その昔、数々の作家や画家を虜にしてきたアブサン。
ニガヨモギから作られるこの酒はアルコール度数が非常に高く、またその香味成分に幻覚など向精神作用があるとされ、多くの芸術家が身を滅ぼしたと言われる。
そのため、製造・販売が禁止され、ようやく最近、成分を変えることで再度製造が認可されたといういわくつき。
でもそれだけに、小説のや画家の人生の中に現れるアブサンは魅力的。
その美しい色の描写にも憧れ、いつかどこかで出会うことができれば、とずっと思っていた。
そして先日、知り合いがイベントに持ってきてくれたこの一本。
思っていた通りのエメラルドグリーン。そして誘うようなエキゾチックなボトルのデザインにも惹かれる。
恐る恐る、でもワクワクしながら、ほんのひと舐めさせていただく。
ニガヨモギのすっとした香りと透明な味わい。
思っていたような印象で、何だか子供のころからの夢が一つかなったような気が。
またどこかで、必ず出会ってみたい、そんな酒の一つである。