会計業界戦線 異常アリ

インターネットの登場によって、顧客の流動化が進む会計業界。このブログでは、会計業界の変化を綴っていければと思います。

独自性・低価格で最高益の企業群

2009-02-10 18:59:39 | 会計業界パブリシティ
この不況期でも、最高益を上げている会社があります。

そんな興味深い記事が、本日のニュースに出ていました。

◆独自性・低価格で最高益 カカクコムなど71社 09年3月期

2月10日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ


世界的な不況の影響で東証1部上場企業でも2009年3月期の業績予想で下方修正や赤字転落が相次ぐ一方で、過去最高益を更新する企業も9%近くに達する見通しであることが9日、新光総合研究所の調べで分かった。

輸出に依存しない内需関連企業が中心で、特に「独自性」「圧倒的なシェア」「低価格」などの事業戦略を前面に出した企業の健闘が目立つ。

新光総研が、東証1部上場の3月期決算企業のうち、過去5期以上の財務データが取得可能な時価総額500億円超で、6日までに08年10~12月期決算を発表した796社(金融を除く)を調査した。それによると、通期の経常利益が過去最高になると予想した企業は71社で、全体の8.9%だった。

過去最高益を予想する業種の中心は内需関連で、圧倒的な市場シェアを占有または独自戦略を打ち出している情報・通信や小売業が目立つ。

インターネット価格比較サービスのカカクコムや外食関連ネット情報サービスの「ぐるなび」は「業界でも競合が存在せず、外部環境の影響を受けにくい」(新光総研の稲垣智博クオンツアナリスト)ことが収益上の強みとなっている。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも、類似のアミューズメント施設がないうえ、25周年という節目のイベントが好評。入園者数が2710万人と、過去最高の見通しになることが利益を押し上げる。

小売りでは、低価格ながら付加価値の高さを売り物にした企業が伸びている。

例えば、うどんチェーン「丸亀製麺(せいめん)」を展開するトリドールは、客単価が500円を切る中で、店内で麺打ちすることで付加価値を高める戦略が奏功。

「手作りとお得感から、他のファストフード店やコンビニに対抗できた」(総務部)としている。

08年12月期決算を終えた日本マクドナルドホールディングスも低価格のバリューメニューにより、縮む外食市場の中で顧客を引き付け、最高益を達成した。サントリーもビール市場の縮小が続くが、低価格の第3のビール「金麦」のヒットなどが寄与し、経常利益で過去最高を更新した。

「競合他社にない独自戦略を打ち出すことで顧客の支持を受けている企業が、厳しい環境下でも利益を出している」(稲垣氏)という意味で、最高益企業の視点は今後の成長戦略に不可欠といえそうだ。

(阿部賢一郎)


いかに参入障壁を作りながら、独自のポジショニングを築けるか。

そこが、キーですね。


◇あなたにぴったりの税理士を無料で御紹介致します

連載七回目/顧問依頼は人間としての相性も重要

2008-11-30 00:49:38 | 会計業界パブリシティ
引き続き、七回目の掲載記事です。


◆顧問依頼は、人間としての相性も重要

一旦顧問税理士を決めれば、会社の事業が存続する限り、先生とは長い付き合いになります。その時、円滑なコミュニケーションのベースになる大きな要素は、“人間としての相性”です。

顧問税理士にどこまで求めるかにもよりますが、“税理士を変更する大きな理由”の一つは、事業主サイドのニーズと税理士の提供するサービスのギャップにあります。そしてその遠因になっているのが、“双方の人間的相性”です。

「○○のようなことまでやってくれると思ったのに」
「もっと早いレスポンスが欲しい」
「経営的なアドバイスがもっと欲しい」…

そういった不満の根底には、大抵普段からの双方のコミュニケーション不足が原因になっているケースが多いのです。

事実、事業主と顧問税理士がうまくいっているケースの場合、お互いの価値観や趣味、家族の話まで共有されていることも多く、そこには業務の域を超えた人間関係があります。

そして、その人間関係をベースにいろんな悩み事が相談され、それが顧問税理士の商機に発展していくのです。

例えば、弊社に税理士紹介のお問い合わせが入りご紹介する場合、月額顧問料や決算料といった金額面だけでなく、希望される年齢やエリア、どんなタイプを希望されるのかをお聞きします。

この“どんなタイプ”かというところを細かく詰めれるかどうかが、実はマッチング率に大きく影響するのです。

人間には、いろんなタイプがあります。

陽気なタイプ、冷静沈着なタイプ、行動的でバイタリティ溢れるタイプ、保守的で手堅いタイプ…。まさに千差万別です。だからこそ、価格やサービス力も大事ですが、何より一番気持ちよくコミュニケーションが取れる相手を事前に精査し選択することが、非常に重要なのです。

経営者は、常に孤独です。だからこそ、何でも相談できる相手の存在は貴重です。そしてその存在は、精神的安定につながり、客観的視点も増え、情報力の強化にもつながります。

そういう意味では、人間的相性が合い親密なコミュニケーションが成立する税理士の存在は、時には財務の医師にあり、時には社外取締役になり、そして時には家
族に近い存在もなり得るのです。

連載六回目/顧客企業の流動化進む

2008-11-30 00:37:52 | 会計業界パブリシティ
引き続き、六回目の連載記事です。


◆顧客企業の流動化進む

従来広告・宣伝を禁止されていた会計事務所業界では、顧問先企業の移動はそんな頻繁なものではありませんでした。ところが、広告・宣伝が可能になり、一部の会計事務所がホームページで情報発信をし始めると、「知り合いに紹介された」「たまたま近所の先生に頼んだ」といった比較的帰属意識の低い層から、“依頼する税理士の変更”という現象が起こり始めました。

では、税理士変更はどういった理由で起こるのでしょうか。大きく3つの理由があります。
 
一番目は、価格の問題です。創業したての企業はできるだけ安く押さえたい。伸び盛りの企業は、税務決算以外にも付加価値サービスを期待したい。そういった顧問先企業ニーズと税理士が提供するサービスと価格に、ギャップが生じる場合です。

最近多いのが、「今のサービスのままであれば、もっと安い税理士に変えたい」というケースです。つまり、付加価値の低いサービスしか提供できないと、価格競争に巻き込まれ、生き残ることが難しい時代になってきているのです。

二番目は、サービス力の問題です。最近あったケースでは、「業務上の問題に対応してくれない」「同業他社の情報が少ない」「税務決算だけで、経営の相談相手にはならない」というものがあります。当然お互いに言い分はあり、価格との相関関係があるのも事実ですが、顧客サイドに立った視点がまだまだ希薄な業界であるのも事実であり、今成長している会計事務所は、こういった声をキャッチして大きくなってきています。

三番目は、所長の人柄です。人間誰しも相性があるとはいえ、「何でも相談に乗ってくれる」「レスポンスが早い」先生は、高い評価を得ています。話しやすく、相談しやすい、そして細かくサポートしてくれる税理士こそが、人気の税理士像ではないでしょうか。

サブプライム問題に端を発した金融恐慌の影響が実体経済にも影響を及ぼしつつある今、資金繰りなどは中小企業の切迫した経営テーマです。それらを一緒になって解決してくれるかどうか。

税理士は、選び方によっては単純な“コスト”にもなり、時には貴重な“命綱”にもなる。

それは、経営者の眼力にかかっています。

連載五回目/個人商店型、相性が肝心

2008-11-30 00:30:07 | 会計業界パブリシティ
引き続き、五回目の連載記事です。


◆個人商店型、相性が肝心

全国に32,000~33,000あると言われている会計事務所。その中でも圧倒的な割合を占めているのが、この個人商店タイプの会計事務所です。

このタイプは、会計事務所を2~3箇所渡り歩いて独立した30代の若手もいれば、国税庁を退官し事務所を開設したベテランまで様々です。マンションの一室もしくは小さなビルに事務所を構え、所員もしくは事務員が数人というこのタイプの会計事務所の大きな特徴は、“所長が全て”ということです。

提供するサービスの内容も、臨機応変な対応力も、それらは全て事務所のトップである所長自身の腕にかかっていると言っても過言ではないでしょう。

ではユーザーから見れば、どういった点に注意すれば良い先生を見つけることができるのでしょうか。

まず第一に、ホームページを持っているかどうか。新規の顧客開拓だけでなく、既存顧客とのリレーション強化にも大きな効力を発揮するホームページを、これだけインターネットの時代になっても持っていないということは、時代感覚的に疑問視されかねません。

次に、ホームページや出版物といった広報メディアの中で、具体的な事例を挙げているかどうか。技術に自信のある人ほど、わかりやすくそれを伝えようとします。知らない人に対して一番信用が得られるもの、それは主観に左右されない具体的な事実(実績)です。

ユーザーのニーズに対して、その事務所が提供できるソリューションをきちんとわかりやすく説明しているかどうか。また、そういったことが重要だと感じるセンス。それらは、これから長いお付き合いをしていく上で最も重要なコミュニケーション能力を図る重要な判断材料と言えるでしょう。

ホームページで過去の経歴を見れば、その先生の考え方とサービス力はかなりイメージはつきます。

最後は、ズバリ人柄です。人間には、必ず相性があります。どんな優秀な先生でも、“合う、合わない”は必ずあります。困った時に、何でも相談できそうかどうか。すぐに折り返し電話くれそうかどうか。

実は、ここが税理士選びの一番重要なポイントなのです。

連載四回目/総合サービス化を進める百貨店タイプ

2008-11-29 23:55:23 | 会計業界パブリシティ
こんばんは。

本日は、日刊工業新聞連載中の四回目の記事です。

全国に32,000~3,3000あると言われている会計事務所。その中には、様々なスタイルの会計事務所が存在します。

その中でも、ビックフォーと言われる大手監査法人に準ずる規模を誇り、幅広いサービスを展開するのが百貨店型会計事務所です。従来、会計事務所は税務だけの単一サービスですが、このスタイルの会計事務所は規模とサービスの多様化で差別化を図り、その組織と人員は企業と全く同じです。

税務業務の周辺には、実は非常に多くのビジネスチャンスが広がっています。

例えば、ラーメン店を経営しているオーナーが税務業務を税理士に頼む場合、通常は毎月の経理の自計化を行いながら、決算書の作成で終わります。しかし、コミュニケーション能力の高い税理士の場合、様々なシーンが誕生します。

「先生、実はうちの父が高齢で、今から相続対策の準備をしておきたいんですが…」
「うちのお店で使う食器を全て変えたいんですが、いい業者さん知りませんか?」
「今度新たに出店したいんですが、良い物件を知っている不動産屋さん紹介して頂けませんか?」…
経営の内情を全て明かしている精神的なつながりもあるのでしょうか(笑)、税理士の存在はコミュニケーションの取り方一つで、非常に大きな存在になれる可能性を秘めているのです。

総合サービス化を進める百貨店タイプの会計事務所は、そういった顧問先企業に内在する様々なニーズを体系化し、専門のスタッフを揃え、対応することで大きくなってきたのです。

最近ではその業務領域も、システムのコンサルティングから、不動産や債権の証券化、M&A、企業再生、事業承継、相続対策、資本調達など多岐に渡っています。月次の経営会議に出席し、数字の意味を提言しながら、収益向上のためのアドバイスから、組織改革までアドバイスしてくれる会計事務所もあります。

ここまでくると、通常のコンサルティング企業が提供するサービスと全く変わりません。しかも、会計事務所はその企業体の経営数字を一番把握しています。それは病人の詳細なカルテを持つ医師と同じように、企業を正しい方向に導ける有力な外科医になれる存在なのです。

ある大手会計事務所の所長が、「経営を形にすると会計であり、会計とはアートだ」と仰っていましたが、その通りだと思います。

会計には企業価値を図る側面があり、同時に経営実態を正しく反映する側面もあります。

だからこそ、経営改善の貴重な台帳になり、サービスの基にもなれるのです。