栗太郎のブログ

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いま僕的に、きくちなるよしが、ヤバイ。

2012-05-06 16:18:04 | もろもろ

菊地成孔と書いて、きくちなるよし。いま、毎週日曜夜に、TBSラジオで『菊地成孔の粋な夜電波』なる番組を放送中。現在、シーズン3。番組は、チャーリーパーカーをバックにした長々と流暢な前口上ではじまり、基本、菊地さんのドライブのかかった軽妙なシャベリで終始。回を重ねるごとに増えるEメール、Pメール(=ハガキ)。リスナーが勝手にコーナーを作って送りつけるほど。リクエストは受け付けず、選曲は、チャーリーパーカーを神と崇める菊地さんのこと、もちろんほぼジャズ。なのに、独りよがりの空気は皆無。聴きだしたら、トイレに行くことさえ躊躇うほどの深みにはまる。
シャベリのテンポや面白さは、やまだひさし然として、やまだひさしに非ず。
リスナーのこころをつかむアジテーターぶりは、宮川賢然として、宮川賢に非ず。
そのくせ、知識の豊富さ、ときにみせるインテリジェンスは、山下達郎然として、山下達郎に非ず。
聴けば聴くほど、知れば知るほど、「なんなんだこの人は??」となる。で、昨年放送のシーズン1では、補完ブログなるサイトを運営している奇特なリスナーがいた。(このサイトからでも、ニコ動の「夜電波」シーズン1放送分にジャンプできる)そこには各回ごと、菊地さんの前口上をほぼ完璧にアップしてあり、そのつづきには、番組の進行に合わせ、
紹介してある曲の動画やら、菊地さんが愛するウナコーワの右の人の画像やら、親切にアシストしてくれているありがたい味方。
楽しみ方としては、このサイトを開きながら、ニコ動にもアクセスして、貼ってあるツイッターも開く。つまり、番組を音声で聴きながら、補完ブログを字幕的に、ツイッターを副音声的に。これでもう完璧。
で、数あるなかで強烈にヤバイ回が、第11回テキーラ特集。菊地さんは冒頭、テキーラとパイナップルで作ったカクテル「マタドール」に、カエルの生ジュースを入れてシェイクした「マタドールペルー」なる強烈にエキゾチックなカクテルを、リスナーにすすめる。まあ、そんなカクテルの実在は問わない。音楽学校の先生業もされている菊地さん。こともあろうに、そこの生徒、菱田氏の卒業制作CDを、本人の承諾もなく、番組で流す。しかものその菱田氏、手の甲から肩までばっちり刺青の入ったコワモテ。(ブログに画像がアップ♪ 通りで出くわしたら間違いなく道を譲る感じ) フルエンチョ・マメンデス、ディック・雫、mameno-ojiki等々、さまざまな別名をもつ菱田氏。その個人ユニット名は、その名も『キラースメルス』。素人さんなのに、その音楽はグルーヴ感抜群でヤバく、ツイッター上でのリスナーの食い付きもハンパない。菊地さんが流すくらいだから間違いなくヤバイんだけど、まあ、その歌詞ときたら、「奥さん、洗濯屋です。その染み、抜かしてくれ」とか言って迫る。まあ、ようするに、ケンちゃんなわけで。洗濯屋のほうの。しかもブルース調で。ヤバイ、ヤバイ。
※『夜電波』、全部通してのアーカイブとしたら、ここがヤバイ。
 で、あとはもう、・・ま、めんどくさいんでご自分で調べてください。

ラジオとかだけ聴いてるとどうしても初っ端の印象は、ジャズ好きのイロモノか、あるいは気の利いたゲテモノかと思わせるアクの強さが先にたつ。なにせ、歌舞伎町の住人だってくらいに、放送不可のネタのかおりがぷんぷん匂うんだからしょうがない。風貌をみれば、女衒か、香具師か、ペテン師かっていうくらいに。まあ、堅気だと言い張っても、本人ネタの「コンビニで売ってるおにぎりのフィルムをデザインしている人」あたりがちょうど似合っている。
だけど、この人、その経歴に嘘はない才能をもつ。もちろん、菊地さんはアングラの人かっていうと、さにあらず。
結構メジャーどころの仕事も、しれっとこなしている。
たとえば、今ならこれ、水曜深夜アニメ『LUPIN the Third 峰不二子という女』の音楽監督。
その番組予告がクール↓。

LUPIN the Third 峰不二子という女 PV


で、すでに放送は5回を数える。
久々の新作でタガがはずれたか、うるさい母ちゃんがいない深夜のせいか、女監督がエロいのか、とにかく不二子の露出がヤバイ。乳首なんてオープニングからツンとたってるし、本編でもよく見りゃほとんど服を着ていない。毎回毎回、身体は女の武器とばかりに多くの男を誑かし、あろうことか、銭形のとっつぁんとも刑務所内で関係をもつ。とっつぁんときたら、これがカリオストロの時と同じキャラかと、思わず記憶の整理に戸惑うほどのダーティーぶりがヤバすぎる。


話は戻って。

菊地さんは、口だけでなく筆のほうも達者な御仁。その頭ん中は、どれだけ広い分野に精通しているのかと問うほどに、モノカキとしてもいい。本人の公式ウェブサイト「第3インターネット」をのぞけば、その一端に触れることもできる。
その強気でセンシティブな文章に、こっちはやや日射病にも似た高熱感と浮遊感をかんじてしまう。もちろん本業はジャズミュージシャン。(で、いいんですよね?)老舗音楽雑誌に正面から喧嘩を売るほどに、自分の音楽にプライドと愛を持っている好漢でもある。その本職の音楽畑では、サックスプレイヤーにとどまらず、いくつかのバンドも率いる。そのひとつがこれ、菊地成孔とペペトルメントアスカラール。ちなみに、「ペペ・トルメント・アスカラール」を約すと、甘ったるい女ったらしの拷問、となるらしい。たしかにこの音楽、なまめかしく官能的で衝撃をうけた。思わず僕は、ようつべで聴きながら別ウインドウで密林(もちろん、アマゾンね)を開きこのアルバムを検索、速攻でカートに一枚突っ込んだ。夜中に目を閉じヘッドフォンで聴いてると、目隠しをされて耳元でささやかれているような甘美な気分になる。
僕が女だったら、もうこの一曲で脳ミソが犯されるくらい、ヤバイ。↓

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール : 恋の面影



鬼才、菊地成孔。いま僕的に、『粋な夜電波』、帯でやって欲しいくらいヤバイ。
今日、このあと6時30分からTBSラジオで。
日照権トラブルでもめる高層ビルのために電波が受信できない人は、ラジコで。
じぶんとこのラジコじゃTBS聴けないって人は、ポッドキャストで。
待つのはイヤ、ナマがいいのナマがって人は、デバガメ気分でツイッターで。
それも無理ってなら、妄想で。



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