夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

・ライブドア vs フジテレビ フジ,議決権ベースで39%確保

2005年03月08日 19時01分10秒 | 企業法務学習日記
 フジテレビのニッポン放送に対するTOBは,対発行済株式総数で36.47%,議決権ベースで39.26%に達して終了した。これによりフジテレビは,ニッポン放送が保有するフジテレビ株式によるライブドアの影響力を排除することが可能になり,また,定款変更や合併などの重要事項に関する拒否権を確保したことになる。今後は,ライブドアの仮処分申請に対する東京地裁の判断が注目される。

 今回の問題,新株引受権の発行が差し止められ,6月の株主総会でライブドア派の取締役が選任されたとしても,最終的にはライブドアの実質的敗北で終結しそうな気配である。ニッポン放送の従業員が抵抗を示すことが予想されるからである。すなわち,従業員の内部的抵抗,大量退職などが起きた場合,ニッポン放送の経営は成り立たなくなる可能性が大きいと思われるのである。

 アメリカのように,経営陣と従業員の一体性が低い企業文化のもとでは,従業員の意思を度外視して,経営権を確保するだけでその企業を買収することができるといえる。しかし,日本のように,プロパーの取締役が多く,また,会社は従業員のものという意識が存在する企業文化のもとでは,企業買収は,従業員の意思を無視し得ない。

 ライブドアの買収戦略は,従業員の意思を考慮しているとは思えず,今後,ニッポン放送の内部的抵抗が著しい状態を招来すると,最終的にはライブドアがフジテレビに株式買取を要請せざるを得なくなるのではないだろうか。

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