産地別試飲のクラスで珍しいトスカーナの白を飲み比べる。
しかし白の造り手が赤と別にいるわけではなく、やはり優れた赤ワインの造り手が白ワインも上質のものを仕上げている、というのが現状。
中でもなるほど、と言えるのがこの2つの白。
青い抽象的なエチケットは、赤でも圧倒的な人気を誇るビー・ビー・グラーツが造る「ブジーア」。
自ら描いたというこのエチケットも個性的だが「ブジーア」(=イタリア語で嘘、いつわり、虚言の意味)というネーミングもどういう意図なのかわかり難い。
そして味わいもしかり。
トスカーナ州のジリオ島で栽培したアンソニカ・ジリエーゼという固有品種を使って造られたこのワイン。まったりとしてボリュームがあり、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランとは全く違った存在感。アルコール感もしっかりあってなかなか一筋縄ではいかないつわもの、といったところ。
そしてもう1つが、こちらも赤ではビー・ビー・グラーツと人気を二分するレ・マッキオーレが造る白「パレオ・ビアンコ」。
こちらはエチケットもわかりやすく、味わいも香りが高く果物や花などの香りがかぐわしい華やかな1本。ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネを使ってしっかり造られた風格を感じさせる白。
どちらも違った個性ながら、トスカーナにも白あり、と言わせるさすがのワイン。
機会があれば、おなじみの赤も並べて一緒に飲んでみたいものである。