会計業界戦線 異常アリ

インターネットの登場によって、顧客の流動化が進む会計業界。このブログでは、会計業界の変化を綴っていければと思います。

デイトレーダー「運命の4分間」/1

2009-05-19 10:49:56 | 世界事情
毎月定期購読しているCOURRIER JAPON。

この雑誌は、イギリスのエコノミスト、フィナンシャル・タイムズ、フランスのル・モンド、アメリカのワシントン・ポスト、ニューヨークタイムズなどの名門紙と提携し、そこには日本のメディアでは見られない新鮮な情報と視点が満載です。

最新号のテーマは、「世界に学べ!大不況脱出マニュアル」です。

その中に、大きなダメージを受けた証券マーケットで奮闘するトレーダーを描いた記事がありました。非常に面白かったので、御紹介したいと思います。


乱高下する市場で売り抜けろ!
デイトレーダー「運命の4分間」1

“普通”の投資家なら、混乱する市場から逃げ出してもおかしくはない。恥ずかしくもない。だが、ミルマンは違う。「波に乗る」ほど、痛快なことはないのだ。/FROM ニューヨーク・マガジン



モニター上では赤と青の線が小刻みに上下動している。だが、そのほとんどは赤い。

「いったい、どうなってんだ?」

株式市場が、今日も下落している。昨日も一昨日も。マディソン街のオフィスでうなだれているのは32歳のデイトレーダー、ピーター・ミルマン。ジーパンにTシャツ、パーカー姿だ。周りには同じ格好をしたトレーダーが何人も並び、モニター画面を凝視している。

画面上には、表、グラフ、指標が飛び跳ねるように映し出される。職場に響くのはキーボードを打つ音だけ。そこに、ときおり罵声が混じる。

「ふざけんなよ!」

昨年11月中旬の取材当日、投資家を安心させようとブッシュ大統領がマンハッタンを訪れているが、そんなことは彼らにとって、どうでもいいようだ。7000億ドル(約70兆円)の金融機関救済計画を撤回すると、ポールノン財務長官が発表したため、市場が急落。ミルマンが呻く。

「くそ!マジで?なんてこった!信じられない……。うわっ。ああ、神様!おいおいおい!」

そのときだった。それは前触れもなく起こった。市場が底入れしたのだ。株価は一
転して上げ始め、株価チャートは一気に上昇する。開催が迫るG20金融サミットヘの期待感か?それとも、原油価格急落の影響か?

ミルマンには、理由はわからない。興味もない。

「ああ、神よ!」とささやきつつ、彼は怒り狂ったようにキーボードを叩く。株価が上昇するなか、大量に買い、即座に売るという動きをひたすら繰り返す。その間にも株価は上がり続ける。

市場を思いのままにしたい気持ちからか、ミルマンの体は前へ迫り出し、座席
の端から滑り落ちる一歩手前。その姿はまるで、場末のゲームセンターにいる、“ピンボールの鬼"のようだ。

彼のモニターには青い線が走り、どんどん上昇している。損益を表す数字がスロット・マシーンさながらに動く。毎秒数百ドルの利益が、今度は毎秒数千ドルに変わる。

青、青、青!

上昇が止まらない――――!

「頼むぜ、ナスダック。上げてくれよ!」と彼は吐き出す。

途端に部屋中が話し声で騒然となる。誰もがモニターにくぎ付けで、アドレナリン全開だ。


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