シネブログ

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『ターミネーター4』

2009年06月06日 03時57分12秒 | 映画レビュー
原題: TERMINATOR SALVATION
製作年度: 2009年
別題: -
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 114分
監督:マックG
製作:
モリッツ・ボーマン
デレク・アンダーソン
ヴィクター・クビチェク
ジェフリー・シルヴァー
製作総指揮:
ピーター・D・グレイヴス
ダン・リン
ジーン・オールグッド
ジョエル・B・マイケルズ
マリオ・F・カサール
アンドリュー・G・ヴァイナ
キャラクター創造:
ジェームズ・キャメロン
ゲイル・アン・ハード
脚本:
ジョン・ブランカトー
マイケル・フェリス
撮影:シェーン・ハールバット
視覚効果スーパーバイザー:チャールズ・ギブソン
プロダクションデザイン:マーティン・ラング
衣装デザイン:マイケル・ウィルキンソン
編集:コンラッド・バフ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:
クリスチャン・ベイル ジョン・コナー
サム・ワーシントン マーカス・ライト
アントン・イェルチン カイル・リース
ムーン・ブラッドグッド ブレア・ウィリアムズ
コモン バーンズ
ブライス・ダラス・ハワード ケイト・コナー
ジェーン・アレクサンダー ヴァージニア
ジェイダグレイス スター
ヘレナ・ボナム=カーター セレナ・コーガン
マイケル・アイアンサイド
イヴァン・グヴェラ
クリス・ブラウニング
ドリアン・ヌコノ
ベス・ベイリー
ヴィクター・ホー
バスター・リーヴス
ケヴィン・ウィギンズ
グレッグ・セラーノ
ブルース・マッキントッシュ
トレヴァ・エチエンヌ
ディラン・ケニン
マイケル・パパジョン
クリス・アシュワース
テリー・クルーズ
ローランド・キッキンジャー
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
機械軍(スカイネット)が人類への反乱から起こした核戦争、“審判の日”から10年が経った2018年。圧倒的戦力を誇るスカイネットによって人類がいよいよ滅亡の危機に立たされる中、生き残った人間たちは抵抗軍を組織し、青年となったジョン・コナーもその一員としてスカイネット殲滅の機会を窺っていた。そんなある日、ジョンはマーカス・ライトと名乗る謎の男と出会う。ところが、彼は体の半分が機械化されていた。さらには、自分はれっきとした人間だと思っていたマーカスがそのような体に至った記憶を無くしており、敵か味方か判断しかねるジョン。しかし、将来彼の父となる少年カイル・リースに身の危険が差し迫っていることをマーカスから知らされ、ジョンはある決意を固めるのだが…。

コメント:
『ターミネーター』シリーズが2作目で完結していることは
3作目を観た人ならすでに承知済みの事実であろう。

だが、こうも続編を作られては観ずにはいられないのがファンの心理でもある。
3作目のあまりの駄作さに不満を抱えて早6年。
このモヤモヤが解消されるのをわずかに期待しつつ今回も映画館へ足を運んだ。

しかし結果はやはり残念なものだった。

そもそもここで描かれるエピソードの必要性が全くわからないのが致命的。

本シリーズのメインキャラと言えば、
抵抗軍のリーダーとしてスカイネットに立ち向かうジョン・コナー。
ジョンの母親であるサラ・コナーと父親カイル・リース。
そして彼らの敵となるターミネーター。

本来はこの4つの存在だけで成り立つ物語のはずなのだ。

なのになぜここに来てマーカス・ライトという
新キャラが登場しなければならないのか?

こいつのせいで話がややこしくなり矛盾が生まれつつある。
しかもジョン・コナーより目立ってるし…。
2作目で完璧に辻褄の合っていた物語なのに、
続編が作られていく毎に不満の塊へと変貌していく。
これじゃ単なる金儲けのタネとしての存在に過ぎないじゃないか。
しかもオマージュ的なネタを入れて満足してしまっている始末。

“I'll be back“の使い方強引だし、
リンダ・ハミルトンの声を使えばいいってもんでもないし、
溶鉱炉の使い方を2作目でT-1000と戦ったときに使った液体窒素と
逆バージョンの使い方(これは映画を観てからのお楽しみ)をしたり、
おまけにシュワちゃんの1作目の顔をローランド・キッキンジャーの
体にくっ付けて無理矢理出演させちゃってるし。

なんかこの手の演出飽きてきた。
こういうネタを期待しながら観ていることもよくあるが、
使い方間違っちゃうとなんだか一気に冷めてしまう感じだ。
まさに悪いお手本。

映像は凄くて当たり前。
でも『トランスフォーマー』と酷似していると言われている時点でアウト。
オリジナリティを失くし、プロットが駄目になった時点で本シリーズは
堕落の途を辿るしかない。

単純にファンが期待しているのは、
ジョン・コナーとターミネーターの未来を掛けた死闘だというのに…。
今後はスカイネットの意図やジョン・コナーの更なる運命、
そして妻・子供との関係が複雑に描かれる(勝手な予想だけど)
ことになるのだと思うと何だか無駄な伏線ばかりな気がして残念で仕方がない。

本作のキャッチコピーに、

”どこで誰が、未来を変えたのか?”

というものが掲げられているが、
僕の心の叫びとしては

”どこで誰が、本シリーズを変えたのか?

この一言に過ぎないと言えるのだ。

『シューテム・アップ』

2009年04月23日 22時03分48秒 | 映画レビュー
原題: SHOOT 'EM UP
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 86分
監督:マイケル・デイヴィス
製作:
スーザン・モントフォード
ドン・マーフィ
リック・ベナーター
製作総指揮:
ダグラス・カーティス
トビー・エメリッヒ
ケイル・ボイター
脚本:マイケル・デイヴィス
撮影:ピーター・パウ
プロダクションデザイン:ゲイリー・フルート・コフ
衣装デザイン:デニース・クローネンバーグ
編集:ピーター・アムンドソン
音楽:ポール・ハスリンジャー
出演:
クライヴ・オーウェン スミス
ポール・ジアマッティ ハーツ
モニカ・ベルッチ ドンナ
スティーヴン・マクハティ
グレッグ・ブリック
ダニエル・パイロン
ジュリアン・リッチングス
トニー・マンチ
ラモーナ・プリングル
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
冬のニューヨーク。黒のロングコートに身を包むスミスは、ひょんなことからヤクザに追われる妊婦を助けるハメに。恐妻家のボス、ハーツが送り込む刺客が次々と現われる中、拾い上げた銃で応戦するスミス。ところが妊婦はショックで産気づくや、赤ん坊を産み落としてすぐ流れ弾に当たってあっけなく絶命。やむを得ず赤ん坊を拾い上げたスミスは、なおも執拗に迫る追っ手をかわして昔なじみの娼婦ドンナのもとへ。しかし赤ん坊の命に執念を燃やすハーツは、スミスの居場所を難なく突き止めると、50人の部下を従え襲撃へと向かうが…。

コメント:
どんだけニンジンが好きやねん!って
ツッコミ入れたくなるほどニンジンが出てくる。
ニンジンを食ってたと思いきや、それを武器にして敵を殺してしまうスミス。
とにかくニンジンが出まくる映画なので、ニンジンが嫌いな人にとっては、
その地点でアウト・オブ・眼中な映画かもしれない…。

宣伝文句にもなっている銃撃戦に関しては「そこそこ」と言った感じだ。

冒頭から銃を乱射しまくりのド派手な銃撃戦が繰り広げられ、
その後も謎のベイビーを守りながらの激しいアクションの数々。

螺旋階段での銃撃戦
カーチェイスをしながらの銃撃戦
スカイダイビングをしながらの銃撃戦

そこまで斬新でもなく、とはいえ退屈でもなく
ホント「そこそこ」の銃撃戦を楽しめたのだが、
どうも最初から薄々感じていた嫌な予感が見事的中した。

それは…セックスをしながらの銃撃戦

赤ちゃんプレイ専門の娼婦役にモニカ・ベルッチが扮している地点で
怪しい雰囲気がプンプン臭っていた。
で、当たり前のようにセックスが始まりそのまま敵を一掃。
「なんじゃそれ!?」ってツッコミ入れないとダメな展開。

でもこれはこれでどこか期待通りの展開だった気がする。
キャストの濃さを見た地点でそれは仕方がないことだ(笑)
とりあえず本作にとっては見所のひとつだったと言えるだろう。

肝心の悪役には、これまた濃い~キャラのポール・ジアマッティ。
個人的には彼が演じたキャラが一番大好きだ。
裸の遺体にチョッカイだしたり、ほ乳瓶撃ちまくったり、
何だか目標が定まらないフラフラしたキャラ設定で、
最後まで読めないところが不気味かつ面白くてよい。

問題はラストを全く思い出せない自分がいることだ。
それだけ本作は何も残らない作品だったのかもしれない。
覚えてるのが”セックスの銃撃戦”だけだとは…

『スラムドッグ$ミリオネア』

2009年04月19日 17時09分04秒 | 映画レビュー
原題: SLUMDOG MILLIONAIRE
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: イギリス/アメリカ 上映時間: 120分
監督:ダニー・ボイル
共同監督:ラヴリーン・タンダン
製作:クリスチャン・コルソン
製作総指揮:
ポール・スミス
テッサ・ロス
原作:ヴィカス・スワラップ 『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社刊)
脚本:サイモン・ボーフォイ
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
プロダクションデザイン:マーク・ディグビー
衣装デザイン:スティラット・アン・ラーラーブ
編集:クリス・ディケンズ
音楽:A・R・ラーマン
出演:
デヴ・パテル ジャマール・マリク
マドゥル・ミッタル サリーム・マリク
フリーダ・ピント ラティカ
アニル・カプール プレーム・クマール
イルファン・カーン 警部
アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール ジャマール(幼少期)
アズルディン・モハメド・イスマイル サリーム(幼少期)
ルビーナ・アリ ラティカ(幼少期)
オススメ度:

ストーリー:
インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”。この日、ムンバイ出身の青年ジャマールが、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来た。ところが、1日目の収録が終わりスタジオを後にしようとしたジャマールは、イカサマの容疑で警察に逮捕されてしまう。スラム育ちの孤児でまともな教育を受けたこともないジャマールがクイズを勝ち抜けるわけがないと決めつけ、執拗な尋問と拷問を繰り返す警察。ジャマールは自らの無実を証明するため、これまでに出された問題の答えは、すべてストリートで生きながら学んだと、その過酷な過去を語り始めるのだったが…。

コメント:
「彼がなぜミリオネアになれたのか?」
 A.インチキだった。
 B.ついていた。
 C.天才だった。
 D.運命だった。

冒頭からいきなりこんな問題を突きつけられる。

この映画は全て”運命”という一言で片付けられるかもしれない。
だが実際はインドにおける貧困、犯罪、宗教問題など
様々な社会問題が絡み合っている本作。
そんな過酷な世の中で、”勇気”や”希望”、そして”愛”の力を信じ、
パワフルに疾走し続ける主人公の3人。
ジャマール、サリーム、ラティカの3人を三銃士と見立て、
究極の希望を求めて生き抜く姿を見事に描き出しているのが、
この『スラムドッグ$ミリオネア』なのだ。

それにしても個人的にかなり意外だったのが、
本作がこんなにも壮大なラブストーリーに仕上がっていたということだ。
ラストのライフライン”テレフォン”を使うまでの伏線が、
壮絶かつ過酷な物語であっただけに、最後の最後でまさかこんなに
ピュアな気持ちになれるとは想像もしていなかった。

クイズ番組、警察での尋問、ジャマールの回想シーンの3つを織り交ぜ、
なぜジャマールがミリオネアになれたのかを描いていく構成。
スラムで貧困生活を送り、ある日突然母親を奪われ、やがて孤児を搾取する
大人たちに取り入られるという、過酷な子ども時代を送るジャマール。
偶然たどり着いたタージ・マハルでは観光客を餌に、
自分たちの生きる術を必死で探し続ける姿がみられる。

ここまでの展開は、まさにインドのスラムに生きる子どもたちの
現状を突きつけられているようなリアルさだった。
今回ボイル監督もリアルなインドを撮りたかったと言っているように、
その光景はひしひしと感じ取ることができた。

後半では、途中で生き別れとなったラティカといつか再会したいという
強い”希望”を持ち続けるジャマールの恋をメインに話が展開される。
駅のホームで微笑むラティカを何度も思い出し、彼女と人生を歩みたいという
一心で生き続けてきたジャマール。

彼がクイズ番組に出演しようと思った理由は、きっと彼女は
このクイズ番組を見ていてくれているという”信じる心”があったから。
その”希望”はラストのライフラインで”勇気”と変わり、
最後は”愛”へと繋がるのだ。

これを一言で”運命”と呼ぶのはあまりにもったいない!
だけど人生というものはそうなのだろう。
全ての出会いや行動は、必然であり偶然であり運命なのだ。
その結果がどう変わるかは人それぞれが持つ気持ち次第。
ジャマールのように”信じる心”を強く持っていれば
きっと人生は素晴らしいものになるのだということを教えてくれる映画だ。

正直、インドが舞台の映画には少し拒否感を持っていたのだが、
本作を観てインドに興味を持つ自分がいた。
現地で撮影したリアルな映像ということで臨場感もあったし、
なんと言ってもいいのが抑揚のあるパワフルな音楽の数々だ。
エンドロールまで勢いが感じられてホントよかった。

これからのインド映画に最高の活力を注入した『スラムドッグ$ミリオネア』。
アカデミー賞8部門受賞というのは紛れもない栄光だったといって間違いはないだろう。

『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』

2009年04月16日 23時47分03秒 | 映画レビュー
原題: RED CLIFF: PART II/赤壁
製作年度: 2009年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/中国/日本/台湾/韓国 上映時間: 144分
監督:ジョン・ウー
アクション監督:コリー・ユン
製作:
テレンス・チャン
ジョン・ウー
製作総指揮:
ハン・サンピン
松浦勝人
ウー・ケボ
千葉龍平
デニス・ウー
ユ・ジョンフン
ジョン・ウー
脚本:
ジョン・ウー
チャン・カン
コー・ジェン
シン・ハーユ
撮影:
リュイ・ユエ
チャン・リー
美術:ティム・イップ
衣装デザイン:ティム・イップ
音楽:岩代太郎
主題歌:アラン
出演:
トニー・レオン 周瑜
金城武 孔明
チャン・フォンイー 曹操
チャン・チェン 孫権
ヴィッキー・チャオ 尚香
フー・ジュン 趙雲
中村獅童 甘興
(特別出演)
リン・チーリン 小喬
ユウ・ヨン 劉備
ホウ・ヨン 魯粛
トン・ダーウェイ 孫叔材
ソン・ジア 驪姫
バーサンジャプ 関羽
ザン・ジンシェン 張飛
チャン・サン 黄蓋
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
80万の曹操軍をわずか5万で迎え撃つ劉備・孫権連合軍は、軍師・孔明の知略と指揮官・周瑜の活躍でどうにか撃退に成功する。思わぬ大敗にも依然圧倒的な勢力を誇る曹操は、2000隻の戦艦を率いて赤壁へと進軍する。そんな中、曹操軍には疫病が蔓延してしまうが、非情な曹操は死体を船に積み、連合軍のいる対岸へと流す。これにより連合軍にも疫病が拡がり、ついに劉備は自軍の兵と民のため撤退を決断する。ただひとり戦地に残り、周瑜とともに戦う道を選んだ孔明だったが、劉備軍が持ち帰ったことで生じた矢の不足の責めを問われてしまう。すると孔明は、周瑜に3日で10万本の矢を調達してみせると宣言するのだったが…。

コメント:
性格がとても温厚なことで知られるジョン・ウー監督。
また自らを「暴力否定論者」と唱える彼がこの『レッドクリフ』を選んだ理由。
それは正に”友情””家族””勇気””愛”の大切さ、
そしてなんといっても”戦争の悲惨さ”を伝えたかったからだろう。

捉えかた次第ではその真摯な想いはなかなか伝わりづらいかもしれない。
あまりにリアルな戦闘シーンの数々のため、人によっては戦争に対して
単なる拒否感しか覚えかねないからである。

だが「赤壁の戦い」という三国志最大の見せ場を選び、
史実に沿いながらもオリジナルのシナリオを盛り込んで
全編をドラマティックに見せてしまう手腕の凄さには頭が上がらない。
各キャラの存在感、一度見たら胸に刻まれる戦略の数々、
そして戦場で生まれ交錯する感情の渦。

本作はとてもダイナミックかつ繊細に制作された映画で、
ジョン・ウー監督の人間性がより深く味わえる作品であると言えるだろう。

「赤壁の戦い」と言えばいわずと知れた数々のエピソードが存在する。

曹操軍に蔓延した疫病、孔明の秘策による10万本の矢収集、
黄蓋を先陣とした火計などアクション映画としての見所も満載。
孔明が東南の風を祈祷するシーンから開戦するまでのシーンは、
まるで『パールハーバー』で日本がアメリカに奇襲攻撃を開始するまでの
沈黙の時間が流れるような緊張感。

風と同時に進軍を開始するシーンはまさに圧巻で、
炎が瞬く間に曹操軍の船団を飲み込んでいく映像は度肝を抜いている。
自分が想像していたものがそのままスクリーンに映し出されているようだった。
これだけでも本作を観る価値はあると言っていいだろう。
またしてもジョン・ウー監督のアクションセンスが実った結果だ。

個人的な評価をすると本作はかなり大成功だといえる。
これだけ歴史的にも有名な史実を見事な映像表現で作り上げているからだ。
同じ制作費を掛けた某アニメの実写版よりどれだけ素晴らしい映画であろうことか。
個人的にはこの上ない満足感を味わえた作品であったといえる。

あとやはりこの映画で感じとって欲しいのは戦争の悲惨さだ。

どんな時代でも人間は皆、家族がある。
それは同じ同族であっても敵同士であっても変わりないことだ。
尚香の役どころは、その”家族”というキーワードを助長したものだろう。

出陣前に尚香が準備した団子。
中国では冬至に一家団欒を祝い団子を食べる習慣があるという。
小喬が敵陣に行ったことで周瑜の家族は近くにいない状況となったが、
代わりに孫権連合軍は皆家族だと象徴せんばかりの行動だったのだ。

敵陣に一人で乗り込んだ尚香が出会った一人の兵士・孫叔材。
彼もまた故郷に家族を残しての出兵だったが、くしくも悲劇の戦死者となってしまう。
同じ人間なのに戦わなければならない悲惨さが惜しみなく描かれている。

忘れてはならないのがジョン・ウー監督のシンボルともいえる”白い鳩”。
今回は尚香が敵陣から飛ばすシーンで何度も使用されていた。
平和を願う監督の意思が至るところに表現されていた映画だったといえるのだ。

『クローズZERO』

2009年04月12日 09時18分30秒 | 映画レビュー
原題:-
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: 日本 上映時間: 130分
監督:三池崇史
プロデューサー:山本又一朗
アソシエイトプロデューサー:
岡田有正
富田敏家
堀之内郁哉
企画:濱名一哉
原作:高橋ヒロシ (秋田書店 少年チャンピオンコミックス刊)
脚本:武藤将吾
撮影:古谷巧
美術:林田裕至
編集:
掛須秀一
長坂智樹
音楽:大坪直樹
音楽プロデューサー:古川ヒロシ
CGIプロデューサー:坂美佐子
ラインプロデューサー:原田耕治
音響効果:柴崎憲治
共同プロデューサー:佐谷秀美
照明:高坂俊秀
録音:石貝洋
助監督:西山太郎
出演:
小栗旬 滝谷源治
やべきょうすけ 片桐拳
黒木メイサ 逢沢ルカ
桐谷健太 辰川時生
高橋努 牧瀬隆史
鈴之助 田村忠太
遠藤要 戸梶勇次
上地雄輔 筒本将治
伊崎右典 三上学
伊崎央登 三上豪
波岡一喜
沖原一生
武田航平
鈴木信二
橋爪遼
増本庄一郎
渋川清彦
山口仁
辻岡正人
岡あゆみ
佐田正樹
斎藤歩
大東俊介 桐島ヒロミ
小柳友 杉原誠
渡辺大 阪東秀人
深水元基 林田恵
松重豊 牛山
塩見三省 黒岩義信
遠藤憲一 矢崎丈治
岸谷五朗 滝谷英雄
高岡蒼甫 伊崎瞬
山田孝之 芹沢多摩雄
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
最凶・最悪の不良学生たちの巣窟、鈴蘭男子高等学校。幾多の派閥が勢力争いを繰り返し、いまだかつて鈴蘭を制覇・統一した者はいなかった。現在も、芹沢多摩雄率いる最大派閥の“芹沢軍団”を軸に、群雄割拠の状況が続いていた。そんな鈴蘭にやって来た3年の転入生、滝谷源治は、本気で学園の制覇を狙っていた。一匹狼を貫く源治だったが、ふとしたことから鈴蘭OBのチンピラ、片桐拳と出会い、次第に友情を深めていく。やがて拳は、自分が果たせなかった鈴蘭制覇の夢を源治に託すようになるのだが…。

コメント:
大好きだなぁ~この映画。
喧嘩は嫌いとか人を殴るのは教育に悪いとか言ってる人は
最初から見ない方がいい。
これは最初からそういう映画だと、
はっきり割り切って作っている作品なのだから。

もうとにかく出演者のメンズがかっこいい!!
男の自分からしても惚れ惚れしてしまう。

鈴蘭高校のトップを目指す男たちの戦い。
殴り合い、飛び蹴り、なんでもありの派閥抗争。
誰がトップに登り詰めるか、
徐々に勢力を広げていく判り易いストーリーもGood★

これだけ男くさい連中が集まれば一人くらい好きなキャラが生まれる。
個人的には山田孝之演じる芹沢多摩雄がお気に入り。
彼の演技はいつも静かだけど、暴れるシーンとのギャップが最高。
ストーリーが進むにつれて、だんだん髭面になっていく姿も彼らしいではないか。

とにかく一人ひとりのキャラがカッコいいのは言うまでもないのだが、
それに加えてカメラワーク等の演出が見事な迫力を生み出している。
特にラストの雨の中の乱闘シーンは最高だ。
男たちが血だらけ泥だらけになりながら乱れる姿が汚くもカッコよすぎる。
それはまるで「七人の侍」のラストで傷付きながら戦う侍のようだ。

もうホントに最後にはヤロウ共全員の顔が、あの口裂けキャラで有名な
”ジョーカー”のように口の回りを真っ赤に染めている姿は超不気味。
「マジで死ぬ気で闘っているなコイツ等」的な雰囲気を出しまくりで
恐いけどやっぱカッコいい。

かなりカッコいいを連発してしまったが、
マジでカッコいいのだからしょうがない。
こんなに血の気が多くて男くさい連中を見たのは、
個人的には本当に「七人の侍」以来かもしれない。

なんか気分をスカッとさせたいときにオススメの1本だ。
「クローズZERO II」にもかなり期待が膨らんでいる。