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甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ビルマの「鳥の木」。あなたはその声を聞いたか?

2014年06月22日 10時40分00秒 | 古本探しの旅
 近鉄での往復で、多田富雄さんの「ビルマの鳥の木」(1995)を読みました。早い人なら1冊読んでしまうんでしょうけど、私は遅い人なので、百ページにたどりついたところです。そして、エッセイだから、1つの文章を読み終えると、感心し、科学者だけれど、もともとこの人の文章はステキだなと思い、外を眺め、ウトウトしたり、お腹が空腹だったりしながら帰ってきました。

 若い人たちは、そんなオッサンなんか眼中になくて、スマホとゲームで電車の移動のひまな時間を充実して過ごしています。彼らは無駄な時間が許せないようで、わずかな時間を見つけて、音楽を聞き、ゲームをし、メールなどをしています。なかなか充実した、ムダのない過ごし方です。

 もっと居眠りしたり、おしゃべりしたり、ぼんやり外の風景を見たりしたらどうかなオッサンの私は思いますけど、若い人にとっては余計なお世話です。みんな無駄な時間がイヤみたいです。若い人だけでなく、すべての日本人が、無駄な時間を許さず、すぐ出る結果を求めています。コピー機も、印刷機も、スマホも、PCも、何だってすぐつながらないとダメなのです。まあいいか、次の時まで待ってみようというのがありません。すぐ、すぐ、スグーなのです。

 というわけで、無駄なこと専門の私は、土曜日に無駄な古本探しをしてまいりました。たぶん、このうちの何冊かは読まないまま、死蔵していく可能性があります。むずかしいものや分厚いものはたぶん死蔵です。いやはや、困ったのです。でも、いつかは読むかもしれませんから、ムダもしておかないと、いけないのだと言い訳しておきます。

 大阪の弁天町と谷町6丁目の古書会館とはしごをしました。おかげで目がホヨホヨになり、腰も痛くなり、変なデキモノ(虫さされ)にはなるし、さんざんですけど、いくつかの収穫がありました。


1 ニャロメ!! 赤塚不二夫(ちくま文庫 2003)……「もーれつア太郎」からの編集版だそうです。1969~1970年に「少年サンデー」に掲載されたマンガよりニャロメに関するところだけを取り出した編集版です。三百ページを越える部厚さですが、すぐ読めそうな感じがあります。サンデーは私は買ったこともないので、こんなマンガがあったのだと新鮮な感じです。アニメは見ましたが、漫画本は買わなかったんですね。というか、変に教育ぶる母のせいで、マンガは悪だったような気がします。マンガを買ってもらえるのは、家族旅行で電車に長距離乗る時だけで、だから、駅で待たなければならない時など、ワクワクしながら売店とかのぞきました。その時はのぞみが叶うので、好きなのを選んだんでしょうね。だから、ひょっとすると少年サンデーを買ってもらったこともあるかもしれません。でも、私はどちらかというと、少年マガジンだったような気がします。それでたまに月刊誌の「少年画報」なんかを買いました。マグマ大使から怪獣王子の時代くらいまでは買ったような気がします。とにかく、ニャロメは250円でした。


2 サハリンへの旅 李恢成(講談社文芸文庫 1983)「り・かいせい」さんのルーツへの旅みたいです。五百ページもあるので、なかなか読めないかもしれないけれど、北海道やサハリンへの旅というところで買いました。この人の他の作品はうちに何冊かありますが、もう30年ほど前に読んだもので、それからずっと本棚で眠っていますけど、もう少し暑くなったら、どこかへ旅に出て、読み返してみたいと思います。300円!


3 ふらんすデカメロン 下巻(ちくま文庫 1964) 本そのものは1994年に刊行されています。上巻だけ持っていたので、そろえるために買いました。奮発して400円でした。


4 わが闘争 堤 玲子(角川文庫 1967) 本は1977年ですが、世に出たのはその十年前だそうで、今回のメダマです。どうしようか少し迷ったけれど、これが出会いだと思って200円出しました。内容は、「スラムと悪遺伝の中、七人の兄弟姉妹、年頃になって、見合いの話一つなく、馬鹿にされつづけた」作者の自伝的小説だそうです。ベストセラーにもなったそうで、そのころ私は、少年サンデーも知らず、このベストセラー小説も知りませんでした。以上谷町古本市の4冊でした。



5 莫山つれづれ(新潮文庫 2006) 莫山先生の最晩年のエッセイだそうで、三重県のこと書いてないかなとチラッと見て、書いてないけど、これも何かの出会いかなと買いました。150円


6 詩本草 柏木如亭(岩波文庫 1822)旅する漢学者のグルメと漢詩だそうで、めずらしいかなとこれも奮発して500円で購入します。これはつまみぐいでいいかなと思ったりします。


7 折りたく柴の記 新井白石著/桑原武夫訳(中公文庫) 岩波文庫で原文そのままのものがありましたが、もっとすぐわかるものがほしいなあと、ざーっと見て、こちらを買おうと、本そのものは40年前のものですが、200円だし、まあいいかと買いました。以上弁天町古本市でした。


 こうして、どんどん読まない本がたまっていきます。でも、頑張って読んでいこうと思います。
こうした昔の人の気持ちに触れられるなんて、とても幸せです。今の人たちは、今でなきゃいけないみたいですが、今の人たちは、すぐに怒るし、ご機嫌伺いが大変だし、私はどんくさい人間なので、すぐという反応ができません。昔の人は、いつまでも待ってくれるから、この人たちを相手に、ボツボツやっていきます。

 それにしても、百ページしか読んでないけど、多田富雄さんはすぐれた書き手だと思います。でも、今夜はまずニャロメを見ようかな!


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