甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ガザを取り囲む砂漠

2023年11月25日 14時40分37秒 | 空を見上げて

 四日間の停戦ということで、イスラエルとハマスとのお互いの人質の交換が進んでいるそうです。それはよいことかもしれないけれど、人質を返すことができたら、また戦闘が始まるのかと思うと、暗い気持ちになります。

 イスラエルは、ハマスを滅ぼすというけれど、それはどこで判断するんだろう。ハマスという組織が滅んだというのは、二百万ほどのガザの住人のどれくらいの人の命を奪うことになるのだろう。果たしてそれは正当な戦いなのか。

 また、ハマスが滅びたとして、ガザの人々とイスラエルは上手くやっていけるのだろうか。それとも、さらに厳しい条件を付きつけ、そこに人がいるのに、自由に行き来させず、監獄のように閉じ込めたまま、生きる希望を奪い、ただ生きてるだけ、それだけを認めるような、ひどい環境を作りはしないのか。それは今と同じではあるのかもしれませんけど。



 エジプトには、ガザの人々が唯一の外につながる道があるはずなのに、イスラエルとの関係があるので、ガザを封鎖するしかないなんて! 一方は海、だけど、海もイスラエルに支配されているんだろう。残る地面はすべてイスラエルに取り囲まれているのです。しかも、イスラエルの村々が取り囲むのではなくて、何キロかの砂漠の帯が意図的に作られている。

 停戦前に、日本のテレビ局がイスラエル側からガザを遠望する画面を見せてもらいました。ガザにはいくつもの建物の影が見えていました。たくさんの人たちがその下で生きている。こちら側のイスラエルは、わりとのどかそうな農村に見えました。遠くのガザと、近くの農村の間には、建物の一切ない、草もあまり生えていない砂漠のような土地が見えていました。

 本当なら、そこを切り開いて農地にするとか、道路を走らせるとか、建物を築くとか、あってもいいはずですが、緩衝地帯として人は踏み入れられないようになっているようでした。

 イスラエルの農村の人たちは、ガザの人たちに接触するチャンスはなさそうです。国家としてではなく人それぞれの交流もできないようになっていた。ガザの人たちは、距離的には少し高いところからだとイスラエルは見える土地なのに、そこには全く行けないし、そもそも自分たちはどこへも抜け出せないという不自由を何十年も味わわされてきたはずです。

 本来なら、広い世界を見たいとか、せめてアラブ世界の人たちとの交流をしたいとか、ヨーロッパで学ぶチャンスが欲しいとか、敵対するイスラエルという国を知りたいとか、人というのはあれこれと思うはずですけど、それらへの道は閉ざされている。計り知れない絶望がきっとあるはずです。

 この閉塞的な状況を変えたいと念願しても、どこにも道は見えないで、ただコンクリートに覆われたカサカサの都市があるだけです。


 人間って、こんなひどいことができるし、こんなひどい状況でも生きていくことになります。少しでも環境をよくしたいと思っても、誰も手を貸してくれない。アラブの仲間も、自由の国アメリカも、ヨーロッパ世界も、第三世界のアフリカ・アジアも、どこからも手を差し伸べられない。

 砂漠はそのままそこにあって、人々の暮らしを限定させている。船もない。川もない。緑もない。どうしたら、人間らしく生きていけばいいのか。そもそも人間らしい暮らしとは何だったのか。自分だけが平穏に暮らしていければいい、というものではないのは確かで、ひとりでも困っている人がいたら、手を差し伸べられる人間になりたいのに。どうしたらいいんだろう。

 もう何日もそう思っています。何年もそう思っています。

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