夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆ライブドアのM&A

2005年04月02日 04時40分55秒 | 日記・書評
  hbikiさんからTBをいただき,当該エントリを訪問して見た。論旨は概ね次のとおりと思うが,いくつか思うところがあり,恐縮ながら反論させていただきたい。

 当該エントリによると,①ライブドアを批判する言説には,ライブドアが本業のIT事業ではなく(M&Aを含めた)投資銀行事業で成長しているのがおかしいとするものがある。②しかし,M&Aは「裏口の成長手段」などではなく,場合によっては通常の事業以上に企業を成長させることができる手段である。③また,M&Aは,資金・能力の面でそれを有する企業のみができ,かつ,本業の代替としてなされるものでもない。以上がhbikiさんの論旨と考えられる。

 確かに,M&Aが経営戦略上の1手段であり,「裏口の成長手段」でないことはそのとおりと考える。また,M&Aが簡単なものではなく,例えば,単に金があるからできるなどというものではないこともそのとおりである。また,M&Aは,本来,本業の代替手段ではないこともそうだと思う。

 ただ,①ライブドア批判にはM&Aという裏口的手段を使っているからという手段批判があるとの理解は,そうではないのでは? と考える。

 というのは,ライブドア批判にM&Aを持ち出す場合,それは,ライブドアのIT技術力に疑義を申し向け,「メディアとITの融合」をライブドアが行えるとは思えないことの理由付けとしてなされるのが大半だからである。なにもM&Aを利用するいかがわしい集団だといっているわけではないと思われる。

 また,中には,M&Aを手段としていることを批判する言説もある。ただその場合も,一般論としてM&Aを批判しているのではなく,ライブドアの使い方に批判の矛先を向けている。「M&A」が問題なのではなく,「ライブドアのやるM&A」が問題なのだと思う。

 その意味で,大手マスメディアや有名なblog等々がM&Aを裏口入学のような手段と理解しているということはないと考える。

 もちろん,マスメディアの報道にも問題があるのはもちろんである。なにせ,M&A・買収・友好的買収・敵対的買収等々,言葉の意味内容を整理することなく報道しており(特にテレビ),これが誤解と混乱を生む原因となっていることは否めない事実である。また,K1のオープニングかと思うような映像を流し,ホリエモン 対 日枝フジテレビという構図を作り上げるTVメディアの姿を見ると,もっと多角的に分析して報道できないのかと不満に思ってしまうのも事実である。

 ただ,M&Aについて考える限り,「まっとう以上に事業を成長させる実力がある企業」とは思えないライブドアがM&Aに頼りすぎている点が批判されおり,その企業が,巨大メディアを買収してどうするつもりなのかが問題とされているのだと考えている。

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