栗太郎のブログ

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陸奥の旅 蝦夷のあしあと(6) 丹内山神社

2008-06-23 14:23:46 | 見聞記 東北編

たかだか一回の旅の見聞記、こんなにダラダラ長く書きつつようやく2日目に入ります。
おかげで、タイトルで「陸奥の旅」と打つところ、「無知の度」と打つ始末。
打てる!と思った剛速球に空振りしてしまったロートルバッターの気分であります。

枕はこのくらいにしておいてっと。


さてと、その2日目に朝。

宿を7時に出た僕は、この町最古の丹内山神社へ。
神社へ向かうこの一帯は、山間地とはいえ緩やかな斜面の丘が幾重にも折り重なったような地形。だから空も広い。
高原の酪農風景のよう。




ようやく、はるかに一の鳥居。 となると正面が神社だ。
この辺りが『火怨』で物部が根城としていた山かと、そう思っただけでドキドキしてくる。




さすがに古代巨石崇拝の地。周りには岩がゴロゴロしている。





境内。





拝殿。
 




参拝を済ませ、見上げると拝殿正面に掛けられていた奉納額が。
あれれ??
これは、なに??



ぱっと見、布切れが汚れてクシャクシャになってるのかと思ったが、よく見れば楔でキッチリ固定されていた。
もしかしてもしかしたら、これはタタラでできた鉄の塊ではないのか?
こんな額、初めて見た。
もしもそれなら、ここは間違いなく製鉄の文化を色濃く今に残してることになる。
これぞまさしく、鉱山技術を持った物部のいた証なのではないか!
し、しかも!
その両脇に掲げてあるのは、なんだ!?
牛?・・・とも見えるけど、鬼なんじゃないか!?



僕は一瞬後ずさり。
こんな人気のない境内で、ちょっと怖くなってきた。



拝殿の裏手に回ると、巨石が鎮座。





岩に触れずに通り過ぎることができればご利益とか。まさに、胎内くぐり。




これぞ、アラハバキ信仰のご神体だ。苔むした岩肌には注連縄がかけられている。
由緒書きには1300年前より云々と書かれている。
『火怨』でアテルイがご神託を受けたり、『鬼』で弓削是雄が強い気を感じたり、『降魔王』で剣杏之介が涙を流したのは、まさしくこの巨石なのだ。
この日本の国がまだ、まともに文字さえも持たない時代よりここにどっかりと腰を下ろし、土地の人間に崇められていたのかと想像するだけで、気が遠くなるような気分にさせる。

駐車場から望む東和のまち。




安倍、藤原、小原、南部と、つねに時の権力者の庇護を受け、最盛期には幾多の堂宇が建ち並んだというこの神社も、今ではその面影もなく、神官もいないようだ。
早朝のせいもあってか、僕の他には訪れる人もいない。
すでに時代の役目を終えて、隠居をしているかのような雰囲気さえ漂っていた。



峠に足を延ばし、山向こうの田瀬湖を見てみたかった。

  田瀬湖

ここの湖畔、『降魔王』では「ドリーマー」なる農場がある設定だが、もちろん架空の話。



帰り道。ふと視線を上げると何か物影が!?
わかるかなあ?
どうやら、カモシカが柵の金網に角を引っ掛けて動けないらしい!



救ってあげようと思っていると、ちょうど地元消防団の消防車が通りかかった。
そうこうしているうちに、カモシカは自力で逃げていった。
団員いわく、この辺りではよく見かけるそうだ。
僕には、『もののけ姫』に出てくるシシ神にも見えたような、見えなかったような...。


(蝦夷のあしあと その7)



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