最近通勤電車の中で見かけた風景。
(1)座席に座っている一列全員がスマホをいじくっている。少し詰めたらもうひとり座れるのに、そんなことはお構いなしに夢中に画面に見入っている。中には混雑しているのに足を組んでいる人もいる。マナーが悪いのに年齢は関係ない。若者も大人もスマホに夢中になっている。
(2)電車を待っているホームでのこと。スマホの画面をこれでもかと両手で速射砲のようにたたきまくっている中年男を発見。電車が到着したのもお構いなしに、夢中にたたきまくっている。まるでハムスターがヒマワリの種をつつきまくっているようだった。仕事に行く前に、そんな余裕がある中年男を羨ましく思う。
(3)疲れた身体を癒してくれる帰宅途上の電車の揺れ。思わずウトウトして隣の中年男に寄りかかってしまったら、「そないに思いっきりせんでもいいやん」と言いたくなるぐらい、思いっきり腕で「向こうに行け」「邪魔なんじゃ」とばかりに拒否された。その中年男の立場に立てば、自分よりもっと年齢が上の初老男に寄りかかられるのは気持ち悪いと思うが、そこまでせんでいいやんレベルだった。そういえば座席に座った時にチラッと見たら、ゲームらしきもんを夢中にやってたなあ。一心不乱、精神統一何事かならざらん状態だった。もしかしたら通信ゲームで誰かと対戦中やったかもしれない。
「すみません」と一応あやまったが、彼も仕事にこれだけの集中力とやる気を発揮していたらもっと出世するのにと要らんことを思いつつ、非常に情けない気持ちになった。
スマホに夢中になりすぎて周囲が見えなくなっている人が増えている。「ポケモンGO」が原因で、なんと先日は死亡事故まで発生した。生徒諸君の中で、身に覚えのある人はいないだろうか。
5月30日の東洋経済オンラインに以下のような記事が掲載されていた。「全国webカウンセリング協議会」理事長の安川雅史さんのお話である。
悲惨な「LINEいじめ」からわが子を守る方法
今や子どもから大人まで、幅広い世代が活用しているスマートフォン(スマホ)。しかし、便利だからこそ依存性も高く、ネット上には、「子どもが食事中もずっとスマホを触っている」と心配する親の声も。無料通信アプリ「LINE」上でのいじめや、出会い系サイト、SNSなどを悪用した犯罪に子どもが巻き込まれるケースも少なくありません。
(中略)
LINEいじめから不登校になり、自傷行為も
私たちの元には、お子さんや親御さんから、スマホを使ったネットいじめの相談が多く寄せられます。その中でも最も多いのはLINEいじめです。特に、LINEのグループから外されたり、裏グループを作られて、そこで悪口を言われたというケースが一番多いですね。
昨年あった相談では、関東の中高一貫校に通う女の子同士のLINEグループで、ある女の子について『あの子って男の子の前と私たちの前とで態度違うよね』『●●ちゃんの彼氏に手出したらしいよ』と噂が広まり、その子はグループの中で無視されるようになりました。
その子がLINEで発言すると、みんな読んでいるのに誰も返信をしない。いわゆる『既読スルー』です。さらに、裏グループが作られて、その子を隠し撮りした写真を投稿し始めたんです。
(中略)
――誰かが広めた噂やささいなケンカから、深刻ないじめに発展してしまうんですね。
今の子どもたちは、家に帰ってからもずっと友達とLINEでやり取りしています。LINEで1日中つながっていれば、友達の欠点が目につくこともあるでしょう。しかも、LINEの短い文面のやり取りでは真意が伝わらず、誤解が生じてそこからいじめに発展することがあるのです。
例えば、LINEのスタンプ1つでも、相手の受け取り方によっては誤解されることもあります。彼氏にふられた子を励まそうと明るいスタンプを送ったら、『私はこんなに落ち込んでるのに、なに喜んでるの?』とケンカに発展した事例もあります。
東洋経済オンラインには、他に「LINEいじめが職場でも起こってしまう理由」という記事があり、上司のLINEに上手く反応できない部下がパワハラを受けているという現状がレポートされていた。
こんな記事を読むと、「LINEグループ」「裏グループ」「既読スルー」「スタンプ」の意味が理解できない「ガラ携」保有者の自分が幸せに思えてくる。
生徒諸君の中には、上記のように一日中LINEで友達や知人とやり取りしている人もいるかもしれない。すぐに返信がないからとイライラしている人もいるかもしれない。
人間は自分が自由にできる時間がなければ精神的に疲れてしまうものだ。愛し合っている男女も、友情で結ばれている友人も、それぞれの趣味や考え方、そして時間を、互いに尊重して認め合いながら、愛を、友情を育んでこそ、両者の関係は長続きする。
パソコンやインターネット、スマホは使いようによっては画期的なアイテムである。知らないことをすぐに調べることができる。パソコンやインターネットのおかげで、どれだけ授業のプリント内容が充実したことか。
しかし、その使用方法を誤れば、画面に集中しすぎて周囲を見渡す余裕をなくし、匿名性ゆえに攻撃的になったり、返信がないからとイライラしたりと、かえって自分のマイナスにもなるのだ。
生徒諸君には、心よりその使用方法を誤らず、自分を見失うことのない、他者のプライバシーを尊重できるような高校生活を送ってほしいと思う。
(1)座席に座っている一列全員がスマホをいじくっている。少し詰めたらもうひとり座れるのに、そんなことはお構いなしに夢中に画面に見入っている。中には混雑しているのに足を組んでいる人もいる。マナーが悪いのに年齢は関係ない。若者も大人もスマホに夢中になっている。
(2)電車を待っているホームでのこと。スマホの画面をこれでもかと両手で速射砲のようにたたきまくっている中年男を発見。電車が到着したのもお構いなしに、夢中にたたきまくっている。まるでハムスターがヒマワリの種をつつきまくっているようだった。仕事に行く前に、そんな余裕がある中年男を羨ましく思う。
(3)疲れた身体を癒してくれる帰宅途上の電車の揺れ。思わずウトウトして隣の中年男に寄りかかってしまったら、「そないに思いっきりせんでもいいやん」と言いたくなるぐらい、思いっきり腕で「向こうに行け」「邪魔なんじゃ」とばかりに拒否された。その中年男の立場に立てば、自分よりもっと年齢が上の初老男に寄りかかられるのは気持ち悪いと思うが、そこまでせんでいいやんレベルだった。そういえば座席に座った時にチラッと見たら、ゲームらしきもんを夢中にやってたなあ。一心不乱、精神統一何事かならざらん状態だった。もしかしたら通信ゲームで誰かと対戦中やったかもしれない。
「すみません」と一応あやまったが、彼も仕事にこれだけの集中力とやる気を発揮していたらもっと出世するのにと要らんことを思いつつ、非常に情けない気持ちになった。
スマホに夢中になりすぎて周囲が見えなくなっている人が増えている。「ポケモンGO」が原因で、なんと先日は死亡事故まで発生した。生徒諸君の中で、身に覚えのある人はいないだろうか。
5月30日の東洋経済オンラインに以下のような記事が掲載されていた。「全国webカウンセリング協議会」理事長の安川雅史さんのお話である。
悲惨な「LINEいじめ」からわが子を守る方法
今や子どもから大人まで、幅広い世代が活用しているスマートフォン(スマホ)。しかし、便利だからこそ依存性も高く、ネット上には、「子どもが食事中もずっとスマホを触っている」と心配する親の声も。無料通信アプリ「LINE」上でのいじめや、出会い系サイト、SNSなどを悪用した犯罪に子どもが巻き込まれるケースも少なくありません。
(中略)
LINEいじめから不登校になり、自傷行為も
私たちの元には、お子さんや親御さんから、スマホを使ったネットいじめの相談が多く寄せられます。その中でも最も多いのはLINEいじめです。特に、LINEのグループから外されたり、裏グループを作られて、そこで悪口を言われたというケースが一番多いですね。
昨年あった相談では、関東の中高一貫校に通う女の子同士のLINEグループで、ある女の子について『あの子って男の子の前と私たちの前とで態度違うよね』『●●ちゃんの彼氏に手出したらしいよ』と噂が広まり、その子はグループの中で無視されるようになりました。
その子がLINEで発言すると、みんな読んでいるのに誰も返信をしない。いわゆる『既読スルー』です。さらに、裏グループが作られて、その子を隠し撮りした写真を投稿し始めたんです。
(中略)
――誰かが広めた噂やささいなケンカから、深刻ないじめに発展してしまうんですね。
今の子どもたちは、家に帰ってからもずっと友達とLINEでやり取りしています。LINEで1日中つながっていれば、友達の欠点が目につくこともあるでしょう。しかも、LINEの短い文面のやり取りでは真意が伝わらず、誤解が生じてそこからいじめに発展することがあるのです。
例えば、LINEのスタンプ1つでも、相手の受け取り方によっては誤解されることもあります。彼氏にふられた子を励まそうと明るいスタンプを送ったら、『私はこんなに落ち込んでるのに、なに喜んでるの?』とケンカに発展した事例もあります。
東洋経済オンラインには、他に「LINEいじめが職場でも起こってしまう理由」という記事があり、上司のLINEに上手く反応できない部下がパワハラを受けているという現状がレポートされていた。
こんな記事を読むと、「LINEグループ」「裏グループ」「既読スルー」「スタンプ」の意味が理解できない「ガラ携」保有者の自分が幸せに思えてくる。
生徒諸君の中には、上記のように一日中LINEで友達や知人とやり取りしている人もいるかもしれない。すぐに返信がないからとイライラしている人もいるかもしれない。
人間は自分が自由にできる時間がなければ精神的に疲れてしまうものだ。愛し合っている男女も、友情で結ばれている友人も、それぞれの趣味や考え方、そして時間を、互いに尊重して認め合いながら、愛を、友情を育んでこそ、両者の関係は長続きする。
パソコンやインターネット、スマホは使いようによっては画期的なアイテムである。知らないことをすぐに調べることができる。パソコンやインターネットのおかげで、どれだけ授業のプリント内容が充実したことか。
しかし、その使用方法を誤れば、画面に集中しすぎて周囲を見渡す余裕をなくし、匿名性ゆえに攻撃的になったり、返信がないからとイライラしたりと、かえって自分のマイナスにもなるのだ。
生徒諸君には、心よりその使用方法を誤らず、自分を見失うことのない、他者のプライバシーを尊重できるような高校生活を送ってほしいと思う。