2009ボルドー・プリムールワインの試飲会へ。
今回は、ガレージワインの先駆者、シャトー・ド・ヴァランドローのオーナー、ジャン=リュック・テュヌヴァン氏とシャトー・ラスコンブのディレクター・ジェネラル、Dominique Befve氏が来日し、ワイン・ジャーナリストの山本昭彦氏、および(株)徳岡の徳岡豊裕社長も交えた2009ヴィンテージについてセミナーもあるということで、それも楽しみに出かける。
セミナーでは、山本氏よりプリムール(先物取引)のシステムと最近のボルドー市場の動向についての説明があり、来日した両生産者から2009のぶどうの出来やそのワインの魅力についての話を聴く。
このところ新興市場でのワイン価格の高騰などが懸念されているけれど、生産者としてはワインは投機の対象というよりは、やはり美味しく飲んでいただきたいというのが本音で、特に2009年は卓越したグレート・ヴィンテージなので、ぜひプリムールで購入して2年後に楽しんでいただきたいとしっかり宣伝も・・・。
そして隣に設けられたテイスティング会場に移り、この日出品されている30点余りのボルドープリムールのフリーテイスティング。
それぞれの使用品種や造り方等の詳細なデータ、ロバート・パーカーやワイン誌「デキャンター」による評価ポイントなどが書かれたリストを持って出品されたワインを試飲していく。
まだ樽で熟成状態にある「プリムール」の試飲なので、なかなか通常のボルドーワインの熟成した味わいの魅力とまではいかないけれど、それでも全体的に言えば、さすがは2009年と思えるぶどうの凝縮感が感じられて、どのワインもこれからどう熟成していくのかが楽しみ。
その中で選んでみたのが次の5本。
Chateau Smith Haut Lafitte Blanc
バランスが良く、力強いミネラルが口の中に広がる。質の良い王道的なペサック・レオニャン(グラーヴ)の白。
Blanc de Valandraud No.1
ジャン=リュック・テュヌヴァン氏が造る白ワイン。スパイスや柑橘などの香り、コクのある味わいが長く感じられ、リッチで肉厚な印象。
Clos Badon Thunevin
果実味が豊かで樽の香りやタンニンとのバランスが良い赤。熟成を待たなくてもすぐに楽しめるワイン。こちらも造り手はテュヌヴァン氏。
Chateau Le Boscq
ネゴシアンのドルト社が所有するサンテステフのクリュ・ブルジョワ。優しいタンニンと樽の香り、完熟した果実のバランスが良く、これからどう熟成するが楽しみ。
Chateau Smith Haut Lafitte Rouge
果実の凝縮感がアタックから感じられ、タンニンもしっかりしたストラクチャーが特長の赤。
この他にももちろん、エレガントが際立つChateau Clerc MillonやChateau d'Armailhac、重厚で複雑さが魅力のテュヌヴァン氏のChateau Valandraud、そして2009も「安旨ワイン」健在のChateau Mont Perat Blanc/Rougeなど魅力的なワインがたくさんあり楽しかった今回の試飲会。
あとはプリムールで購入するかどうかだけれど、確かに2年先(ものによっては3年先)の受け取りというのは何だか心もとない気もするけれど、忘れかけた頃に美味しいワインを受け取れる嬉しい日を夢見て、少しだけ買ってみようかと思い始めているところである。