録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

今回の目的、ズールの名はあの映画から

2023-05-27 22:07:17 | in東京
今回の東京襲来の最大の目的、それは(毎回似たようなものですが)上野の国立科学博物館で行われている恐竜博2023を見ることです。普段この手のイベントは7~9月の夏休みにやるのが鉄板ですが、今回は前倒しなのか遅れたのか5月に開催することになりました。正直5類に移行して事実上解放状態となったとはいえ、収まったかと言うと全くそんなことはないコロナウィルス。前回のワクチンからすでに一年近くたっていて効果はほぼなくなっており、こういう状況で人口の集中する東京に行くのは少し抵抗があったのですが、それを上回る魅力が今回の恐竜博2023にはありました。目玉展示が鎧竜なんですよ。わたし好きなんですよねぇ、鎧竜・・・。
恐竜、特に草食恐竜は化石から変わった姿をしたものが多く、その不思議装飾物はいったい何に使ったのか、図鑑や解説本でいくつかの説が紹介され、興味を引き立ててくれました。ですが・・・大抵の説には否定的な意見も必ず登場するものでそれらを差し引きした結果、草食恐竜たちの魅力的な外見の目的は

「儀礼用、異性へのアピール、個体の識別」

という見た目だけのものに落ち着くという・・・。あああああああああ、つまんない。そりゃそういう目的に絶対使わなかった、なんてことはないだろうし、学者さんは適当な想像でものをいうわけにもいきませんからそういう確実なところに落ち着くのも仕方ないんでしょうが、あれだけの装飾物の利用目的としてはあまりにも無難ザ無難。あっても副次的な効果でしかないでしょうが、それが支配的になるのはあまりに寂しいものです。一方、鎧竜にはそれがありません。今も昔もそのトゲ付きの固い背中は肉食恐竜から身を守るための防具にして武器になっただろうという説が最有力で、個体の識別(なかったわけではないでしょうが)のために主に使った、という話はさすがに聞いたことはありません。この昔と変わらない存在感と同時に、あの「完全武装、全身武器」みたいな感じがたまらないのですよ。これは見たい、見に行かなければ、が重い腰を上げさせる理由となったのです。
一口に鎧竜と言っても大きく二つに分けられるようで、素人の大雑把な解釈だと「背中のトゲが小さめで尻尾にコブがある」のがアンキロサウルス類、「尻尾にコブなどはないが、背中のトゲが大きく、特に肩にあたる部分に角のように見えるほどおおきなトゲがある」のがノドサウルス類、と思ってます。鎧竜の代名詞と言えばアンキロサウルスですが、化石の発見はノドサウルスの方が多く、かつ化石というより石化、魔法か石化ガスで丸ごと石に変えられたまま埋もれていたんじゃないかと思うほど完璧に姿を残した化石の発見例がノドサウルスにはありますので、研究という点ではノドサウルスが先行していました。今回展示されるのはそのノドサウルスではなくアンキロサウルス、その中でもトップクラスに多くの体の部分が発見されている個体の、実際の化石と復元した標本でした。その名はズール! なんでも映画「ゴーストバスターズ」に登場する同名のモンスターが名前の由来らしい(笑)。これは帰ったら確認しないと! とは思いましたが何はともあれズールです。


V30Tで撮影! 手前の鎧竜がズールの復元標本。対戦するように横に展示されているのは肉食恐竜のゴルゴサウルスです。アンキロサウルスの尻尾のコブはほとんど左右に振ることしかできず、あまり高い位置を攻撃することは出来なかったのですが、その高さはちょうどゴルゴサウルスの脛くらい。実際傷の残ったゴルゴサウルスの脛の化石も見つかっているらしく、おそらくアンキロサウルスを襲って返り討ちにあったものと推測されているようです。痛かったろうなぁ。
こちらは実物のズールの尻尾。振り回したらメチャクチャ威力ありそう。いやー、やっぱりいいわ、アンキロサウルス。やろうと思えば丸一日くらいこいつを眺めているだけで過ごせそう。
しかし魅力的な展示はズールだけではありません。

スキピオニクスの化石の実物! こいつ、こんなにいい状態の全身化石があるにも関わらず、他に化石が発見されていない種類です。生まれて間もない幼体らしく、頭骨に継ぎ目のようなものが見られるだけでなく、サイズもかなり小さなものです。それだけに非常に細かい部分まで残っていることに関心します。胃の中の食べ物の残骸やフンさえわかるようです。

ズールの次くらいに気に入ったのは白亜紀の南半球最強クラスの肉食恐竜、メガラプトル。
南半球最大の肉食恐竜と言えば映画「ジュラシック・パークⅢ」に登場したスピノサウルスがいますが、今の説ではほとんど水中生活をしていたとされており、あまり強くなかったようですね。一方メガラプトルはそれらと比べればずっと小型なもののティラノサウルスと違って前足が発達しており、特に爪は強力な武器になったと想像できます。白亜紀の北半球ではジュラ紀に栄えた竜脚類(アパトサウルスとかその辺)の姿が見えなくなっており、すでに生態系の乱れが見え始めていましたが南半球ではティタノサウルス類の竜脚類が依然栄えており、メガラプトルはそれを狩るために北半球とは違った進化をたどった肉食恐竜なのでしょうか。白亜紀でありながらジュラ紀の空気を残した南半球の恐竜、一度特集で拝んでみたいものです。
会場には二時間程度しかいませんでした。土曜日ということもあって人も多く、一度次の展示に移動すると戻るのが憚れたからです。もし人が少なかったら何往復もしてずっと眺めていただろうなぁ・・・。そういえば今に特別展示物にゴジラの骨の標本が来てる、ってどこかで見た覚えがあるのですが、全く見かけませんでした。まぁいいや、今回は恐竜の化石や標本や解説が見たくて言ったんだから。ちなみに同じ上野の美術館で「恐竜図鑑」展を31日からやる、ということだったのですが、これもまぁいいです。
さて、28日は帰還、久々の休みも終わりです。また一日一日の収入支出に腹を痛める日々を送ることにしましょうか。
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2 コメント

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Unknown (siinamon)
2023-05-29 16:24:33
ズール、と聞いて真っ先に思い出したのがゴッドマーズ…;;
すいません、スレ違いですねm(__)m
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Unknown (krmmk3)
2023-05-30 22:36:54
>siinamonさん
わたしも「アニメに出てくる敵の名前みたい」とか最初思いました。そもそも「ゴーストバスターズ」に出てくるモンスターの名前知らなかったので連想できなかったし。コマイヌって勝手に呼んでました。
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