支持してます。ただタバコを吸う姿は嫌いではありません。
この禁煙デーで広島の平和公園から灰皿が撤去されたり蓋がしめられたりしてます。
ちょっと前に広島の平和公園を歩いていると、川のむこうの原爆ドームを見ながらベンチに座ってタバコを吸っているご老人がおられました。
何か寂しそうに思いにふけっている様子でもしかして被爆されたのかな?とか家族を原爆でなくされたのかなと思いました。
外国人観光客の印象を考慮してのことでしょうが、こういう被爆したであろう老人のための平和公園でもあると思うのですが。

昔、あるイベント会場で「会場周囲での喫煙はご遠慮ください」という貼り紙をしているにもかかわらず、携帯灰皿を持ってタバコを吸っているじいさんがいたので注意したら、「ここは会場の周囲じゃなく、会場内だろうが」と反論され、貼り紙に「及び会場内」という文言を書き加えたという話を聞きました。こういうのは腹が立ちますね。

タバコの役目という視点で見ると映画での演出の役割は重要で、いろいろなシーンで活用されてます。

まず思い出すのが「卒業」です。古い映画ですが、不倫が題材となってます。内容については説明するまでもないのですが、簡単に説明すると、主人公のダスティン・ホフマンは既婚の中年女性と肉体関係となるのですが、その娘と恋愛するというものです。娘が20代としたらその親は40代ということが推測されます。もう女性ホルモンが噴出しているところに、性欲盛んな20代の男子という手の付けられないシチュエーションです。芸能界では小柳るみ子、小泉今日子、そしてドリカムの吉田美和とこの年の差のパターンは未だに生きてます。
 それで肝腎のタバコですが、ホテルの部屋でその相手役の中年女性が壁にもたれかかりタバコを吸っているところに主人公がいきなりキスをします。右手に持っているタバコはよけ、口はふさがれた状態です。そしてキスが終わると、吸っていたタバコの煙を肩を落としながらさめた態度で"フーっ"と吐きます。子供相手に恋愛ごっこにつき合っている経験豊富な女性ということが表現されてます。このシーンはタバコがなければ全く印象に残らないものになると思います。

「ブレードランナー」という好きな映画があり、そこでもタバコが効果的に使われてます。ストーリーはアンドロイドを見つけ処刑するというもので、未来ではアンドロイドと人間の判別が難しくアンドロイド自信も自分が人間だと思うくらい進歩しているという設定です。
アンドロイドを作っている会社へ、識別のプロでもあるデッカード(ハリソン・フォード)が行き、ある女アンドロイドの識別テストをします。そのアンドロイドはレーチェル(ショーン・ヤング)といい社長の秘書で本人は自分がアンドロイドであるということを知らされてませんが最近、薄々わかってきたというのです。
テストは心理テストによる瞳孔や毛細血管の反応を見るものなので経験と知識が必要というあいまいさがあります。このへんは画像や数値で診断を確定できない病気もある現代医学と似てます。
そしてすこし金箔した状態でテストが始まるのですが、ここでレーチェルはタバコを吸っていいか尋ねて、タバコを吸い始めます。これは自分がアンドロイドだと確定されるかもしれないという緊張感からか、自分も人間同様緊張したらタバコを吸うということをアピールするのか、はたまたタバコの作用で自律神経に影響を与え判別しにくくさせるのか、いろいろと推測されます。いずれにしても喫煙がレーチェルの心理を見事に表現し視る者までも深く沈めていきます。このシーンは映画の中で重要な場面なのでしょう。サウンドトラックCDにもこの駆け引きが入っています。

「ストリート・オブ・ファイアー」では、主人公の元彼女を救出するために、敵のアジトに仲間の女が乗り込み敵のリーダー格の男に重厚を向けるシーンがあります、。相手が女ということもあり、「なんだ?こいつは」という顔をしながらタバコを消すのですが、リーダーの風格がにじみ出ていました。もしもタバコがなかったら雰囲気はかなり違ったと思います。悪役ながらタバコを吸うのがカッコイイと思える映画の一つです。

 またまた古い映画で恐縮ですが「荒野の七人」でタバコという小道具が主人公でもあるユル・ブリンナーによって見事に活躍します。
 西部の街の道ばたで老人が死んで倒れていて、誰も見て見ぬふりをしながら通り過ぎていきます。そこに通りかかったクリス(ユル・ブリンナー)は、牧師になぜ埋葬してやらないのかと尋ねます。もしも墓場まで運ぶとそれをよく思わない人間に撃たれるというのです。理由はその墓地にふさわしくないからだと牧師は言います。しかしあの墓地はならず者や無頼漢も葬られているはずだと言うと、牧師は、全部白人で、あのおじいさんはインディアンだと言うのです。死んでまで差別を受けるということに憤りを感じたクリスは、馬車を借りてスティーブ・マックイーンと墓地へ遺体を運ぶことになりました。途中クリスに向けて、撃たれるのですが、心配したスティーブ・マックイーンは安否を尋ねるとタバコを消されただけだと言います。タバコの先をかすめただけでクリスは全く動揺せず馬車を進めます。ここでガンマンとしての腕がそうとうなものだということがわかります。次に墓地の入り口には数人のガンマンが待ちかまえています。その中の一人が拳銃を抜くとすかさずクリスはその手を撃ちます。そして残りの仲間にも発砲するかと思いきや、拳銃を納めて先ほど消されたタバコに火を付けます。その余裕ある姿をみて仲間は散っていき馬車はめでたく墓地に入ります。
 実はこのシーンだけが好きで場面を思い出しながら熱くなり書いてます。何回も視るのですが視るたびに胸がすきます。

逆に何でタバコなんかい!?というドラマがあります。「太陽にほえろ」でジーパン刑事こと松田優作が死ぬシーンです。思い出の名場面でよく取り上げられ「なんじゃこれ!?」は何回も放送されてます。実はあの回でジーパン刑事は同僚の女刑事(関根恵子)にプロポーズするやもしれない重要な展開が期待されてました。銃弾に倒れたジーパン刑事はゆっくりポケットに手を入れ何かを探してます。誰もが婚約指輪だと思っていたのではないでしょうか。ハンカチを持って泣く準備をしていた人は多数おられたとおもいます。ところが出てきたのはタバコというあっけないものでした。日本全国のお茶の間は拍子抜けしたのではないでしょうか。
 松田優作自身は予想を裏切るという理念があるみたいで、それが良い評価へと結びついていますが、これに関しては婚約指輪にしてほしかったです。ほんとこっちが「何じゃこれは!?」です。

アニメでは「カリオストロの城」に喫煙シーンが多いのですが、ご覧になった方は二つ三つ思い浮かぶのではないでしょうか。数えてみると、五つはありました。宮崎監督は巧妙に使っていてタバコがないと成り立たない場面も多いです。
 タバコが似合うキャラクターと言えば「スペースコブラ」の銜えタバコが頭に浮かびますが、ムーミンのスナフキンもその代表格です。このスナフキンという名前は、「嗅ぎタバコ」からきていて、嗅ぎタバコは、火をつけずに薫りを楽しむタバコで嗅ぎタバコを摂取する行為を「スナッフ」というそうです。

 最後に小説となりますが、朱川湊人の作品で[鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様]という時代ホラー小説があります。これは傑作で、クライマックスでは、コレクター(死神)と雪華(主人公のなぞの友人)との腹のさぐり合いが喫茶店で行われるのですが、心理を悟られまいとする両者の緊迫感がタバコをかえして表現されていて、これを書くとほんとうに長くなるので、是非一読していただきたいです。 ちなみに舞台は大正時代の東京で一見ホラーですが日に当たらない人間の淋しさと生きることの価値を考えさせられる心のどこかに残る作品です。

スクリーンからタバコが消えてしまう日がくると思いますが、残して欲しいという想いもあり、健康のためにあってはいけないものでもあるし、このヂュレンマ、ちょっと考えてしまいます。

 こうも禁煙運動が続くと煙草農家は大打撃だと思います。煙草の葉をバイオ燃料とか他の用途に使うように研究すれば農家も助かるのにと思っていたら、今年、「バークレー研究所が生成技術の開発めざす ...」というニュースがありました。
これは是非ともすすめていただき、煙草の役目として残していただきたいです。

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