甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

西行さんと伊勢 あいさつの歌7首

2014年05月02日 05時10分14秒 | 三重の文学コレクション
    伊勢にて、菩提山上人、対月述懐し侍りしに
1 めぐりあはで 雲のよそにはなりぬとも 月になり行くむつび忘るな


→めぐり合わないで雲の彼方へ行ったとしても、月になって行くような人とのつながりを忘れてはいけない。今はこうして穏やかにあなたと月に向かっておりますが、またいつかは離ればなれになって、どこの雲の下に行くのかどうかわかりませんが、こうして一緒に楽しいひとときを過ごしたことをずっと忘れないでいたいものですね。

★ 菩提山神宮寺に良仁上人という人がいたそうです。このお坊さんは承元3年(1209)1月に97歳で亡くなるそうですが、西行さんと仲良くお月さんを眺めたそうです。どういう関係だったのでしよう。勉強不足ですみません。もう少し調べたら、詳しく書きますね。ただ、「月になり行くむつび」っていうのも、わかりません。仲良くすることと月とがどういう関係なのかも、わかりません。すみませんでした。


    百首の歌の中、月十首
2 伊勢嶋や 月の光のさひが浦は 明石には似ぬ かげぞすみける


→伊勢嶋には月の光があふれている。さいが浦には明石とは違う月の光がいるようだ。

★ この「伊勢嶋」「さひが浦」って、どこにあるのか、これまた調べないとわかりません。西行さんって、こういう作品を書くのですね。あいさつの短歌なのかもしれません。


    題しらず
3 近江路や 野ぢの旅人急がなむ やすかはらとて遠からぬかは


→近江の国を旅しています。街道には旅人がいるけれど、ぜひ彼らには駆け足で通り過ぎてもらいたいなあ。なぜなら、野洲(やす)川の河原沿いの道だけれど、簡単に着く(安し)ということではなくて、道はまだまだ遠いのだから。

★ 何度か西行さんは東海道を東へ向かっています。開けた近江平野から三上山(近江富士)を見ながら、いよいよ東国世界へ入っていく道沿いに野洲川があって、その河原を歩いていると、道はなお遠いという気持ちが湧いてきて、この歌を作ったのではないでしょうか。おやじギャグ的なところが短歌にはあるのかな。でもハイセンスですか……。野洲河原は、その後、織田信長の家来の柴田勝家さんが、南近江を支配していた六角さんたちがリベンジにやってきて、その軍勢と合戦をして勝利した場所だそうです。その勢いで姉川の戦いでも勝利し、近江の国の完全支配へつながっていったそうです。知らない戦いって、いっぱいあるんですね。



   世をのがれて伊勢の方へまかりけるに、鈴鹿山にて
4 鈴鹿山 うき世をよそにふりすてて いかになり行くわが身なるらむ


→鈴鹿山を越えていこう。つらいことばかりのこの世をすべて振り捨てて、坊主になった私は旅に出ていこう。この先は、どうなるかわからないけれども、それはそれでいいのだ。

★ 鈴鹿峠は、都人が東国への入り口です。もうここからは未知の土地で、恐ろしい者どもがうごめいている世界でした。そちらへ踏み出すには、相当の覚悟も必要だし、そこですべてをリセットして何かをやっていこうという気構えがあったのでしょう。何だか、さばけていて、さあいくぞという気配が感じられてステキです。




    高野山を住みうかれてのち、伊勢国二見浦の山寺に侍りけるに、太神宮の御山をば
    神路山と申す、大日の垂跡をおもひて、よみ侍りける
5 ふかく入りて 神路のおくを尋ぬれば 又うへもなき峰の松風


→伊勢神宮の内宮の奥の奥を求めて歩いてみれば、そのてっぺんにはそれ以上何もない松風が吹いていた。

★ この歌も突き抜けている歌で、ステキです。山のてっぺんには神様がおられるわけではなくて、底抜けの青空があるだけだった。でも、それでこそ私は神を感じるのだ、と言っているような感じです。


     伊勢にまかりたりけるに、太神宮にまゐりてよみける
6 榊葉(さかきば)に心をかけんゆふしでて思へば神も仏なりけり


→神に捧げる榊の葉に木綿垂(ゆうしで)つけて、お祈りをしてみましょう。そうすれば、神様も仏様のように、坊主の私に語りかけてくださるでしよう。

7 宮ばしらしたつ岩ねにしきたてゝつゆもくもらぬ日の御影かな

→お宮さんの柱のように大地より切り立っている岩に、すべてを冴えとがらせてしまう太陽の光が降り注いでいます。これらはすべて神様のしわざなのですね。

★ 今回取り上げた七首の歌は、近江から伊勢へ入り、神宮にお参りし、神路山へも登り、伊勢神宮の神域を感じ、素直にそのすばらしさを作品にしようとした歌でした。ですから、旅先でふと目にした風景を、神様とからめて作品にして、そのありがたさを伝えようという苦労があるようです。ことばを工夫して、景色を詠まされている。もっと突き抜けるような、どうにでもなれ! と突き抜けてるのは、4番の歌だけじゃないかなぁ。



 さて、ゴールデンウィークのメインの4日間がやってきます。うれしいのは今晩だけで、明日の夜はまだ元気でしょうけど、4日の夜にはしょんぼりしているかも……。

 でも、私には広末涼子さんがいます。今朝も、こんなあまーい世界を、スタッフによって作り上げられた世界なんだろうけど、一生懸命に歌で演じている若き広末さんを感じました。20年近く前の彼女の歌声に泣いてしまいました。歌の世界はニセモノかもしれないけれど、それを演じている彼女は本物だ! 今は立派な女優さんだけど、確かに歌声の中に10代の彼女が入っている! それをものすごい時間差だけど私は感じると、サングラスごしに涙を流し、信号待ちでは涙をふいて、感動していました。何度も何度も「恋に落ちちゃいそうな五秒前……」というのを、素直に、そんなのあるかよと頭の隅では思いつつ、聞いてました。いやはや、何というオッサンなんでしょうね。

 とにかく、明日は、奥さんとお出かけします! 




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