甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

清光館哀史(1926・T15) その1

2020年08月22日 05時33分41秒 | 空を見上げて

 どうしても聞き取れない言葉がありました。

 そんなに難しいことを歌っているのではないようです。長く伸ばしたり節に合わせて言葉を伸び縮みさせている。歌っている人たちも、そんなに深い意味を感じているわけではない。だから、踊りの合いの手みたいにして、「ハア、そうじやいのー」とか、「やれそれハアー」とか、意味があるのかないのか。

 でも、たぶん、それは言葉だろうし、元々は何か意味があったはずでした。説明は受けたことがないけれど、何となくある種の目的をもって歌われていたことなのかなという気がするのです。

 今から百年前、日本や世界を歩いて来て、人々の中に隠れている言葉の背後にあるものを解き明かしたいと思っておられた柳田国男さんは、六年後、再び小子内(おこない)の町を訪れました。


 六年前は、民俗学仲間と連れ立っての旅でした。今回は、お嬢さんを連れての旅なんでしょうか。

 おとうさん。今までの旅行のうちで、一番わるかった宿屋はどこ。
 そうさな。別に悪いというわけでもないが、九戸(くのへ)の小子内の清光館(せいこうかん)などは、かなり小さくて黒かったね。

 こんな何もない問答をしながら、うかうかと三、四日、汽車の旅を続けているうちに、鮫の港に軍艦が入ってきて、混雑しているので泊まるのがいやになったという、ほとんど偶然に近い事情から、何ということなしに陸中八木の終点まできてしまった。駅を出てすぐ前のわずかな岡を一つ越えてみると、その南の坂の下が正にその小子内の村であった。

 とうとう再び小子内に柳田さんは来られたんですね。さあ、何が始まるんでしょう。

 その前に、思い出したのが、高三の時の日本史の授業で、1925年の普通選挙法と治安維持法、自由の選挙と締め付けのワナとの2つを設定した政府がいて、自由とデモクラシーといった大正時代も終わり、いよいよ暗黒の戦前に向かって行く。1925・T14年は節目になっています。というのを教わった気がします。

 1894年の日清、1904年の日露、1914年の第一次世界大戦、みんな10年ごとの戦争でした。ある程度の間隔を置いて、日本は好戦的な国へ変化していた。

 1915年に対華21ケ条要求(ターゲットは中国でしたね)、1925年に治安維持法、1936年の1月にロンドン軍縮会議から脱退、2月に226事件、1945年に終戦。おそらく三十年近く、いや、もっと前から、侵略は当たり前、遅れているところを日本の力で開明させてやろう。個人はそのために尽力し、世界を日本化させていこう的な、おごった考え方があった、というのは感じていました。



 自分たちの時代に、そんなことが繰り返されるとは思っていなかったけれど、悲しいけれども、今もどこかの国で、何十年も前の日本みたいに拡大政策をして、地元の声なんか無視して、結局は自国の利益のために、おためごかしで、あなたの支援しますよ、という国家があるような気がするんだけど、気のせいかな。

 歴史は繰り返すというから、何度も人間は、同じ失敗を繰り返すのかもしれません。

 1926年ということで、自分の思い出に行ってしまいました。とにかく、1925年はインプットされたんですよ。だから、昭和ヒトケタというと、えっ、西暦は? と、計算できなくなってしまう。父が昭和5年の1930年生まれなんだから、そこを基準にあれこれすればいいのに、頭の線が断絶してしまって、昭和の初めって、うまくつながらないんです。(大正時代も、ボクの頭では線が切れてしまって、1923年のT12の9月1日関東大震災を基準にして前に行ったり、後ろに行ったりしています。暗算はもちろん苦手で、把握できないんです。アタマ悪いもんね!)

 芥川さんが亡くなったのは? 小林多喜二さんが惨殺されたのは? 何度憶えようとしても、あいまいになってしまう。

 芥川さんは1927・S2で35歳だったのか。小林さんは1933・S8に30歳で拷問で命を落としたということでした。そんなことが平気で行われる国ではあったのですが、あれから私たちはどれだけ変われたのか、変われてないのか。

 それはもう、自由で平和な国になった。ということも感じるけど、変わってない部分もあるような気もするのです。変わらないところと変わったところ、不易と流行ですね。

 清光館のことを書かなきゃいけないのに、自分のつまらない思い出話に行ってしまった。


 また、機会を改めて、柳田さんの旅のこと書きます。みなさま、あと少しです。あと少ししたら、とりあえず暑さだけは落ち着くでしょう。台風もやって来るでしょう。でも、コロナの嵐はずっとずっと吹いてます。私の近所でもチラホラです。少し落ち着きません。今日は、雨が降るというけれど、朝から暑いです。(2020.8.22 6:26am)

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