録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

映画秘宝にみる復刊の法則

2020-03-25 22:38:09 | Weblog
少し前に「映画雑誌の中で最大の発行部数」がありながら出版社が親会社に吸収されてなくなる都合から休刊になった「映画秘宝」が、復活することになりました。


雑誌がなくなるとき「休刊」という形をとるのは雑誌コードを出版社がキープしておきたいためにそういう形式をとるだけで実質的に廃刊なのはよく知られた話ですが、「映画秘宝」は珍しい例外となりました。発行形式も以前と同じ月刊誌です。今回は以前の主な編集者が独立して新しい出版社を起こし、宝島社から商標権を譲り受けての形だったために復刊となった模様です。ただ、全く新しい出版社だと発行部数がどれだけ取れるか難しいため、発行は自社で行っても発売は他社の傘下に入って委ねるといった形をとるかも知れません。

わたしの知る限り、同様の休刊・復刊のコースを歩んだのは特撮ヲタ御用達の雑誌、「宇宙船」くらいです。こちらは季刊誌(旧出版社時代に一時隔月刊時あり)ではありますが同じ発行形態をとり、現在も続いています。こちらも休刊後間もなく出版社が親会社に吸収される形で消滅しました。それゆえに権利の譲渡が容易かったのでしょう。「映画秘宝」と「宇宙船」の共通点は多いです。どちらも
・出版社が親会社に吸収されて消滅
・代わりとなる他社出版の雑誌がない
・固い固定読者が望める
・この雑誌なら記事を書きたい、編集に加わりたいと考える業界人が相当数存在するくらいには知名度と歴史がある
違いは、権利を受け継いだのが「映画秘宝」は新たな出版社で、「宇宙船」はホビージャパンというそれなりの規模を持つ出版社であった、くらいでしょう。
ちなみに少し似た例で、「ネットランナー」という雑誌が出版社の方針によって休刊することが決まった際に編集者が独立して新たな会社を興し、「ネトラン」という雑誌を立ち上げたことがありましたが、あれは勝手にコンセプトを継いだ雑誌を作っただけで別に権利を受け継いだわけでもなんでもなかったようです。それゆえか、すぐに休刊しましたし。

わたし個人としても「映画秘宝」の復刊は大歓迎です。そして、何より望むのが旧出版社時代に別冊として出版していた「特撮秘宝」もまた作って欲しい、ということです(^^)。
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