夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆ケーススタディ 企業防衛 SPJによるソトー買収

2005年03月18日 20時52分42秒 | 企業法務学習日記
① 2003年春,SPJ(スティールパートナーズ・米系投資ファンド)がソトー経営陣に対して,次のような提案を行う。「SPJがソトーの経営陣の同意の上でTOBを実施する。ソトー全株式を買い付け,ソトーは上場を廃止する。経営は,現経営陣に委ねる。」これは,友好的買収提案である。

② ソトーは,繊維製品の染色・加工を業としていた。無借金経営で約200億円の流動資産を保有していた。SPJの提案に対して,ソトー経営陣は応じないこととした。

③ 同年12月19日,SPJがソトーに対して敵対的TOBを開始する。買付価格:1株1150円 買付予定数:33.4% TOB直前のソトーの株価は898円,時価総額約100億円であった。

④ これに対して,NIF(大和証券系ファンド)が,ソトー経営陣の賛同の下,SPJよりも高額な買付価額で対抗TOBを実施する。

⑤ SPJは買付価額等の上方修正を行い,最終的にSPJの買付価額は1550円,対象も全株式とした。この結果,NIFはソトー買収を断念する。

⑥ 2月16日,ソトーが配当を13円から200円に増額すると発表。その結果,ソトー株価が2000円まで急騰し,SPJによるTOBは不成立に終わった。

⑦ 増配によるソトーの想定支出は約30億円。株価上昇と増配によるSPJの想定利益は約20億円。

⑧ SPJは,2004年中に保有する全ソトー株式を売却。

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