夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆イオンとCSRと株主原理主義

2005年04月03日 05時35分58秒 | 日記・書評
 昨日,品川のイオンSCにて買い物をする。土曜ということもあるのか,最近の傾向なのか,閉店間際午前零時少し前でも大勢の買い物客がいた。子供づれもかなりいる。最近は,午前2時3時のドンキでも子供づれを見かける。教育上・心身の発達上,あまりよいこととは思えないが,時代なのだろうか? 自分が同年代の頃はとても起きていれなかったけれど…

 トップバリュのドリップコーヒーを買った。そこで1つ気づく。パッケージにフェアトレードのラベルがあることだ。フェアトレードというのは,現地生産者との取引において適正な価格での購入を行うことで,現地生産者の経済的・社会的自立を援助していくという貿易の手法で,記憶が間違っていなければ,イギリスのオックスファムが最初に始めたものだと思う。

 トップバリュは,イオンのPB商品のブランド名だ。PBといえば,低価格であることがほとんど唯一の訴求力だったものだが,最近は,PBも変わってきている。とくにトップバリュは,数あるPBの中でも,低価格以外の特性を訴求することで売り上げを伸ばしてきている。種類の多さ・添加物不使用・厳密な栄養表示等,価格以外の魅力を作り,トップバリュというブランドイメージも定着している。例えば,添加物不使用という点は,小さな子供さんをもつお母さんたちからは,かなり評判がよいという。

 といったあたりが,今までの認識だったのだが,フェアトレードにまで取り組んでいるとは,たいしたもんだと思う。

 買い物をして,もう1つ気づく。三島食品の「ゆかり」というしそふりかけを買ったのだが,以前とはパッケージが異なっていた。いや,デザインそのものは変わらない。ただ,見慣れないデコボコがあるのだ。一瞬,商品管理用のデコボコかと思ったが,もう一度見ると,視覚障害者向けの点字なのだとわかった。

 少し前に買ったものにはついていないので,最近はじめたのだと思うが,単価100円前後の商品にまでこうした配慮がなされはじめていることに驚いた。

 フェアトレードもそうだが,企業のこうした取り組みはCSRと無関係ではないだろう。雪印などの企業犯罪やかつての公害問題に代表されるように,社会への有益な関与をせず,利益追求一辺倒では,企業の存在そのものが否定されることにもなる。もちろん,CSRも経営手法であるから営利と無関係ではないが,企業が株主の利益だけを追求するのではなく,社会貢献をして,社会の利益にも適う活動をしなければならないということをCSRは示している。

 昨今は,会社は株主のもので株主の利益になることだけをやればいいといった理論があちこちで語られているが,それが会社という社会的実在の一側面しか捉えていない偏狭な考え方だということを再認識させられる思いがした。

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