やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

人生はたからもの

2021年01月16日 | 映画

イタリア人のロベルト・ベニーニ監督が脚本・主演されている

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」は

第51回カンヌ国際映画祭で「審査員グランプリ」を受賞されました。

 

 

物語は第二次世界大戦中で、ユダヤ人迫害が描かれています。

ユダヤ人の主人公は、捕まり、強制収容所へ連行されます。

 

家族3人が戦争の悲劇による大混乱の中、

主人公は冗談を言い、明るく振舞って、

息子を悲しませないよう努めます

 

そんな時、強制収容所内で偶然、

オッフェンバックの「ホフマンの舟歌」のレコードを見つけ、

外に向けて、大音量で流します。

 

その曲は、戦争が起こる前の主人公と妻との思い出の曲で、

まだ戦争の悲劇の無い、美しい、恋の夜のあの日が、

曲とともに沁みついていて、

まるで昨日のように思い出されるのです。

 

戦争という悲しみと、美しい恋の喜びが、

見事なバランス、調和を保って、

二度と戻る事の出来ないあの日が

よりいっそう美化されて、人生の儚さを感じます。

 

「ホフマンの舟歌」

 

美しい夜 恋の夜

陶酔するぼくたちに笑いかけておくれ

 

昼よりも甘美な夜 美しい恋の夜

時は去り 二度と戻らない

 

ぼくたちの楽しかった会話を連れて

時はこの至福の場を去って

二度と戻ってこない

 

美しい恋の夜よ

陶酔するぼくたちに笑いかけておくれ

 

 

最後、主人公はドイツ兵に見つかり、銃を突き付けられ連行される所を、

偶然息子に見られてしまいます。

 

主人公は自分が殺される運命を悟りながら、

息子が悲しまないように、コメディのようなふざけた歩き方をして、

息子に「これは全て冗談なんだよ。夢なんだよ。」

と言わんばかりの笑顔を見せます。

その後、主人公は息子の見えないところで、銃で撃たれて死んでしまいました。

 

人生とは過ぎてしまえば、あっというものかも知れませんが、

何でもない一日一日が実はとても大切な

かけがえのない一日なのです。

 

 

この映画のパンフレットに、

この映画のキャッチコピーがこう書いてありました。

 

「人生は たからもの」

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