夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆介護事業と建設業

2005年04月30日 00時00分27秒 | 日記・書評
 WBSで市場規模が5兆円を突破した介護事業の現状をレポートしていた。公共事業の減少に悲鳴を上げる建設業界が積極的に参入していることは知られた話だが,工夫がないと難しい面もあるようだ。

 介護事業そのものは,20年後から30年後程度で市場規模が限界に達し,人口減少と相まって緩やかに縮小していくことから,ここ10年程度でどれくらいシェアを獲得して利益を確保できるかが勝負であるという話は以前から言われているが,一方で,その予測が過当競争を招いているともいわれている。

 そういう状況下で戦っていくには,やはり,利用者の立場に立った差別化が必要になる。しかし,知る限りでは,まだまだハード面での競争に力点が置かれていて,ソフト面はもちろん,両者を総合したモデルは提示されていないように思う。

 それと,市場規模が早晩限界に達するとの予測は,ある意味正しいのだが,誤りともいえる側面があると考える。介護保険をビジネスモデルに組み込む形では,現状では日本だけを対象とせざるを得ないが,老齢人口の増加という観点で見れば,一人っ子政策を継続している中国が将来有望な市場になりうる。もちろん,今後数十年間にわたり中国が安定的な成長を維持し開放政策を続けるか予断を許さないが,視点の転換としては面白いのではないだろうか。



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